今年はリアルとオンラインのハイブリッド形式で開催された就労支援フォーラム2023。
参加するのは2019年以来だから実にコロナぶり。
コロナ禍を経て変わったこと、それからこの期間中に障害者総合支援法も改正されたりだったりだったので、業界のトレンド的なものが知りたいなと思って。
今回はテーマを決めて、パネリストが徹底討論らしい。
ちなみにこのnoteは、私のための備忘録。ただの刺さった言葉の羅列。
新たに始まる就労選択支援と自己決定支援のあり方
●雇用機会の話と能力開発の話はわけて考えたほうが良い
●支援者による当事者の自己決定支援は本当に可能なのか?
●就労選択支援制度の創設の可否は今時点では判断しづらい
●障害翻訳システム を開発して、(就労する障害当事者の)就労パターンや配慮してほしいことを記載している
●福祉の観点を入れていくのは必要だが、福祉しか知らない人がサ責(※サービス管理責任者)をやるのはいかがなものか
自立支援法から総合支援法への変遷の過程で、付帯決議的なところだった自己決定部分が緩やかになっていった気がする
●B型(就労の事業所)が増えてるのはA型(就労の事業所)絞っているから
●B型が多様化している
●これからの就労支援の課題とB型が増えていることは議題を分けた方がよい
●B型A型を増やす議論ではなく、一般就労増やす議論ができた方が良いのでは? それが健全では? 本来のB型は専門スキルを伸ばしてA型→一般就労へとステップアップしていけることではないのか?
就労選択支援についての懸念
●当事者の前で支援者が堂々と「この人はこれしかできないので」と言い切る場面に何度も遭遇する(昨日もそうだった)。
制度ができても違う方向に行ってしまわないように。
●認識された瞬間から差別は始まる。
雇用主に利益貢献できているか。雇用主が、ビジネスとして、収益だと認識するか、それとも非収益だと認識するか、まずはそこから枝分かれしていく、当たり前のこと。 それからオフィス型なのか、サテライト型なのか、さらに分岐は続いていく。
選択肢と代行ビジネス
●代行業は恐らく2つの側から攻撃されている。
ひとつは福祉業界の人たち、もうひとつはまじめに障害者雇用に取り組んでいる会社。
●一般的なビジネスは代行(外注)の嵐なのに、なぜ障害者を対象にした代行ビジネスは批判されるのか?
●障害者の親の立場から言えば、新しい仕組み、代行ビジネスを取り入れたB型は救世主に思える。
●中途障害の目線で言えば、障害者として復職して、「何もしなくていい、そこにいるだけでいい」(障害者手帳を持っている方を雇用したことに企業としては価値がある)と言われた時、これまでの価値観、キャリア、人生を全否定された気がした。「よし死のう」、そう思うに十分だった。
PDF『売り買いされる雇用率~障害者雇用代行ビジネスとその根底にあるもの~
障害者雇用、障害者が『働く』ということ
●仕事はあくまで人生の一部で全てではない。
だから、生活の視点でその方を捉えていることは大切であって、そのために個別支援計画というものがあって。 だからこそ、最低賃金がいくらだとかそういう視点を軸にしてしまうのではなく、生活が整っているという土台があることがまずは大切じゃないか。
●障害者雇用はそもそも違憲では?
海外と比較した時に、障害があるということで差別をしているわけで、それはどうなのか。 雇用主から見れば、合理的な開発がされて能力開発をしていくという義務に対して、その義務を果たしていないのではないか。 障害者雇用があるからその義務が果たしづらいのでは?
インクルーシブとは、何か。
●長期的な視点で見た方がいい。
短期的な視点で見れば良いことも、それは長期的に見てどうなのか?
●流動性のはなしじゃないか?
あっちに行って、こっちに行って、そういうことができるのがいいんじゃないか?
●法定雇用率としての算定基準が今、週20時間? そこをもう少し色々選択できる方がいい気がする。
貢献についても、何に対してのものなのか。 CSRなのか、従業員なのか。
あとはエンパワメントについて。 総合的に開発できる仕組みはないのか。
●(健常者と障害者の)協働モデルをもっと作り上げていかなければならない。
そこの議論が足りない。 大企業のクリエイティブチームに障害を抱えている人は恐らくいない。 特定子会社で抱えているから、社内報の中にしか存在しない。
●インクルーシブという視点からすれば、A型もB型もみなし雇用も代行も、企業はどう向き合うかという議論を立て直すべきではないか。
現行法ではA型の就労人材を企業は障害者雇用に換算できる。 だから、A型をM&Aが横行する話のほうが闇が深いのではないか?→タイで既に起こって問題になっている。
個人的に、生きて、そこにいるのに、今まで関わってきた人間の中に『障害を抱えた相手』と接する機会がまるでなくて、社内報の中にしか存在しない障害者、ってすごいパワーワードだなって思った。
本当はそんなはずないのに、『その人にはそう見えている世界』
すごい世界だよね。
総論?まとめ?
甘んじているわけではないと思うんだけどな……と聞きながら少しモヤっとしたのを他の方の意見を聞いて少し納得したり。
この発言を聞いて、どうしてモヤっとしたのかがすごく明快になった。
この発言をした方は、それぞれ先天的、後天的に障害を得た方だったけど、特に、前者の方が発言しようとして、(構音障害の影響で)他の方の発言に遮られる、かぶせられるという場面をこの日何度も目撃したせいもあると思う。
これはすごく勇気づけられるコメントだった。
そうだよね、特別支援校、あるいは支援級は、個別の関わりをすごく大切にした教育の現場でもあるので、今ようやく『普通の』『健常者が通う』公立学校が取り組もうとしていることを、当たり前に教育に取り入れてきた背景はもっと広まっていいと思う。
最後に我々は、これから、何をどう頑張るべきだと思う?
とてもおもしろかったです。
だいたいそんな感じ。