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【駄文】リハビリの臨床実習

先日Facebookで流れてきた、記事。

<理学療法・作業療法の臨床実習に関する質問主意書>

提出者の阿部知子氏は、小児科医で、現民主党議員の方のようです。

FBでの記事には、的確な質問、と評されていましたが、確かに読むと「あ、だよね」と思わされる内容・・・

曰く、

●臨床実習中、学生に患者さんを丸投げして診療報酬を請求しているところもあるようですが、それって無資格診療じゃないんですか、どうなんですか?

●療法士の臨床実習における指導内容・実習内容について標準化されたものがないっぽいんだけど、それってどうなんですか?

●そもそも養成校自体が学生の確保に必死になって肝心の教育の質が低下してるみたいなんだけど、そんなんで本当に大丈夫なの?

…耳が痛い内容ばかりなのではないかと、私は感じました。


最初の質問項目に挙げられた無資格診療の疑いについて、同業者の皆さんの職場では、どうでしたか?

学生による無資格診療。

そういう場面、見たことありますか?あるいは聞いたことがありますか?

それとも、それが当たり前な職場でしたか??

それが当たり前な職場で、実習を経験した学生だったりしますか?

私が最初に勤めた職場では、リハビリ各部門がそれぞれ一定数の学生受け入れをしていました。

作業療法ケースとして選ばれた患者さんの作業療法は、

「セラピストが担当した時間分のみを請求する」

のは当然のことでした。

なので、実習ケースとして同意していただけた患者さんは、担当作業療法士の作業療法も受けつつ、その前後に指導担当の作業療法士の見守る前で、何かしらの実習経験を積ませてもらうのが常でした。

自分自身の学生時代の実習中も同様に指導していただいていたので、それが私にとっての当り前でした。

2つめの職場で、それが常識ではなかったことを知りました。

その職場は、理学療法のみ学生を受け入れていました。

セラピストの人数は前職の半数にも満たず、職員に1人休みが出るだけで死活問題の、なかなかに忙しいところでした。

ある日、とある患者さんを一緒に担当している理学療法士に、その方のことで質問をしたところ、

「あー、ごめんなさい、今学生さんのケースにしてるから、私ほとんど見てないんですよ。明日のリハのときに確認してみますねー」

というようなニュアンスのことを言われました。

えっ?

と思ったのを覚えています。

担当理学療法士が、

実際に何単位請求していたのか、していなかったのか、

”ほとんど見てない”というのは、”リハはしているけれども以前のようにしっかり時間を取れてみることができていない”のか、それとも本当に学生に丸投げだったのか。。

それは、わかりません。

ただそのとき、どうやら私が当たり前だと思っていた実習指導は、全国どこに行っても同じ、というものではないようだ、と知りました。


養成校についても、最近は実習内容について、「最終評価は学校側で判断しますので」と仰る学校もあると聞いています。

看護師さんのように学生1グループに対して1人の教員が必ず毎日ついてくださるわけでもなく、2か月間の実習中にわずか1-2日顔を出す程度の養成校側に臨床実習の合否権限がある。

「そういうことを仰ったので、そこの学生は今年度は受け入れないことにしました」という話も合わせて聞きますから、そんな養成校ばかりでもないと思いますし、それを良しとする意見が現場側の主流ではないことも知っています。

それでも、今回指摘されたように、「それでいいのかリハビリテーション」、とついに外から言われてしまう時がきたんじゃないかな、と。


今回の質問書に対する理学療法士協会および作業療法士協会の反応を心待ちにしております。


なお、参考までに、看護師の臨床実習についてのあれこれ。

厚生労働省 看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会報告書 

厚生労働省 看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会報告書”資料1:臨地実習において看護学生が行う基本的な看護技術の水準”

厚生労働省 看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン 

厚生労働省 看護学生実習啓発ポスター 

文部科学省 臨地実習指導体制と新卒者の支援

…すごいね。



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