世田谷シルク「春夏秋冬」@座・高円寺(4/20〜24)を見に行く

■source:座高円寺DMの中のフライヤー
■reason:世田谷シルク「春夏秋冬」@座・高円寺(4/20〜24)

演劇は映画と比較するとあまり見に行かない。自分が演劇者でもなければ演出家でもないのにそこに漂う生々しい緊張感が数時間続くことに若干の抵抗感があるのかもしれない。始まってしまえばもちろん歌舞伎にせよ人形浄瑠璃にせよ集中できるのだが、開始直前には若干「はやく終わらないかな」と思う場面は、今考えるとそうした緊張感なのかもしれない。寒い日の湯船に浸かる瞬間、あれ、なんて言うのかな、名前がついているように思うのだが、じわっとくる悪寒のようなものを想起する。演劇で多用される座・高円寺はそれでも職場にほど近いこともあり、ドキュメンタリーフィルムフェスティバルの会場だったりして一年に一度くらいはお邪魔している。ダイレクトメールも多くの公演は見に行くことはないがすべて目を通している。この週後半に到着したものもいつものように目を通すと、ハッとさせられるフライヤーが登場。白銀のなかに立つ和装に鳥追笠の女性の像。脇には青白い四次元怪獣ブルトンのようなものが並んでいる。波濤か、彼女の羽化しようとしている魂か。それが世田谷シルクの公演「春夏秋冬」のフライヤーだった。この彫刻は彫刻家美藤圭氏の手による作品と書かれている。即座にイメージしたのは水上勉原作「はなれ瞽女おりん」。映画も劇場でかかったときに見に行き、たいらじょう氏のひとり人形劇も見に行った演目だ。美藤氏の作品がそのまま舞台に登場するわけではないだろうが、キービジュアルにこころを掴まれた。かみさんに「ほら、これ」と手渡したら珍しく〜このところドラマや映画を自宅で見ていると「このあとどうなるの?」などと聞いてくるくらいに今は物語の転結を即座に知ることに彼女は興味があるようだ〜関心をしめした。フライヤーの画像はもちろん、女性の年齢の移り変わりを四季になぞらえた作品という紹介文に「どこか演劇作品というより美術のインスタレーションを思わせる」と反応。どうにか公演日のところで時間が取れそうと乗り気につき、急ぎカンフェティにアクセスすると席を確保できた。21年の邦画、鑑賞は22年になったものが二作あるが女性主演の映画(うちひとつは女性監督作品)が面白い一年だった。「ベイビーわるきゅーれ」「いとみち」「子供はわかってあげない」。いずれも春夏秋冬であれば青春の季節を中心に描かれていたが、この世田谷シルクの演目は春から冬を迎える女の生涯を描くという。映画は二役三役で描くことが多い女の一生、もちろんライブの演劇でもそうした演出をとる場合はあるが、年齢の表現方法は不自由なライブ故に届けることのできる表現も存在する。どのようなものになるのか楽しんでこよう。

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