50代も真ん中になると(死生観とか)
ハードSFが好きでして。と言っても読んでいる作家はかなり限られますけど。
冊数を最も読んでるのはアシモフ。後はニーヴン、シモンズ、ハードSFじゃないけどディック、最近は三体IIIを全力で読んでまして。
アシモフに関してはノンフィクション含め100冊近く読み、自伝も何十回も読み返しているので、かなり人生観に影響を与えています。
アシモフは敬虔なユダヤ教の両親の元に生まれながら、無神論者でした。
自伝の中で彼はこう明言しています。
「この宇宙は物質とエネルギーだけで出来ているのであり、その事について迷うことは一切ない」
「死んだ後は無であることを確信しているが、それによって心が動かされることもない」
まあ、アシモフは輸血でHIV感染すると言う典型的な医療事故で亡くなってしまい、晩年はかなり苦しかったようですから、死が怖くないと言うことはなかったと思いますけど。
SF好きはどうしても天文学とか理論物理学とかを囓ることになるので、宇宙の広大さや、逆に量子論の世界の無限の広がりなんかに思いを馳せることになります。
イーガン「ディアスポラ」とか、今読んでる三体なんかは宇宙の最終的な姿を描こうとしており、嫌が応でも想像力は高まります。
でもって、100億光年も向こうの話や、太陽の何千倍も質量がある星の話や、10のマイナス40乗の世界のことなんかを考えてると、人生がとてもちっぽけなものに思えてくるのですね。
でも、人生において煩悩は多い。
やっぱり死ぬのは怖い、と言うか私もアシモフと同じく「死んだら無」と確信しているので、来生とかあの世に期待することはまずなく、自分は死んだらこの宇宙から永遠に消え去るものだと思ってるんですよね。
何だかんだ入院手術で全身麻酔を4回も経験してますが、あの「このまま死んだらこれで終わりなんだよな」という感覚はなんとも言えないものがあります。
その分目覚めたときは「ああ、帰ってこられた」と思うわけですが、いずれ帰ってこられないときが必ずやってくるわけで。
自分の人生が好きなんですよ。
と言うか、信じられないくらい幸運な人生を歩んできたと思います。
キチンとした両親に愛情を持って育ててもらい、お金の苦労をしたことも一切ありません。そこそこいい学校に入れてもらって、就職まで何の苦労もなかった。
仕事も自分の性格やウマに合っていて、ここまで楽しく働いてこられた。食うに困らないレベルの収入も得られているし。
何より、唯一無二の女性をパートナーとし、現時点で26年間本当に幸せな家庭で過ごすことが出来ています。
友人や先輩・後輩達にもたくさん恵まれました。
そりゃあ仕事でしんどかったことはいっぱいあります。メンタルやられて休んだことは生涯で2回。
30歳の時の父親の急逝は、この世で最も悲しい出来事でした。
また、一番残念なのは子供に恵まれなかったこと。
でもねえ、後悔とかは殆どないんです。
いい加減な性格ではありますが、それなりに努力はしてきました。その時々で最善を尽くそうとしてきて、今があります。
他人に対して不誠実だったこともありません。
胸を張って「良い人生だった」と言えると思います。
死んだら無。そこで人生は終わり。
だったら、やりたいことや好きなことをとにかく選んでやるしかないですよね。人の目や世間の評判は二の次で。
好きにやらせてもらう分、他人に無用なプレッシャーをかけることをしないようにこころがけています。お互いに過度に干渉しないこと。
私という存在が、仕事や音楽などの趣味を通じて、幾ばくかの人の心に残ってくれたらそれでいいのかなあと、そう思ってます。
10ヶ月ぶりのポストが、何だか遺書みたいになりました(苦笑)
もちろん出来れば後20年くらいは生きたいですけど、人生何が起こるか解りませんから。
本当に、明日死んでも悔いがないように。
そういう人生でありたいと思います。