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【Private Opinion】保険制度って、残酷?
先日、「介護業界ってどうなの?」っていうnote書いてみました。
今日はそれとは相反するかもしれない、ひとこと。
「保険制度って、残酷だと思うけどな」
これは、この間、職場の事務長さんに言われた言葉。
事務長さんは社長(理学療法士)とは知人関係にある人で、医療職ではない。
だからこそ、医療従事者の私たちとは違う視点でこの業界を捉えてるみたいで。
いわく、
「どんな人格の人だろうが、どんなキャリアの人だろうが、(現場に)行ってしまいさえすれば、もらえる報酬は同じじゃん?
守られてるってみんなは言うけど、俺からしたら指名制にできるわけでもないこの仕組みは、診療報酬上の差別化ができないって意味では残酷だと思うけどね」
と。
本当に、まったくその通り。
誰が言っても、何をしても、行って、時間内過ごせば、お支払いしていただく金額は同じ。
これと同じような内容を、かつて勤めた職場の上司に言われたことがある。
そのうえで、
「今現在、リハビリの養成校はものすごい数が乱立してる。
母数が増えているから、毎年の合格者数もどんどん増える(※医療従事者の国家試験は人数制限によるものではなく一定のボーダーラインとなる得点を超えていれば合格になる)
新人として送り出されてくる後輩もどんどん増える。
もちろん、それでセラピストの質が落ちるのは困るし、
そもそも少子化だから、一定時期を境に養成校はある程度淘汰されていくと思う。
だけど、養成校の淘汰が終わったら、
その次はセラピストになった人たちが選別される時代が来る可能性は高いよ。
その時に、自分が患者さんから【選ばれる】セラピストになるよう自分で考えていく必要があるよ」
みたいなニュアンスのこと。
その時は意味がよくわからなくて
「そうなのかな、そう言うからには、そうなんだろうな」
なんて感覚だったけれど。
全国のリハビリ養成校の数は、現時点でざっと500校
(理学療法士:約250校/作業療法士:約180校/言語聴覚士:約70校)
↓↓各リハビリ協会 養成校一覧 http://www.japanpt.or.jp/aboutpt/training/
http://www.jaot.or.jp/tag/%E9%A4%8A%E6%88%90%E6%A0%A1
https://www.jaslht.or.jp/school/TrainingInstitutions/search
合格者数の推移に関しては理学療法士協会しか出してなかったので、他2職種は詳細なデータが辿れなかったけれど、
理学療法士の平成7年度の合格者数は1422人に対して、
去年の合格者数は9952人。
この数字に関しては、2011年に似たようなことをブログで書いてる人がいて、見れば見るほど業界のピラミッド構造化が進んでるんだなあと認識させられる。
かつての私たち医療従事者の主戦場は病院だった。
いや、今だって、メインストリームは病院だ。
でも、介護保険制度ができて、
かさばる医療費ゆえに、
高齢社会ゆえに、
【病院から在宅へ】の流れができてからは、
私たちが奪い合えるパイの数が広がった。
でも、セラピストの人材養成が可能なノウハウを持つ人には限りがあって、
先駆者に対して若手の数は急速に増えすぎていて、
結果、適切な指導をしてもらう機会に恵まれなかった人材の数は増え、
利用者側はおみくじに近い人材のるつぼから、当たりか外れかさえ分からないままサービスを受けざるを得ず、
お互いにとって「残酷な」保険制度ができつつある。
本当にある、怖い話なのかも、ね。