親友が行方不明になった話

※当時のことを思い起こしながら書いているので乱筆となっていること、
ご了承ください。
彼のことを知る人に、届きますように。

みなさんはこんな文章が、親友から来たらどう思うだろうか。
「今までありがとうな
 めんどくさくなる前に荷物回収しとくんだよ」

「居候している」と私が周りにもよく言っていた親友から、
この内容が届いたのが、2023/6/1(木)の午前9時ごろ、
東京に向かう新幹線の中で受け取った一文でした。
私は転職したことに対してかな、
そう思い「また遊びに行くね」と返したものの、
既読がつくことはありませんでした。

6/14(水)、知人から連絡があり、
このメッセージの真意を知ることとなるのです。
既読もなく、追ってLINEをするも、返事もない。
電話をしても、繋がらない。
親友が好きだったから、私も飲みたかったし、
そう言って契約したビールサーバのサブスク。
そのビールを届ける宅急便会社からあったいつもの「不在」ではなく、
「宛てどころなし」の不穏な連絡。

慌てて数人の友人に住所を送り、
見に行ってもらえないかと連絡をすると、
確認に行った友人から空になった親友宅の写真が。
親友の荷物はおろか、私の置いていた荷物もない。
「どこかにいなくなっただけであってほしい、夜逃げであってほしい」
そう願いながら、次の日の昼行バスで向かうのでした。

当時の私は冷たかったのかもしれない、
今思えばもっと早く気づけたかもしれないのに、
思い返すたびに、何もできなかった自分をどうにかしたくなる、
そんな衝動に駆られるのです。

バスで到着して、真っ先に向かったのは親友宅。
自分の目でも確かめてわかる「もぬけの殻」の親友宅。
私が寮を引き上げた時に持って行った大型テレビも、
swichも、二人だと狭いからと買ったロフトベッドも、
何もかもない、そこにあるのは空き家のアパートの一室。

次に向かったのは親友の働いていた会社の営業所。
今更思うが、ここまで来るとストーカーとかと変わらないようにも思う。
アポ無しで向かうと、「休業日」。
受付の方に取り次いでもらうと、「ご親族の方にあたってください」と。

ダメ元で管理会社かつその親友の働く会社へ電話をかけ、
「この部屋の住人の友人だが、連絡が取れず困っている」と伝えると、
「個人情報のため伝えられない」「親族等に連絡をしてほしい」とのこと。
親族の連絡先もわからないので…とは伝えつつ困っていた。

親族の連絡先も知らない、
ほぼ同居していたとはいえ、ただの親友が、
探し出すための手がかりはどこにあるのか。
その「鍵」となったのは、まさに「鍵」だったのだ。

「でしたら、この部屋の鍵を持っているのですが、開けてもいいでしょうか?」
その一言で、状況は一変しました。
「どういった間柄なのか」、「なぜ鍵を持っているのか」。
それを丁寧に答えさせていただいたところ、
別の部署に連絡するように指示を受けることができた。

その部署に電話をかけると、
信じたくはないが、残念な結果だったことを聞くこととなりました。
その親友は亡くなっていたそうです。
私の荷物を含め、ご親族が引き取られたそう。
荷物が多かった理由を不思議に思われていたそうですが、
私の荷物もあったことを伝えると、ご担当の方は納得されていた。

ご親族やお墓への訪問を希望しましたが、「ご遠慮いただきたい」
「仲良くしてくださってありがとうございました」とのことでした。

今も亡くなったことは信じられませんし、
親友だったこともあり、多くの方から聞かれることも多かったため、
ちゃんと明言したいと思っていましたが、
避けてほしいとのことでしたので、「行方不明」と伝えていました。
ご理解いただけると幸いです。

心残りがあるとすれば、
「彼を助けてあげることができずに、すみません。」
「彼が推していた子には、その子が脱退する前に伝えてあげたかった。」
「お墓だとしても、彼に会いたかった。」
「焼肉奢る約束、守れなくてごめん。」
この4点かなと思っています。
でもこれを書いている間にも色々思うことはあるので、
もっと増えていくと思います。

スーパードライを飲みながら、
彼のことを忘れないように、思い出したい。

当時の写真は、機種変更後、旧機種のiPhoneのアップデートによって、
容量が足らなくなり、復元できなくなってしまい、
方法は「512GB以上のiPhoneを手に入れること」となってしまいました。
当時担当の方と連絡したSMSも履歴も、その中にしかありません。
カバー画像が何もないのも、それが理由だったりします。
いつか忘れてしまう恐怖もあり、1年をきっかけにnoteにまとめてみました。
いつか、その時の思い出を復活させることのできる、その時を願って。

そして、彼のことを知る人と思い出しながら私は飲んだり語ったり、
そうして思い出したいな…と思っているので、
よかったら声をかけてもらえると嬉しいです。

追伸
当時助けてくださった皆さま、
そしてその際に今まで「行方不明」として隠してくださった皆さま、
血縁関係のない人間にも関わらず、教えてくださった担当の方、
本当にありがとうございました。

そしてどうか、辛い気持ちになったとしても、
ふと思い浮かんだ友人に声をかけたり、
どうしようもないときは、全国のいのちの電話を活用してほしいです。
https://www.inochinodenwa.org

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