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【研修雑感】OT×企業①

先日OT×企業のイベントに参加してきて、面白い視点がまた得られたのでまとめてみる。

ざっくり言うと、

1.産業OTという在り方・働き方

2.第4セクターという発想

3.産業OTの役割と課題


まずイベントの流れはこんな感じ。

  オリエンテーション 19:00~19:10
1)宮崎で実践開始した認知症の人の就労支援会社とは
  19:10~19:30
   九州保健福祉大学 教授 小川敬之
2)認知症と就労に関する調査(労健事業)
19:30~19:50
   富士通研究所  岡田誠
3)新しい働き方とビジネスの兆し
19:50~20:10
   コクヨ 田中克明
4)これからの就労について議論しよう。
  20:20~21:00

今回は1)についてのまとめと雑感。


1.「産業OT」という可能性について

 ▼従来のOT(療法士)の働き方

 ・雇用先:病院を始めとする医療機関他

 ・業務内容:医療・介護保険制度上の診療報酬に則ったサービス提供

 ▼産業OT

 ・雇用先:一般企業あるいはNPO法人など

 ・業務内容:コンサルティング、ジョブコーチ的関わり(詳細は第4セクターという発想と絡めて考えた方が分かりやすいので下記)


2.第4セクターという発想

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 ▼第4セクターとは

 ・収入と目的に応じた2つのベクトルで組織の在り方を考えてみる

 ・第1セクター:行政(公的資金により運営され、社会貢献を主とするサービスの提供)

 ・第2セクター:企業(利益を重視し、個人あるいは民間団体によって運営される)

 ・第3セクター:いわゆるハコモノ行政という言われ方をしてしまい、残念な結果に終わりつつある。

 ・第4セクター:ココ!(公的補助金に依らない収入を得つつ、社会貢献を見据えたサービスの提供を行う組織=「社会課題を持っている現場からの発想を実現するための組織」)

3.産業OTの役割と課題

 ▼役割

 ・コーディネーター(社会課題と現場を結びつける)

 ・ジョブコーチ(社会課題となっている障害者雇用・認知症高齢者などを労働者として企業に結び付ける)

もっとかみ砕いて言うと、OTの作業分析を、労働上の業務分析・工程分析に反映させる。

・個人背景のヒアリング(評価)

・個人のADL評価・分析

・企業が求める業務の工程分析

・仕事上必要な動作・工程の整理を行い、個人と企業をつなぐ

▼課題(※ここからは個人の見解です)

・」就労支援の先に待ち受ける定着支援(離職防止)のアプローチ整備

・労働法規等、法律関係の知識をどう補うか

・いわゆる一般企業側との(チーム)連携


個人的には、ここから派生して新しいキャリアパス構築になるのではないかなー、と。

来年度からの障害報酬診療改定でOTが加算を取れるようになったことも追い風になると思う。

参考:『就労以降基準にかかる報酬・基準について』

あくまで私見だけれど、医療や介護の算定枠にずぶずぶで生え抜きのセラピストよりも、どういう形であれ一般社会にもある程度身を置いて、経営感覚・コスト感覚がないとこういうキャリアパスができたところで置いてけぼりになるな、と思う。

ずぶずぶが悪いというのではなく、ほんの一握りのゴッドハンドセラピスト、スペシャルセラピストを目指す方たち以外は、そういう一般社会でお勤めのサラリーマン社会に馴染めるコスト感覚も養っておいた方がいいよね、という意味で。


今日はここまで。

続きはまた明日(多分)


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