それから3ヵ月後

number2[彼がした事]

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あれから3ヵ月。季節は変わって秋になる。

暑い夏の日も過ぎ、冷たい風が吹く。

彼の居なくなった日常にも慣れてきた。

相変わらず私たちは仲が良い。

年齢や職業が違っても毎週の様に会い過ごしてきた。

とある日B君から連絡が入った。弁護士から連絡が来たのだ。

『友人君♂は何をやったんだろう』   
『もうじき出られるのかな?いや、もう出てたりして⁉︎』  
『出てたら連絡来るっしょwwww』

そう私とAは笑い話にした。

こんな歳にもなって事の重大さが分からないのか?と思うかもしれないが、

留置所にいるのに、友人君が犯罪を犯すなんてあり得ないと私たちは未だに思っていた。


B君が言う。

『詳しい事は本人から聞いてください。  巨大な組織犯罪が絡んでいて起訴以降も時間が掛かるみたいです。弁護士から本人に確認を取って、本人が希望をすれば会えるので、待ってて下さい』


行方不明になって所在が分かる人に繋がるまで1週間と少し。弁護士と連絡が取れてから約3ヵ月。

この時、どうしてこんなにもレスポンスが悪いんだろう?と少し思った。恐らくこれを読んでくれている方もそう思うかもしれない。 


これには理由がある。

①巨大犯罪組織が関わる事件である事から取調に時間を要する(見知らぬ他の容疑者の自供との擦り合わせの為)
②友人君が国選弁護制度を利用している  
③その為他にも多数の案件を持っており友人への優先度が低い  
④私たちが家族ではなく友人である   


この為、どうしても時間が掛かるそうだ。


そうして私たちは連絡を待ち続け

前回の連絡から1ヵ月が経ったある日、B君から連絡が来た。


『弁護士から連絡が来ました。友人君は今〇〇署に居ます』


夏に消息を経った友人君♂と約4ヵ月振り?もうすぐ5ヵ月になるのか。毎週の様に会っていた友人君♂と再び会える事になる。

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