唯一のグローバルな仕事? -King Crimson 「Discipline」に関するお話し
キング・クリムゾン、1981年発表の「Discipline」。
未だに私はこれがキング・クリムゾンの最高傑作であると信じて疑わないわけですが、そのタイトル曲はポリリズムのエチュードに近く、まさにDisciplineの本来の意味「鍛錬」を思わせます。例えばドラムとベースは17拍子(17/16もしくは17/8)をキープしているわけですが、これ私はブルーフォード先生の教則テープで初めて知りました(こちら参照)。
原曲動画を置いておきます。
さて、おそらくは1995年頃、当時20台半ばでMIDIを始めたばかりだった私は、この曲の構造を正確に理解する目的も兼ねて、打ち込みバージョンを作りました。MIDI初心者だったのでホントにベタ打ち、ベロシティコントロールも何もない下手くそなデータです。
当時打ち込んだモノをそのまま鳴らすと、こんな感じになります。2:17あたりのベースグリッサンドからドラムの打ち込み方が、まあ特徴と言えば特徴で、自分で聞けばすぐ解ります。
当時、私はNifty-Serveのコミュニティに入り浸ってました。FROCKというコミュニティにはMIDIファイルをアップするコーナーがあり、いろいろなものを上げていましたので、そのうちの一つとして何気なくこのファイルをアップしました。
ここからが大変不思議なのですが。
私の作ったMIDIファイルが、おそらくKCファンサイトか何かに紹介されたらしいのです。細かい事情は殆ど解らないのですが。で、いつの間にかこのファイルは「公式」扱いとなっていました。
私がその事に初めて気づいたのは、宅録友人KATOさんがこの曲のカバーを送ってくれた時でした。打ち込みデータが私のものとまんま同じだったので、事情を聴いたら「公式からDLしましたよ」とのこと。仰天しました。まあ、ネット上の権利関係などがいろいろ緩い時代だったので(そもそもまだインターネットってなかったし)こういうことが起こったんでしょうね。
今でも、YouTubeに上がるこの曲のカバーで、私の作ったファイルが使われている場面に時々出くわします。例えばこれとか。
…期せずして、25年ほど昔にほんの手すさびでやった仕事が(しかも低品質の)こんな形で世の中に出回っているのは、なんとも不思議な感覚です。
私は宅ロッカーなのでww この曲のセルフカバーは何度も作っています。1991年に初めて作ったバージョンはこちら。打ち込みなし・4トラックテープMTRで、よく頑張ってたな俺!
最新版はこちらになります。DAWが進化し、これだけの品質のものが作れるようになりました。ありがたい。
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