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"The LE PLI"ARCHIVES-32/ 次世代デザイナーたちへの可能性としてのファッションサイトブランド、ほか。;

文責/平川武治:
初稿/2010年04月16日:

 今日のインデックス;
1)次世代デザイナーたちの可能性としてのネットビジネス/
2)日本素材のすばらしさの証拠。/
3)このところ盛んになり始めたファッション展覧会/


1)次世代デザイナーたちの可能性としてのネットビジネス/
 あの僕が尊敬をしているこのまちのデザイナー、Jean Colonnaが新たなファッションビジネスを始める。www.jeancolonna.frで見られるサイバービジネスです。
 素材はカシミヤとシルク混。アイテムはタンクトップとT-シャツと彼自らのアーカイブコレクションからのフェイクレザーものも含めての3アイテム。型数はそれぞれショート、ミディーとロングの3型。編立てもメリヤス、リブとレース編みの3タイプ、色数も黒、カーキィーと肌色の3色。そして、サイズも3タイプでこれらをマドリックス化したビジネス戦略のブランドをインターネット上で新たに立ち上げた。素材をカシミヤとシルクに絞ったことから総てをミニマムに絞り込んでのある種,『マティマティックなプロジェクト』である。素材と生産工場はネパール。デザインディレクションは巴里。ビジネスはネット上。これも今の時代になったからできるアイディア。最後は、ネットで受注を承けると真空パッケージにして郵送。服は高級素材であり薄物であるからインナーにも下着にもホームウエアーにも、そしてベッドウエアーにもなるコーディネートファッションアイテム。それに、かさ張らないので旅行にも持って行ける快適的さと最適さを持ったトラベルウエアー。時折テンポラリィーなショップを開き、メディアへもサービスをすると言う迄のコンセプト。真空パックの中にはミニ-メディアとしての読み物も入れ込んだ面白さもある。

 此のオリジナルアイディアはN.Y.のブランド『NO EDITIONS』という元H.ラングに居た2人組が始めたプリントを組み替える事での面白さと新しさを売りにしたやはり、アイテムはジャン-コロナと同じようなタンクトップ、T-シャツがベースでのショート、ミディ、ロングの3タイプここではプリントデザインに工夫が凝らされていて施されたプリントを着て楽しむと言う趣向のブランドも登場。http://noeditions.com/
 ここで若いデザイナー志望の人たちへ助言する事は今の時代『サイト』を使ってのネットビジネスを考える事は必然的になったと言うことである。
それを利用する事で出来うる新たな可能性あるクリエーションと広がる関係性をビジネス化してゆくという発想はショップを持ったり、ホールセールに夢中になるよりも現代的なアイディアの一つになろう。

 これにも、パリらしい後談がある。
彼、Jeanはこのサイトビジネスのためクリスマスシーズンに向けて空き店舗をマレの中に見つけて来て、最短3週間程のつもりでテンポラリィーな形態でオープンさせた。これがシーズンの勢もあって、案外好評で未だ開店中である。この理由はjean曰く、目的であったサイトでの商売がこの巴里では3ヶ月でたった1件しかビジネスに成らなかったので、コレクションシーズンに訪れる日本人バイヤーたちへ向けての旧形態のビジネスに切り替えた為であった。そして、友人をディストリビューターにしての旧態ビジネスへ落ち着いたらしい。 
 これでは僕が期待していた新しさが生まれず、何人もの人件費が掛かり、結局、売値が高くなってしまっている。日本ではU. アローズを始め幾社かが買付けたらしい。やはり、此の様なPCの発達とそのビジネスは日本の方が早くおもしろいのが現実であり、巴里は未だ遅れている。つまんないね!

2)日本素材のすばらしさの証拠。/
 パリの素材展、”プルミエールビジョン”はこのような時代性の元、訪れる客層がより広がり、ここで発信される”トレンド情報”を求める顧客の層に変化が現われ始める。プレタポルテデザイナーたちが挙って『よらば大樹の陰』的に此の”トレンド情報”を参考にしての素材探しはプレーヤーが代わり、最近ではSPA型のアパレルが良い顧客であり、中国人たちもその中に混ざり始めた。そして、今迄のプレタポルテデザイナーたちの尖った連中は、少しでも違うスペシャルで変わった、使ってみたい素材へと変化を見せ始める。そんな彼らたちが憧れるのが”日本の素材”である。今年から始まった『プルミエールビジョンテキスタイルアワード』第1回のINNOVATION賞に”IWANAKA”とHANDLE賞に”SHOWA”が受賞した。
 そして、特別賞には僕も以前、彼らの展覧会企画の仕事をチューリッヒでした、”Jakob Schlaepfer社”が受賞した。このjakob社は先シーズンに期間中にマレのギャラリィーを借りて素材展を開いていたのは流石だった!!
(PREMIERE VISION // Newsletter Novembre // PV AWARDS // Round One)

3)このところ盛んになり始めたファッション展覧会/
mina perhonen/24 October~ 28 Feb. '10/ at The Audax Textile Museum Tilburg./オランダ/これはもう終わってしまったが、カタログがminaしていてこのブランドの世界観の総てがある。いわゆるかわいい美意識がいっぱい。日本初のすばらしさの一つ。/www.textielmuseum.nl
Bernhard Willhelm & Jutta Kraus' / 13 Dec.'09~ 11 April'10/ at the Groninger Museum,Groningen/オランダ/これも先日に終わったもの。彼らたちの10周年のコレクションとそのイメージを展示したもの。この美術館の建築があのメンフィスの主謀者、A. Mendiniのディレクションになるもの。/ www.groningermuseum.nl
Alexander van Slobbe/ 13 Feb.'10~16 May '10 /at the Centraal Museum Utrecht / オランダ/ 日本での人気のあったメンズ ブランド
”SO"を主体にレディスも良いコレクションを展開していたこのブランドの
20周年記念の展覧会。彼の知的なソース オブ クリエーションが丸見えの中々の良い展覧会。彼の知的創造性はある時期のマルタンやウオルターよりも早く先駆けていた、エッジの効いたコレクションが今も新しく見える。
 僕もカタログに寄稿している/http://www.centraalmuseum.nl
Y.S-Laurent /29 Feb.'10~29 Aug.'10/ at the Petit Palais/ 巴里/
僕の友人のflorence Mullerがキューレターとして立ち上げた最新のYSLの展覧会。’58年から2002年迄のものを写真とVTRとイラストで回顧展。 P.BERGE財団の持ち物を主体に展示。/ http://www.yslretorspective.com
Hussein Chalayan/03April~20 Jun'10/東京都現代美術館/フセイン自らがこの展覧会の紹介をした以前、ロンドンのデザインミュージアムで行われたものの巡回展。彼のインテレクチュアルな人柄と几帳面さが解るイメージ-マジカルツアーby hussein編。/http://www.mot-art-museum.jp

+追記;
1年程前から気になっている良いショップ。
GENBAGEN/ http://gbgemirrorblogspot.com / 鎌倉市大町3丁目/一度、行ってみてください。作る事のうれしさと楽しみと怖さが感じられるギャラリー。オリジナルとはを学びたい人は是非!!行けば、もしデザイナーのfusaさんがいらしたら必ず、お話を交わしてください。
文責/平川武治:
初稿/2010年04月16日:

#ジャン  コロナ#憧れの日本素材#プルミエールビジョン#平川 武治#taque#LE PLI

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