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ライゾマ展へ行ってきた
緊急事態宣言前、4月頭にライゾマ展へ行ってきた。
NHKの日曜美術館で放送されたこともあってか、なかなかの行列ができていて、それもパッと見でわかる程度には結構多種多様な、多方面からお越しになった感じの客層で、「何きっかけだったのかな」と不思議に思わされる。
ライゾマティクス、のことを私はよく知らなかったけれど、NHK曰く
リオ五輪閉会式や紅白歌合戦のステージ演出で知られる「ライゾマティクス」は、プログラマー、エンジニア、デザイナーなどから構成される異能の専門家集団。
とのこと。
PerfumeのLIVE演出とかやってるよ、と家人に言われてあぁなるほど、と納得。
IT界隈の方には比較的名が知られているのか、展示会前に「ライゾマ展行くんだよ〜」と言って「自分も行きたいんだよねー」と返してくるのはほぼこの業界に縁がある人たちだった。
行ってみよう観てみよう
ということで展示会当日。
入り口の展示が既に面白い。
ネットワークを視覚化したもの(うろおぼえ)らしい。
綺麗。
ただの動くキューブ…ではなく、実はダンサーの動きを光の粒子という形で投影してキューブと一緒に動かしていたり。
この辺りは日曜美術館視聴していたから知っていたけど、知らなかったらポカーンだったと思う。
音を聴く(と勝手に判断した)展示。
たくさんの電子音が光の動く速度や高さに合わせて変わる、不思議。
エピローグもちょっと珍しい感じ(入り口で端末を渡された人の動きがここのコーナーで見れるようになっている)
「かってに判断する」「かってに内省する」おもしろさ
展示を観ていて「ああ、おもしろいな」と感じたのは、キューブの展示にしろ、音のインスタレーションにしろ、解釈の余地は全て観る側に委ねられている、ということ。
「こういうものを作りましたよ」とは書いてあっても、「〇〇を表現しました」とはどこにも書いていない。
だから、通常の展示会、あるいは美術展だと、作り手側のストーリーがあって、最初は主観で眺めるにしても、答え合わせ的に作品ごとの背景説明のプレートを通じて相手側の解釈も知ることができる。
ライゾマ展にはその余地はほぼなくて、「作りました」「これはこういう挙動をするものです」だけ。
そうすると、過去の体験から近しい表現を探し出してくるしかなくなる。
自然と鑑賞する側の内省の場になる。
そういうカタチの、いわゆるダイアログ的な、新しい形式の展示会なように感じた。
なんとなく、ダイアログ・インザダークに似てるかも。
会期は6/20(日)までを予定。
緊急事態宣言で、開催展示場の東京都現代美術館が5/11まで臨時休業中なので、宣言明けにでもいかがかなー