【駄文】PTOTって何が違うの?
理学療法と作業療法って同じものに思えるんだけど。
先日の打ち合わせ中に、スキンケア領域に関わる療法士から、いわゆる理学療法、作業療法という領域に対して挙がった声。
「理学療法と作業療法って、何が違うの?」
「美容師と理容師みたいな違いってこと?」
それに対する理学療法士Aの返答。
『いろいろ例を挙げて説明してはみるけれど、自分の中で腑に落ちる表現が見つからない。それはきっと、自分の学んできた理学療法(治癒・回復)に自分が身を置いていないことに引け目があるからじゃないかな…?』
私の見解。
『作業療法は、私がどうしたいか、じゃなくて、<あなた>が主語。<あなたがどうしたいか>を問い続けるもので、<私はこれができます!>っていうアピールありきで始まるものじゃないからなぁ。だから、相手にとって<運動したい>って優先順位が高いのであれば、運動も一緒にするよね。そうするとそりゃパッと見それはPTもOTも同じものに見えるよね笑』
議論は尽きず、そもそも発祥(なりたち)が違うのに「PT・OT法」って法律上ひとくくりにされてるのがどーとかこーとか笑
臨床に出てから耳にしてきた表現
今だからこそ、あっさり上のような(私的)見解を持ち出すけれど、私だって思ってた。
理学療法と作業療法、何が違うのよ(ほぼ一緒じゃん)、って。
だって、実習先や就職先で、先輩OTがこう言うんだもん。
『上肢を診るのがOTで、PTは下肢です』
『PTは基礎訓練をやって、OTは生活場面の応用動作の訓練をします』
これ、入院患者さんへの説明で使ってた表現だからね。
ひよっことしては、そうなのかー!そうなんだー!って思うよね。
でも。
大学で習ってきた作業療法
大学では、基礎の部分はPT学生と一緒に受講して、でも3年次になればそれぞれの専門カリキュラムに分かれるわけで。
その中で疾患学とか作業療法独自のカリキュラムとかあるわけで。
そしてその独自カリキュラムのひとつが、当時新設されたコースだったけど、「作業科学」だった。
その講義を受け持つ先生が口酸っぱくして言っていたのが、
『作業療法では、患者さんにとっての<意味ある作業>を見つけるんですよ』
意味ある、作業…???
生徒側の反応は半々。
「そうなんや、作業療法では意味ある作業を見つけるんや~。作業療法ってほんまにすごいんやな!」
「意味ある作業って何。逆に聞きたいけど、意味のない作業があるわけ?」
ちなみに私は後者。ごめんねひねくれ者で。
だって、作業の意味とか、考えた事、ないよ。
作業療法士なんだから、「作業」させるんじゃないの?
そんな感じだった。
もっとちゃんと考えておけばよかったって思ったのは、臨床に出てから。
PTが足を診るから、OTは手、みたいに言うのを聞いてから。
意味ある作業ってどこにあるの?
思い返せば、病院に就職してからしばらくは、「意味ある作業」っていう言葉が何を指すのか、その言葉の意味を探す日々。
だって、病院では、上肢の関節可動域訓練とか、リーチ動作訓練とか、座位バランス訓練とか。
これが、「意味ある作業」なの?
作業って、訓練のことだったの?
じゃあ作業療法士って訓練療法士なの?違うだろ、そうじゃないだろ笑
でもじゃあ「意味ある作業」ってなんだ。
ていうか意味のあるなしは何を基準に判断すればいいの?
それって私が判断するの?患者さんに聞けばわかるの?
もはや迷子。
これはただのAnswer song
そこからどうやって今の見解を得るに至ったかとか、そういうのは蛇足だから割愛。
これは、いち理学療法士である彼女の返答を聞いて感じたただの個人的見解。
冒頭の彼女の返答の一部。
>>自分の学んできた理学療法(治癒・回復)
この表現を聞いてふと思ったこと。
あぁ、もしかしたら理学療法士は、『療法(治癒・回復)』に比重を置いて学んできて、そしてずっとそのことについて葛藤しながら生きもがいている職種なのじゃないかなぁ。
対して私たち(私?)作業療法士は、『作業』に比重を置いて学んできているんじゃないのかなぁ。そしてずっと答えの出るような出ないような、『意味ある作業』を探し続けている生き物なのじゃないかなぁ。
合ってるか、そうでないかは知らない。
正解が欲しいわけではなくて、ふとそう思った、ただの駄文。