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DQ3という器は、現代的な探索要素を入れるには小さすぎる。DQ3リメイク感想 

自分はドラクエ全般に思い入れがあり、SFC版DQ3はRTAをやっていたので100回くらい? 遊んでいます。
美麗なグラフィックと美しい音楽で大変楽しめたのですが、システムとしては微妙な箇所も多々あったと思います。

ちなみに、わたしは難しい難易度『いばらの道』でプレイしました。

追加要素

・フィールド探索要素(キラキラ、ひみつの場所)

全体的にストレスを増やす要素になっていたと思う。
序盤は種などが手に入りうれしかったが、中盤以降は特に必要のないものが手に入る場合が非常に多かった。
ひみつの場所も、わかりづらい位置にアイテムがあるケースがとても多く、ストレスを感じた。

元々のDQ3という器の上に、追加の探索要素を乗っけること自体が無理だったのだと思う。バトルロードという要素だけでは不足があるし、他の軸を追加しようとしても、職業というシステムがある限り、全プレイヤーにうれしいものにはなりえないため。

ラーミア後、急に価値のあるものが多くなるのは良かったとは思う。
全部回収しようと思うと大変なのだが、それがないとクリアできないというわけではないため。
手前への視認性が悪いことに関しては、そういうものだと受け取ればそこまでストレスにはならなかった。

・はぐれモンスターシステム

存在自体はいいが、探索の報酬の大部分を担うには荷が重い印象。
複数種類仲間にするとレベルアップする、という仕掛けはとてもいいと思った。
ただ、中盤以降はあまり複数種類のモンスターが出てこず、何体も仲間にしていたモンスターよりも、新しく手に入ったモンスターの方が強いということがほとんどで、残念だった。

・職業

魔物使いが強いこと自体は良かったと思う。
特技により、戦士や武闘家の個性もより出ていた。

・追加ストーリー

オルテガの追加ストーリーがメインシナリオの各所に入っていたが、SFC版くらいの情報量で、キングヒドラに殺されたときの悲しみは十分に演出できていたのではないか。(主人公の父親であり、ムオルやアレフガルドで噂を聞けるという程度)
それより、探索の報酬としての追加ストーリーがあったほうがよかったと思う。

バトル

・レベルアップ時にHPとMPが回復する

リソースが尽きて生きて帰れるかわからない、というドキドキがスポイルされて残念だった。
蘇生手段も豊富で、死んでもすぐ復帰できるので、雑魚敵がただの不可避なストレスになっていた。うまく対処して、リソースケチれた、気持ちいい! という瞬間がほとんどないし、戦力を強化することで雑魚敵の脅威が薄れるということもない。

リメイク版DQ7やDQ8はシンボルエンカウントのため、そもそも雑魚敵へのストレスが希薄だったので気にならなかった。
しかしDQ3はランダムエンカウントかつ逃げにくいゲームなので、雑魚敵へのストレスが高い。(全滅の危険および時間を食うという点で)
レベルアップ時のHP/MP回復(およびリスタート機能)が入ったせいで、全滅の危険は戦力の有無にかかわらず激減したし、時間を食うという点は戦力の有無にかかわらず残ってしまったので、特に気になった。

・新ボス

驚きがあり、よかった。
特殊な技などは使ってこないが、シチュエーションで変化を見せていて、もともとのDQ3からは浮かずに、新しい体験を提供できていたように思う。(テドンの無限に仲間を呼ばれるボス戦、地球のへその1vs1のボス戦)

コスト的な意味でも、既存のドラクエモンスター(特に1,2で出そうなモンスター?)を使えるので、よさそう。

・難易度設定

『いばらの道』で経験値とゴールドが減るの自体は、いいと思う。もともとのDQ3の設計に近づいているため。
『バッチリ冒険』の「迷ったら コレ!」という文句はとてもいい。

・複数アクセサリ

性格を変化させない第二アクセサリ枠は便利でよかった。
ボス戦も状態異常を多用してくる敵が多く、複数アクセサリの機能が十全に生かされていたと思う。
ただし、対状態異常アクセサリをつけていても、普通に状態異常になってしまう場合も多くあった。
上位の対状態異常アクセサリを増やせば、探索のありがたみ的な意味でもよかったのではないかと思う。
(うんのよさを上げればよかったらしい?)

・バラモス戦

バシルーラがHPの半分を切った後に使われるようになっているので、
やられる前にやるというコンセプトが明確になっていて、とてもよかった。
…なので、バラモスブロスは自然回復もなく最初からバシルーラを打ってきたのが、コンセプトズレを感じて残念だった。その後のバラモスゾンビが自然回復多いキャラなので、仕方ないかもしれないが。


グラフィック

各キャラクターのイメージビジュアル? はすごくよかった。
塗りにムラがある感じ、がさつく感じが、攻略本の挿絵を思わせて、非常に味がある。

まとめ

昔のゲームの土台の上にいろいろな要素を乗っけるということに限界があったと思う。
探索で手に入るものが少なく、増やすためのコンテンツを一軸追加しようにも、全プレイヤーに影響がある内容ではないため、難しい(例:仲間モンスター。魔物使いを入れてないプレイヤーにとってはそれほどうれしくない)

もっと昔のドラクエ3に忠実にするか、システムをガラッと変えるかのどちらかが必要だったのだと思う。
もっとも、売れているタイトルではあるし、昔のドラクエを傷つけないためにも、これくらいの塩梅で出すのが正解ではあったのかもしれない。


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