
【元世界9位のガチ解説】ここで差がつく!パルキアの構築思想
こんにちは、たっぴーです。
今回はパルキアの構築思想について、前回の記事よりもより詳しく解説をします。
4月から1ヶ月以上パルキアを回し続けてかなり理解が深まったため、詳細に言語化したいと思い筆を執りました。
CLだけでなくJCSにも落選したものの、パルキアが楽しすぎて無限に回していました。
今回の記事は中~上級者向けの内容となります。
より細部について言及するため、基本的なことは省かせて頂きます。
パルキアの基本的な考え方や、この記事の思想に至るまでの思考過程を知りたい方は、こちらの記事も合わせて読んで頂けるとより理解が深まるかと思います。
これまで約200部購読して頂けてとても嬉しいです。ありがとうございます。
今回の記事はこんな方におすすめです。
・入れたいカードが多すぎて60枚にまとまらない
・ボールの枚数をどうすればいいか分からない
・採用したカードへの理由付けに自信を持てない
・どうやって調整を進めたらいいか分からずに伸び悩んでいる
・プレイングが漠然としている
1.はじめに 調整観点
ポケモンカードは構築ゲー
ポケモンカードはズバリ構築ゲーです。
もちろん他のカードゲームでも構築は重要ですが、ポケモンカードは他と比べてサーチが優秀で、特にうらこうさく軸であればピン挿しカードを有効に活用できるため、よりデッキ構築による比重が増します。
もちろんプレイングも重要で、パルキアは選択肢が多くてプレイが難しいと言われます。特にミラーマッチはベンチ枚数の駆け引きが難しく、現環境では最難関とも言えます。
ただ、デッキ構築とプレイングは表裏一体で、想定した動きがあるから構築が定まってきます。
つまり、プレイを想定した上でデッキを構築していくことになります。
「何を当たり前のことを言っているんだ」と思うかもしれませんが、プレイが難しいからこそデッキ構築が定まらないのが今回のポイントです。
まず基本的な部分として「先にドローするかサーチするか」、目先の択として「プレイ中で生じた択で確率を計算してより良い動きを選ぶ」、事前に想定しておくこととして「アタッカーを使うタイミングとサイドレースの進め方」は必須です。
つまり、プレイ方針がままならないと、デッキ構築が正しく結果に反映されづらいのです。
そして、デッキ構築は「したい動きを達成するためにカードを入れる」ことになりますが、方針が曖昧だったり、決めたと思っていても最適ではない可能性もあります。
よって、「デッキ構築とプレイングのどちらも難しい」からこそ悩むのです。パルキアのリストが三者三葉なのはこのためだと考えます。
もちろんプレイングだけでなくメタ読みによっても変わりますし、時期も影響します。有名なプレイヤーが使っていたデッキリストが出回ることでも変わっているのを実感しています。
とはいえ、カードゲームは運要素があり様々な状況が起こり得るため、思想を正しく結果に反映させることは難しく、それ故に偏った考えで納得させてしまっていることが多いです。
閉鎖的な環境での調整では身内の意見や対面によってバイアスも入ってしまいますし、記事を読んでその通りに使っていることもあります。
そのため、広い視点で考える必要があります。自信を持つのも大切ですが、常に疑う姿勢を持つことで視野狭窄に陥りづらくなります。
例えば、現在のポケモンカードではある程度の使用率ですが統計も公開されています。
【ポケカ環境 定期レポート 6/4(土)〜5(日)】
— おすぎ🔍環境自動分析システムつくるひと (@osgggg) June 6, 2022
・全1,909件分のデータ
・引き続きパルキア シェアトップ21.95%
・ミュウ2位 17.76%
・ヒスイゾロ3位 13.25%
・ウインディ5位 4.03%じわじわ増加中。勝率安定
・ダークライが微増、シェア6位
・ハピナス7位、引き続き勝率高#ポケカデータラボ pic.twitter.com/kePm8hjETQ
数字は嘘を付きませんが、数字の使い方を間違えてしまうと大失態を招いてしまうこともあります。
先後やマッチングの偏差、よく使われているプレイヤーのリストやプレイングの練度、パルキアであればスイッチャーの有無は区別されていないこともあるため、参考程度に留めるのが良いでしょう。
仮説検証
それでは結局どうしていけば上手く行くのかというと、どれだけ速く正確に仮説検証をこなせるかが重要です。
・机上での「仮説の精度」
・実践での「検証回数」
・試した結果の「本質的な部分を確認」
・目先の結果に囚われない「適切なアプローチ」
仮説の例:
パルキアを先攻では1枚、後攻では2枚置きたい
・ボールをx枚入れると、パルキアは1ターン目に1枚置ける確率がm%、2枚置ける確率がn%で、先攻であれば1枚出すのは難しくなく、後攻であればサポートを使えるためこの枚数とした
・60枚から7枚引く時、期待値が1を超えるのは14からで、14からは上昇幅が小さくなるため価値が低くなる
デッキスペースの兼ね合いを考えてこの枚数とした
仮説でいうと大抵の方が「初手にパルキアを何枚置けるか」などの確率を元に採用をしているのを見かけます。
ただこの考えは最低限度のもので、その後2ターン目以降どのように試合を進めていくかを想定しているケースは少ないように思えます。
もちろん2ターン目以降のことはなかなか想定できないし、試合結果を振り返った時も展開できたかどうかで変わることが多いため、ここにフォーカスが向けられるのも分かります。
それ以外のカードの枚数も明確に言語化することなく、「使っているうちになんとなくこの枚数が合う」という感覚に頼っている部分はあるかと思います。
ただ、それが悪いと言っているわけではありません。
実際にパルキアで採用してるしんかのおこうや回収ネットについても、感覚的に2枚がちょうどいいと感じています。言語化しようとすると「1枚だとサイド落ちが嫌で3枚は使わないけど2枚使えることもある、1ターン目に使えるカードではないしデッキスペースの観点から2枚」となります。
実際には「1ターン目に8枚あるカードのうち、全体で12枚採用しているカードaとカードbとカードcとカードdのうちある条件xを達成できるコンボ数」といったように考えていくと良いです。このパターンだとパルキア4枚、VIPパス4枚、クイックボール3枚、ハイパーボール1枚のうち、先攻でパルキアを1体出すにはどれでも達成できますね。
しかし、後攻でパルキアをメッソンを同時に出したい場合ではややパターンが変わります。
先ほどのパルキアの枚数に加え、メッソンの現物4枚とレベルボールが加わります。そして初手の8枚のうちで達成する必要があります。
そして複数枚を展開する必要があるため、クイックボール+ハイパーボールの組み合わせは手札の重要なカードを捨ててしまい鈍る可能性があるため評価値は低いです。
また、メッソンスタートができればパルキアを2体準備すればどんどんよぶができるので楽になります。
厳密に言うと、ちなみに初手にたねポケモンがない場合はマリガンになるためたねを引ける確率はやや高く、相手のマリガンがあれば追加のドローがあるため上がります。
このように、様々なパターンがあるため条件を網羅しきるのは至難の業というか、無理です。そのため机上で完結させず、実践で検証し、確認し、アプローチを施すのが重要となります。
じゃあ仮説を立てても感覚に頼る部分が多いじゃん!と言われそうですが、そうではありません。実際は「2ターン目以降にも強い動きができるか」まで踏まえることが重要です。そしてそれを仮説とすることでよりデッキ構築の方針が定まります。
2.構築指針
2ターン目以降にも強い動きができるか
結論から言うと、「2ターン目以降にも強い動きができるか」を構築指針とし、それを満たすために立てた仮説が「VIPパスを多投する」です。そしてその通り調整を進め、現在のデッキリストはVIPパスを多投した形になっています。
理由として、2ターン目までの動きを考えた時に、前提となる展開が「パルキアを1~2体出す以上が必要で、要求値が高い」と判断したためです。
「展開できないとゲームにすらならないから」と消極的にも言えるし、「展開できた上で更に強く動きたい」という積極的にも見えます。
・全体:パルキアはもちろん、サポートやエネのためにジメレオンを立てたいのでメッソンも出したい
2ターン目に繋がるカードがないと困るのでゲッコウガを出して手札を補充したいが、ゲッコウガのドローは不確定なので1ターン目にパルキア+メッソンの盤面を作れないかもしれない
・後攻:パルキアが狩られることを考えるとパルキア2体を出したい
・後攻(対パルキア):げっこうしゅりけんを考えてメッソン2体とマナフィも出したい
メッソン1体だけだとメッソンをボスで狙われて止まってしまう
・先攻(対ミュウ):後1メロディアスエコーを考える必要があり、パルキア2体メッソン1体orパルキア1体メッソン2体(アメ進化インテレオンの択)は出したい
一見すると「相手の理想の行動に囚われすぎている」とも思えますが、パルキア+インテレオンは進化デッキなため、1ターン目に展開できるかどうかによってその後の展開に雲泥の差があります。
厳しい展開でもVIPパスのおかげで繋がったパターンで代表的なものを掲載します。
例:
後攻でパルキアスタート
たねを呼ぶカードがクイックボールしかなく展開用サポートもない
手札にはエネルギー(バケツ)が複数枚あるという状態
パルキアかメッソンのどちらかを持ってきてもどうしようもないためゲッコウガのかくしふだに頼る必要がある
・ここでVIPパスを引けると1枚で次のターンのための展開を確保できる
・かくしふだのドローのおかげで弱い手札でも2ターン目も最低限繋がってくれる
・トラッシュにエネルギーを落とせるので次のターンは強くスターポータルを使える
・2ターン目以降でしか強く使えない回収ネットも、ゲッコウガのかくしふだを再利用することで活かせる
このようにゲッコウガから繋げることで、ただ1ターン目に展開するだけでなく2ターン目の動きも確保できます。
よく言われる考えとして、カイ=VIPパスと捉えて採用することもできますが、サポートは先攻では使えませんし、展開できなければせっかくの先攻の強みを活かせずに終わってしまいます。カイと他のサポートが重なるとどちらかしか使えません。
つまり、1ターン目の限りある手札で展開するには要求値が高いのです。初手の7枚とドローの1枚の計8枚には様々な組み合わせの手札が配られますが、どのカードともかみ合わせやすく、強く2ターン目を迎えるためにはVIPパスは唯一無二のカードと言えます。
先ほど調整観点の説明で「条件xを達成できるコンボ数」という記載をしました。
今回の条件は「2ターン目以降にも強い動きができるか」で、レベルボールはメッソンに繋がるカードで展開するカードですが、VIPパスによりレベルボールを温存できるとジメレオンのサーチに充てることができ、2ターン目の動きに繋がります。
クイックボール+レベルボールではパルキア+メッソンまでしか達成できず2ターン目のジメレオンが安定しませんが、VIPパス+レベルボールでは達成できるため条件を満たせます。
コンボ数というと複雑なパターンを網羅しなきゃいけない…と思うかもしれませんが、「2ターン目以降にも強い動きができるか」と言えばイメージしやすいですね。「点で見るのではなく線で捉える」とも言い換えられます。
ボス型かスイッチャー型か
ボス型を選択しています。スイッチャー型から始め、ボス型に移行した後はずっとボス型を使い続けています。
スイッチャー型は2ターン目までの展開を考えた時に展開できた前提で更に強いカードでオーバーキルだと感じています。ここは前回の記事にも記載しているため割愛します。
自身としてはスイッチャー型は弱いと判断したためほとんど触っていませんでしたが、有名プレイヤーがリストを公開し広まったのを機に触ってみました。
対面していると一考の余地はあると感じましたが、自分で触っていると展開に不安を感じ、方針に噛み合わないため早々に見限りました。
展開できないノイズが入っているから弱いというネガティブベースではなく、「デッキの基軸があまりにも強すぎるため、余計なことはしなくても最低限動ければ勝てる」というポジティブな評価です。
・スターポータルのおかげで、1ターン目に手貼りできなくても2ターン目に攻撃できる
・ゲッコウガとインテレオンで非Vを挟みながら前とベンチを同時に攻撃できる
・不利な展開でも雪道+ツツジでまくれる
・これらの動きがうらこうさくによって高頻度で実現できる
ただ、その「最低限が意外と高い」ことも見落とせません。
うらこうさくデッキは2ターン目以降ではやりくりできるものの、1ターン目で展開できずに強みを活かせず本末転倒になるケースが非常に怖いです。
スイッチャー型でも最低限は入っているように見えて、自分が感じる最低限には満たしていないと感じています。
・全体:パルキアはもちろん、サポートやエネのためにジメレオンを立てたいのでメッソンも出したい
2ターン目に繋がるカードがないと困るのでゲッコウガを出して手札を補充したいが、ゲッコウガのドローは不確定なので1ターン目にパルキア+メッソンの盤面を作れないかもしれない
・後攻:パルキアが狩られることを考えるとパルキア2体を出したい
・後攻(対パルキア):げっこうしゅりけんを考えてメッソン2体とマナフィも出したい
メッソン1体だけだとメッソンをボスで狙われて止まってしまう
・先攻(対ミュウ):後1メロディアスエコーを考える必要があり、パルキア2体メッソン1体orパルキア1体メッソン2体(アメ進化インテレオンの択)は出したい
もちろん、全体的な勝率を見るべきです。ある程度の事故や相手のブン回りは割り切って程よく回った試合で勝ち切れるという点で勝率が高いのであれば問題ありません。
ボスを打つと展開できずにきついから入っているのも分かるし、前を逃がせる効果も見逃せません。
とはいえ、個人的には安定して展開することを重視すれば、うらこうさくによって様々なパターンを網羅しやすくなり、ボスを打ちながら展開できることもできるため、クロススイッチャー型よりも勝率を高められると感じています。
以前の記事でも触れましたが、これは好みも出ていると思います。自分の完璧主義的な思考も混ざっていて見方によっては悪い癖とも言えます。しかし、そういった点が混ざっていないか客観的に見た時にも、自分の立てた仮説のほうが正しいと感じています。
3.調整経緯についてリストを追って解説
〜4/24

【ポケカ環境 定期レポート 4/23(土)〜24(日)】
— おすぎ🔍環境自動分析システムつくるひと (@osgggg) April 24, 2022
・全2,240件分のデータ
・全体の50%をパルキア&ミュウが占める環境に
・ミュウのシェア率が急増(前週比 約5%増)
・ディアルガも徐々に増加
・サンダース/コケコ等の雷タイプが高勝率
・レジギガス/ハピナス/黒馬/ゲンガーも勝率好調#ポケカデータラボ pic.twitter.com/nTAqhrp4fG
4/23からシティリーグが開幕しました。
この時期にはパルキア対策でアルセウスコケコなどの雷が流行してきました。
土日のシティリーグを含む統計のためジムバトルに比べるとミュウのシェアは多いと感じます。
今後増えていくことになるアルジュラはまだあまり多くないです。
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