"The LE PLI"ARCHIVES-31/「WOODSTOCK ROCK FESTIVAL」の40周年記念日に思うこと。 そして、『共棲資本主義』(Original/Sep.'09)
文責/平川武治:
初稿/2009年09月/再稿/2010年04月16日:
今日のインデックス;
1) 40年前の1969年8月15日に、「夢」を馳せる。/
2) 既に、実証されていた「7つのプロブラム」。/
3) 今後、考えなければならない『共棲資本主義』のオリジナルを見る。/
4) おわりに、/
5) [追記] 半世紀後の、”SDGs”のオリジナルな根幹が読めるまでに、/
1) 40年前の1969年8月15日に、「夢」を馳せる。/
昨年の8月15日はあの「WOODSTOCK ROCK FESTIVAL」の40周年記念日でした。1969年8月15日から始まった此のロックフェスティバルはもう,40周年を迎えたのです。
僕は幾日も、幾度もDVDを借りて見入りました。別にこれと言う理由は無く見始めたのです。多分、此の時代のロックミュージシャンたちに興味を覚え,特にJ.ヘンドリックスやサンタナが聞きたかったからでしょう。
そこには、奇跡が現実になった3日間がありました。
ROCKに集まった50万人の若者たちが一つのコミューンを,小さな村を構成したのです。
ロック好きな若者たち、数人たちで企画し遂にはN.Y.郊外の私有農地を借りることが出来、行われたのが此のロックフェスティバルでした。(これは会場となる農地のオーナーの息子とその家族から描いたフェスティバルの映画が製作されている。’09年作)
ここで一つ大切な事があります。自分たちが好きな事は自分たちが思い立ち企画して、それらを自分たちの手で彼らたちのリアリテで成し遂げたと言う、もの凄く当たり前な事ですが、大切な根拠性がここにはありました。現代では此の手のフェスティバルは広告代理店と企画会社任せのものが総て。ここに一つの問題を感じます。総てが商業主義に乗っ取ったヤラセなイベントだという事実を再確認したことです。
当然ですが,当時のロック音楽大好きな15、6歳から30代前後の若者たち男女がまさに『ロック大好き!』と言う理由だけで最終50万人も集まったと言うこと。企画者たちの最初の予想では3日間で約20万人集まればトントンでいいよな!!と言う位で始めたそうです。
今から見ればステージやセット環境も然程のものではなく、必要な環境としてのステージとスピーカータワーのみが用意された規模でした。それが結果は50万人も集まった、此の当時でも世界始めてのロックフェスティバルになったのです。
最初は前売り入場券を発売していたのですが,余りの観客動員のため2日目以降は全くのフリーコンサートにしてしまったのです。これも凄い事ですね,当然、代理店が入っての企画では考えられない事です。
ロック好きな若者たちが自分たちで好きなロックのコンサートを自分たちの手で企画し開催する。やる以上は自分たちが聞きたい、また聴いてもらいたいすばらしいロックを演奏してくれるミュージシャンたちへ声を掛け出場依頼を行う。その真こゝろが結果、J.バエズ、J.ヘンドリックス、10Years after,、J.ジョップリン、サンタナ、Who、、想い出せばきりがない程の当時の凄いミュージシャンたちが参加しまた、すばらしい演奏をした此のフェスティバルは規模もそうですが、中身も大変に濃く凄かったのでした。
3日間の此のフェスティバルの状況をDVDで連日見ているとそのステージはむろんですが、観客たちへ視線が行く様になりました。最初は、此の様な経験をした当時の若者たちも今では50歳を超え始めたと言うこと。人生の半分以上が過ぎてしまった彼らたちは此の『ウッドストック体験』がその後の彼らたちの人生へどのように関わったのかが気になり始め、そして、ある種のジェラシーさえを彼らたちに感じる様になり始めたのです。
スクリーン上で見ている限り,当時の彼ら若者はいわゆる,大人しく,それ程,お行儀も悪くないすばらしい若者たちに見えました。彼らたちのもう一方では,あの『ベトナム戦争』の現実が忍び込み始めてもいました。そして、やはり此の時代なのでしょう、『黒人』観衆は未だ少なかったです。見るからに『ヒッピー』が目立った為でしょうが、普通のロック好き若者たちが大半だったでしょう。服装を見てもその殆どが,G-ジャンとG's、T-シャツそれにコットンのチェックのシャツ、ライダージャケット等が多く見られた、今も変わらぬアメリカンス ストリート カジュアルな彼らたちの服装でした。
此のフェスティバル体験者のその後の40年。これをインタビューにまとめることが出来ればこれはきっと、20世紀の一つの文化の明かしにもなるでしょうし、楽しいものが出来るであろうと感じ始めたのです。
僕は此の時期には丹波の山奥へ籠り,陶芸家の所で修業生活を始めていた時代でした。此のDVDを見れば見る程に此のフェスティバルに参加しなかった事が残念に思ったのも事実。画面上で日本人がいるかを探しましたがそれらしき東洋人は居たのですが直接は発見出来ませんでした。もし、居ればその人を捜し出してインタビューをしたい迄に高揚したのです。しかし、考えれば此の時期に海外へ出ていた日本人は数が少ないし、ヒッピーだった人も少なく,もし居ても彼らたちはインドへ出向いていたのでしょう。それに此の時期の日本はもう一方で『安保闘争』が始まり、学生運動が盛んになり始める時期であった事でヒッピーになった若者よりも学生運動へ走った若者の方が多かった事も僕たちの戦後のリアリテだったのでしょう。だから余計、探し当てたかったのですが。
2) 既に、実証されていた「7つのプロブラム」。/
コンサート状況を見ていると次にはその観衆たちの行動とその環境が見え始めました。3日間で50万人は本当に突然に出来上がった小さな都市です。もう、初日の遅くからは、当然ですが此の会場がいわゆるアメリカ版田んぼの真ん中ですから、多くの観衆たちが乗り合いバスや自家用車やバイクでしか来れなかった事での『交通停滞』が始まったのです。出演者であるミュージシャンたちでさえ会場迄来れなくなったので当時のUS空軍が手伝って
ヘリコプターで彼らたちが会場入りを始めた程の状況だったのです。
次に『トイレ問題』と画面でも出て来る『水問題』と『食料問題』、場内アナウンスでも入る『ドラッグ』と『セックス』そして最後には『ゴミ問題』までの此の「7つの諸問題」が此の僅か3日間のウッドストックの会場で起き上がっていたもう一つの凄い現実でした。
しかし、その後の40年間で僕たちの都市生活環境にはこれらの『7つの諸問題』が拡大と蔓延と日常化しただけの40年間ではなかったかと言う視点を憶え感じてしまったのです。
そうです、僕たちのその後の40年の現実が、ここにはそれらのオリジナルが既に”発生”していたのだと言う見方が出来たのです。凄い事です。
その後のアメリカがヴェトナム戦争へのめり込まないで,冷戦関係に始終して軍事産業のみの活性化を考えなければ、暗殺者やテロリストを育て上げなければ、石油利権に塗れなければ、中東戦争を始めなければ、此の体験、『Woodstock Rock Festival』を一つの未来社会の始まりとして観て、考えれば此の40年間も随分と変わったであろうと。寄り道をしない進化した現実を生み出していた事であろうと考えてしまったのです。ここでは『人間の真面目さと素朴さを信じる』と言う僕なりの教訓を見ました。
3) 今後、考えなければならない『共棲資本主義』のオリジナルを見る。/
そして、ここに僕は今後の『共棲資本主義』のオリジナルを見てしまったのです。或る意味で此の50万人は一つのコミューンでありコミニティであり、そこには一つの安心があり安らぎがあると考えればここに新たな観念と感性の元に『ユニフォーミズム』が成立するであろうと。
”豊かさのイメージ”を追う事に疲れ始めた若者たちが向かうべき新たな世界はこんな所かもしれません。心を寄せ合い、共有するものがロックなのかクラッシックなのか、ヒップホップなのか、アキバ系なのか、サッカーなのか?エコなのか?ひつじなのか?
僕たちが持ち得た「自由の裁量」で括る多数のコミュニティが人生の新たな『気概』を生む迄の発想を重ねあえば、ここに何らかの”新しい21世紀”が生まれるはずでしょう。
4) おわりに、/
このWoodstock Rock Festivalに参加した人を捜していたらなんと、
僕の古くからの友人の、あのDiane Parnet女史が、"Take,I was there by the helicopter," と教えてくれた。
『私はグラムで、ロックではなかったけど行ったの!』
何と、悔しい限り!!その後、改めていろいろ彼女からこのウッドストックについて聞く。が、その内容は幾人かのミュージシャンと彼らの演奏についてとドラッグの話、極めて個人的な話で終わった。
5) [追記] 半世紀後の、”SDGs”のオリジナルな根幹が読めるまでに、/
『共棲資本主義』-『コミューン/コミニティ』-『地元』-『レジデンサー/居住者』-『コミット化』-『環境』-『エコ』-『精神主義』〜『共費消費』『共有消費』〜『時間概念』の変革-『popの泡沫化』〜『Micro-POP』、『After the reality』、”豊かさ”の向こう側、、、、、、
此の様なキーワードが思いつきますね。
そして、『ユニフォーミズム』。”ユニ”と言う新たな世界観。
これが今僕が想っている言葉、感じているキーワードです。そろそろ来そうです。今の時代の、”感覚と気分と気概によるユニフォーミング。”
『UNI-FORM』ですね。
文責/平川武治:
再稿/2010年04月16日:追記/2022年06月06日:
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