【完全ネタバレ】「アベンジャーズ・エンドゲーム」(以下EG)レビュー・キャラクター別その2

忘れないうちにどんどん行きましょう。フェーズ2以降のキャラクターについて

7.ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(以下GotG)のメンバー、特にロケットとネビュラ

GotGは大好きなシリーズです。最初は違和感ありまくりでしたが。え、何この安物スペースオペラみたいなヤツ??という感じで。だけど衝突しながらも絆を深めるバディ・ストーリーとか、そもそもサノス紹介と言う視点で極めて重要だとか、独特のテンポの良さとかに、徐々にハマりました。
ただですね。スター・ロード(ピーター・クイル)がキャラ的に弱いんですわ…絶望的に弱い。最初こそチョイ悪チャラ男で結構なキャラ立ちを見せているんですが、後のアントマンやコメディ路線転向のソーなんかに徐々に押され気味となり、さらにはチーム内でもロケット・ドラックス・後発のマンティスなんかにキャラをどんどん食われて、最終的には大変中途半端なキャラクターになってしまいました。ガモーラとの恋愛も正直ご都合主義的展開にしか見えないし…
「インフィニティ・ウォー」(以下IW)ではソーにムダに張り合うばかりか、(気持ちは解るとは言え)サノスからストーンを奪う決定的チャンスを潰してしまい、その後も無意味な暴走を繰り返すだけの「その他大勢モブキャラ」に堕してしまった。「神の子」であるはずの彼のポテンシャルはいずこに?まあ、この辺はめでたく監督復帰したジェームス・ガンによるGotG第3作に期待しましょう。
クイルの弱さを全力でカバーするのはロケットです。ブラッドリー・クーパーの達者な演技に支えられていると思いますが、これ以上にキャラの立っているガーディアンはおりますまい。EGでGotGほぼ唯一のメインキャラに抜擢されたのも納得が行きます。
それ以上に、ネビュラがどんどん存在感を増していったのが非常に面白かった。最初は単なるガモーラの引き立て役だったのに、父親への複雑な感情や、服従と反骨の間で揺れる姿が見え隠れし、最終的にはEGのストーリーで核となる役割を果たします。MCUのテーマである「成長」を如実に表していたキャラでしょう。演者のカレン・ギランがまた可愛いんだこれが是非「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」観てやって下さいお願いします。

8.アントマン(スコット・ラング)

コメディ路線のMCUだと、やっぱりこれが一番ですかね。何もかも失った冴えない中年男(でもない精悍な人ですが)が、徐々にアイデンティティを回復していくと言う姿がおっさんには共感度MAXです。
何より、ワスプ(ホープ)役のエヴァンジェリン・リリーが私大好きでしてねえ。「ホビット」のタウリエル役でいっぺんにファンになりまして。EGの解決策となる量子トラベルはアントマンシリーズ由来なのも、憎いです。
アントマンのテーマは間違いなく親子愛、なので、EGでいきなり5歳歳を取ったキャシーとの再会は実に感動的でした。これって結局トニーと娘モーガンとの関係に繋がってるんですよね。ただ、キャシーのお母さんと義理のお父さん、どうなっちゃったのかなあ。エンディングにも出てなかったですよね?
アントマンについても、シリーズ2作の方に思い入れがあるのでそちらで詳細に書きたいと思います。

9.それ以外のヒーローさん達

フェーズ3以降で、まだ主演作が1本しかない各ヒーローについては、インプットが少なく先が見えません。よってまとめて論評します。

●ドクター・ストレンジ(スティーブン・ストレンジ)
何だろうな、カンバーバッチのイメージというか「シャーロック」のイメージに当て書きしたやろお前ら?と言いたくなるようなイヤミキャラ。いやまあ、ピッタリなんですけどww 
彼はタイム・ストーンを扱う役柄であるが故に、フェーズ4以降のキーマンなんだろうと思います。EGの展開を予想していた唯一の人物だし。ただまあ、IW~EGにおいては狂言回しに近いポジションだったので、魅力的なキャラになるかどうかはこれからでしょう。シビル・ウォーから登場しているマーティン・フリーマン(エヴェレット・ロス役)との邂逅って今後あるのかしら。

●スパイダーマン(ピーター・パーカー)
単独作「スパイダーマン・ホームカミング」は割と好きでしたけど、そもそも「シビル・ウォー」(以下CW)での登場が唐突すぎてですね…確かにスパイダーマンはみんな知ってるけど、説明省略しすぎやろと。
彼のポジションは、トニー・スタークの後継者ですよね。親子のような情愛を見せる二人の別れは確かにドラマチックではありましたが、それが見えるだけに、EG自体がスパイダーマン単独主人公第2作「ファー・フロム・ホーム」の前フリみたいになっちゃうんじゃないかと、実は今から危惧しています。

●ブラック・パンサー(ティ・チャラ)
ワカンダはCW以降非常に重要な役割を果たします。ティ・チャラのCWでの登場も悲劇的であるが故に印象的で、その後の「ブラック・パンサー」への見事なつながりを見せていました。ただし、IW~EGの中でワカンダの役割はほぼ戦場と歩兵供給だけ。どっちかというと女性大集合シーンでのオコエの活躍の方が印象的でしたね。まあ、こちらもフェーズ4以降に期待です。

●キャプテン・マーベル(キャロル・ダンヴァース)
…よう解らん。ブリー・ラーソンは好きだけど、なんちゅうかこんな破格に強いヤツを最後発でMCUに加えていいの?ストーリー破綻しない?ニーヴンのノウンスペースシリーズにおける停滞フィールドばりに便利すぎないこの人?(以上古参ハードSFファンしか解らない例え)ルッソ兄弟もその辺は解っていて、EGでは完全にチョイ役でしたな。

10.その他のキャラの皆さん

まとめての扱いで済みません。

■ウォーマシン(ローディ・ローズ)…アイアンマンから登場している最古参キャラ。「アイアンマン2」以降俳優がテレンス・ハワードからドン・チードルに代わっているため、後者のイメージが強いですが、1のローディも大変好きでした。トニーを陰から支える感じで。EGでの見せ場はまあまあだったかな。
■ウィンター・ソルジャー(バッキー・バーンズ)…一番毀誉褒貶の激しいキャラでしょうねえ。CWでトニーをタコ殴りにしてるシーンは正直怒りを覚えました。お前のせいやろと。スピンオフでどういう展開を見せるのか、楽しみなような不安なような。
■ロキ…ある意味、MCUで最も有名なヴィランでしょうね。IWで退場かと思ってたら、まさかのEGでタイムストーン強奪逃亡にはちょっとあっけに取られました。人気がありすぎるので制作陣もスピンオフに逃がした印象ですが、それ収拾着かなくなる気がします、今後。
■ファルコン(サム・ウィルソン)…「ウィンター・ソルジャー」からファンです。キャップに一番近しい人物だし、最終的にキャップから盾を受け継いだのはジーンときました。
■スカーレット・ウィッチ(ワンダ)…うーん、あまり好きになれない。能力はピカイチなのですが、いつもいつも戦いにそぐわないスカート&乳見せがあざとすぎる。もちろん演じているエリザベス・オルセンは可愛いし、彼女に罪はないのですが。むしろ「エイジ・オブ・ウルトロン」で退場してしまった兄クイック・シルバーのポテンシャルを観たかった。
■ビジョン…もともとワンダと夫婦というのがコミック上の設定なんですね。それはそれとしても、実体化してからのビジョンは正直悪い冗談にしか見えなかった。IWでサノスに惨殺される姿は哀れでしかないのですが。
■ヴァルキリー…フェーズ3の新キャラの中でも相当好きですねえ。ソーと恋仲になるかと思ったけど、それはベタすぎるか。でもって、まさかソーとヴァルキリーがMIBの一員となるとは!絶対観に行くよ。
■ニック・フューリー…私はMCUの中でもシールドとヒドラの話が一番好きなんです。彼はシールドの立場で終始狂言回しを演じていました。IWとEGの出番は最小限ですが、キャプテン・マーベルでは準主役でしたからよしとします。でもってニックは「ファー・フロム・ホーム」でも重要キャストなんでしょ?美味しすぎる
■ペギー・カーター…EGエンディングで俺を号泣させてくれたペギーですが、1970年にタイムスリップした先でスティーブが見たペギーは出世してまして、これはスピンオフ「エージェント・カーター」の設定が元になっています。いやーEG、スピンオフの設定まで取り込むとは大したもんだ、と劇場で大いに感心しました。
■フィル・コールソン…となれば「アベンジャーズ」で死んだと思われていたコールソンの復活を思ってしまったんですが、成りませんでした。まあ「エージェント・オブ・シールド」が現時点でシーズン6を迎えるロングランになってしまって、今更いきさつを説明してコールソンを戻す尺もないし「キャプテン・マーベル」で若き日のコールソンを見せたからヨシとしよう、という感じなんですかね。
とは言え、カメオ出演でスカイ/デイジーとかメイとかフィッツとかシモンズとか何ならウォードとかがIWやEGに出てきたら、俺悶死したと思います。彼らのMCU本筋算入、叶わぬ夢かなあ…


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