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板金でねじを止める加工の種類・特徴を解説!

こんにちは。たらーちです。

今回は板金でねじを止める加工の種類・特徴について書いていきます。

ねじを止める加工にはいくつか種類があります。
1)直タップ
2)バーリングタップ
3)圧入ナット
4)溶接ナット
5)スタッド溶接
それぞれの特徴を解説していきます。

1)直タップ

一番簡単で安価な加工方法です。名前の通り、板材に下穴をあけて直でタップを加工します。板厚=タップ全長となりますので、薄板の場合ねじ山がいくつできるかを計算する必要があります。※ねじ山=板厚÷ピッチ

例えば板厚1.0mmに、M3×0.5を加工しようとした場合、ねじ山は2山となります。どのくらいの締結力を必要とするかによってねじ山は変わりますが、一般的には3山以上必要と言われています。ですので、この場合は、直タップだと強度不足になる恐れがありますので、次に解説するバーリングタップにすると良いです。

2)バーリングタップ


バーリングタップ


下穴のフチを円筒状に伸ばす加工方法です。薄板によく用いられ安価なコストで、ねじ山を確保することができます。約1.8倍の厚みにすることが出来ます。

例えば板厚1.0mmに、M3バーリングを加工すると約1.8mmとなり3山以上確保することができます。バーリングを加工するには専用の金型で成形加工します。一般的には、NCタレットパンチプレス機で下穴→バーリング→タップまで加工するケースが多いのではないのでしょうか。(通常の下穴→バーリング加工の工程を2工程バーリングと言い、下穴をあけずに一気にバーリング加工する1工程バーリングなんてものもありますが、加工技術の話なので別の記事に書きたいと思います。)

そんな便利なバーリングタップですが、ねじの付け外しが多い箇所や、アルミなどのやわらかい材質の場合はねじ山が”バカ”になりやすいので向いていません。また、ステンレスなど硬い材質の厚板(2.0mm以上)になると、加工が難しい場合があります。その場合は、次に解説する圧入ナット、溶接ナットにすると良いです。

3)圧入ナット

カシメナットやプレスナットなどと呼ばれる場合もあります。取付方法は簡単で、下穴をあけてプレス機等で加圧して押し込んでいきます。挿入部分のギザギザが母材に食い込んでいくことで高い締結力が得られます。

高さが固定のタイプと、基盤取り付けなどで用いられる高さを変更できるスペーサータイプがあります。溶接ナットと比べると、熱を使わないので歪みがなく仕上がりがキレイです。コストとしては1個当たりの部材費が掛かりますのでバーリング加工よりコストが掛かります。

裏面から圧入するタイプと表面から圧入するタイプがあります。また、穴が貫通しているスルータイプと、閉じているクローズタイプがあります。用途に合わせて選定が必要です。

裏面から圧入
左)スルー 右)クローズ
表面から圧入

発注単位は1000個からというものもあります。もちろん数個でも買えると思いますが割高にはなります。なので、加工業者が普段あまり使わないような型式ですと高くなることがあります。加工業者によって所有しているものはまちまちだと思いますので、実際に聞いてみたり、工場見学などでどんなものを所有しているのか見せてもらうのも良いかもしれません。

4)溶接ナット


取付方法は下穴をあけて溶接します。TIG等で溶接して取り付けることもできますが、パイロット付きの溶接ナットを使用すると、スポット溶接で取り付けることができるのでコストダウンできます。溶接ナットには角の数や形が異なる複数の種類があり、ネジサイズ、溶接方法、作業性、取り付ける板の厚さや大きさなどに適した溶接ナットを選ぶことが必要です。

5)スタッド溶接


左)おねじ溶接スタッド、右)めねじ溶接スタッド


スタッドにはおねじとめねじがあり、長さも選べます。取付方法は、専用のスタッドガンにスタッドを取り付けて、タレパン等でポンチを打った場所に位置決めをして、スイッチを押すと金属同士が熱で溶けて溶接されます。裏面にほとんど影響がないため、カバーなどの外観品などに適しています。


いかがでしたでしょうか。このようにねじを止めるにも色々な加工方法がありますので、用途に合わせて選定していく必要があります。特に、外観品は経験がないとわからない事も多いですので相談だけでもお気軽にどうぞ〜!

最後までお読みくださりありがとうございました。


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