【作家】江國香織作品の魅力①
作家『江國香織』について、私が読んだ限りの感想をどこかに書きたいと思っていた。私の好きなVtuber 家長むぎちゃんが好きな作家ということもあるが、江國香織作品に関してはむぎちゃんを知る前から読んでいた。特に、大学生のときにむさぼるように読んだ記憶がある。それはなぜか?
私の中では江國香織作品は『村上春樹作品と通じる部分がある』と思うからである。
では、村上春樹作品とどう通じているのか?というのは、また別の記事で書きたい。それはそれで思うところが多くあって、原稿用紙を何ページ用意しても、推敲を重ねたうえで書きたい思いがある。要はパパっと書けるような感情ではないということ。だから今回は、私の思う江國香織作品の魅力を、単体で・簡単に書こうと思う。
江國香織作品の魅力は、
「よく食べて・寝て・性行為をして・善く暮らす」。
これに集約されるのではないかと思う。
批判の窓口にもなりやすい性行為の描写は、江國香織(と村上春樹)においては『爆発するような"生"のエネルギー』として描かれていると私は考える。エネルギーの象徴として、衣食住のような形で性行為に及ぶシーンが描かれる。時に濃艶なときもあるが、私の知る限りはサラっと書かれていたイメージがある。必要だから書かれている。そこに嫌味や嫌悪感はほとんど抱かないのではなかろうか。
こうした傾向は特に短編集に表れている。短くまとまったストーリーの中で、主人公たちは凝縮された「生活」を、取りこぼすことのないように満喫するのである。当然ながら生活の中には上記のような行為が含まれているわけで、とりわけそうした日常描写が苛烈なまでにたっぷり描かれている。別作品で例えると、ジブリの食事シーンみたいな感じ。
『食べる』のではなく、『かぶりつく』。
ぽろぽろ零そうがお構いなしに、生きるために食物を食べる。
こうした描写が重なり合って、重なり合った末に、猛烈な"生"のエネルギーとなって読者の内面に飛び込んでくる。まるでウサギのように。突進してくるのではなくて飛び込んでくる。
だから私は、自分が落ち込んだり、気分を上向きにしたいときに駅に香織作品を読む。特に好きな作品は、以下の3つである。
『がらくた』
『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』
『すいかの匂い』
それ以外の作品も魅力的なものが沢山ある。映画化されたものもある。私は彼女の作品は『猛烈な"生"のエネルギー』として受け取っているのだが、他の人はどう思うんだろう?正直、回りの男性で江國香織を読んでいる人がおらず聞くことができない。
読書は個人的な体験である。だから感想を共有しようとも、自分の感想自体は曲げる必要はない。それでも、江國香織の小説についてはほかの人の受け止め方を聞いてみたい。
そう思わせてくれる、不思議な小説家。
それが私にとっての江國香織である。