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PJCS予選で勝つために~大会結果の分析術・構築の選び方・モチベーション論~

おはおはニャオハ!たっぴーです。 

先日行われた、第2回PJCS予選を抜けることができました!

今回の予選ではEUICで34位に入賞されていた、以下の雨寿司を調整したパーティを持ち込みました。



今回は構築記事というよりかは、PJCS予選を抜けるために取り組んでいたことや考え方を言語化していく記事になります。

最初は備忘録としてメモ程度にとどめておこうと思っていましたが、需要がありそうだったので記事にすることにしました。

一部有料となっていますが、執筆時のランチとコーヒー代ぐらいに思って頂ければと思います。

また、ある程度は無料で書いているので、無料分だけでも読んでいってもらえると嬉しいです!続きが気になったら購読していただけたら嬉しいです。

本編の前に、簡単に自己紹介をしておきます。

自己紹介

対戦ゲームが好きで、競技的に取り組むことが多いです。
ポケモンは好きでゲームは初代からやっていましたが、競技面だとポケモンカードをメインで取り組んでいました。

大会実績
全国大会
4回出場(05,09,10,15)
2009年 準優勝
2015年 ベスト4

世界大会
3回出場(06,09,15)
2009年 世界9位

・その他
北海道大会優勝3回、準優勝1回、3位1回など

2010年までポケモンカードを競技的にプレーし、高校入学に合わせて競技シーンからは引退。
2012年まではカジュアルに触れ、2014年から競技的に復帰。
2015年で世界大会に出場した後、ゲームに移行するため引退。

カード部門で参加したWCS2015で、現地でビエラvsBIDcの決勝戦を見てゲームもやってみたいと思い移行しました。

翌年のWCS2016年では予選を勝ち抜き、サンフランシスコで行われたWCSにも出場できました。

ポケモンに競技的取り組んでいたのは学生時代で時間にゆとりのあった2016年が最後でそれ以後はほとんど触れていませんでした。
最近は時間にゆとりができたためSVから本格的に復帰し、7年ぶりの挑戦で抜けることができました。


言語化が好きで、配信でもよく考察をしています。

構築記事もいくつか書いていました。

最近は環境についていくので精一杯なのと、納得の行く構築に出会えていないこと、記事レベルでの言語化をしようとするとエネルギーを使うことから書けていませんでした。
ただ備忘録として記事という形で残しておきたい気持ちはあるので、これからまた書いていければなと思っています。


情報の価値について

カード界隈では有料記事文化が根付いてきましたが、ゲーム界隈だとあまり馴染みがないかなと思っています。
どのような雰囲気なのかは、以前書いた有料記事を参考にして頂ければと思います。100部以上は売れていました!(全文無料で読めるようにしてあります)

また、本記事は配信中に作った以下のプロットを元に、詳しく言語化したものになります。



また、本番では雨寿司(ペリッパー、カジリガメ、へイラッシャ、シャリタツの水4体パーティを使っていました。
以下の配信でレンタルパーティを回しながらざっくばらんに語っていますが、この配信前に事前に考察した内容もセットで盛り込んでいきます。




値段設定について

ざっくりとしたことは配信で話しましたが、全部見返せば4時間かかるし、一度見て頂いても見返すのも大変だと思います。
またふりかえりメモもこれだけだと簡潔すぎてよくわからんというのもあります。

なので、4時間かけて聞く手間に加えて、具体的で読み返すのに見やすくてまとまったのが500円で買えると思ったらいいよねって感じです。(実際に見やすいと思って頂ければ嬉しいのですが)

値段設定は、自分だと1000円は流石に高いし、200円で買う人は500円でも買うし買わない人は買わないぐらいで、まあワンコインぐらいがいいと思ってどの有料記事も500円にしてます。
執筆の際のランチとコーヒー代ぐらいがイメージしやすいです。


お金と時間

本を買う時に自分が感じることなんですが、その人が何十時間も何百時間も経験したことを1000円とかで味わえちゃうから、コスパってすごいなぁっていつも思ってます。

今回は500円にしてみましたが、その500円があれば○○できる~というのはあるかもしれませんし、無料の記事と比較されたりするかもしれませんが、個人的には気になったらどっちもやればいいんじゃないかなぁとも思ってます。

いまは構築記事も解説も、ノウハウについても無料で書かれている方はたくさんいらっしゃいます。

お金は有限なものですし、昨今の情報化社会の中では情報はかなり出回っているものではありますが、だからこそ情報を得ることに使う時間の価値が高まってきます。

その点、まとめて分析をしたものにも一定の価値を見出せると思っています。
まとめ系の活動をされている方もアフィリエイトを活用して稼がれていますし、ユーザーもそれを活かせていて良いなぁと思っています。

ものを買う時にかなり悩んだ時間もあったんですが、最近は悩んでいる時間のほうが無駄だなぁと思い、とりあえずやってみるという方針にしました。
もちろんお店まで行ったけど引き返すっていう判断自体も、自分自身の価値基準を持っていていいことだとも思います。
自分はウィンドウショッピングをして、どういうものに対していいなと思ったり、どういうものが欲しいんだろうと自己分析するのが好きです。

現状は無料で質の良い記事を書いてくださる方が多いですし、風潮としても特に問題ないですし、郷に入っては郷に従えみたいなところもあると思うのであまり波風立つような行動は謹んだほうが良さそうですが、やりたい気持ちのほうが上回るので試験的にやってみたいとも思っています。

何より周りがどうこうはそこまで気にしすぎず、
書き手の自分は
やりたいからやってみる
書きたいことを頑張って書く
読み手は
中身が気になって買ってもらう

ってだけでいいとも思ってはいます。


情報の活かし方

先程、昨今の情報化社会の中では情報いくらでも出回っている~と書きましたが、情報はあっても活かし方を知らなければ意味がないとも思っています。
ぼくは分析は得意なので、なるべくわかりやすく噛み砕いていきます。

老子の格言で、『授人以魚 不如授人以漁』という言葉があります。

「飢えている人がいるときに、魚を与えるか、魚の釣り方を教えるか。」という話で、

「人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣り方を教えれば一生食べていける」という考え方です。

強い人の構築を真似して使えばそれっぽくはなるかもしれませんが、本質はわからないまま、その人の劣化になってしまいます。
ぼくは勝つためには釣り方まで知る必要が有ると思いますし、釣り方を知る事自体が楽しいと思っています。

そのため、釣り方を伝えられればなと思っています。🐟<ヘイラッシャ


ということで自分の価値基準の言語化ついでの売り込みでした。

使えるお金が限られる学生さんや、有料記事に馴染みの無い方にもどんなものか伝われば嬉しいです。よろしくお願いします。


第1回PJCSの反省

第1回では、ギャラバレル入りのパーティを使っていました。

上記のツイートで公開して配信でも使っていた以下のパーティをやや改変して使っていました。
別途記事を書こうとも思っていますが、今回は簡単な感想のみにします。

3月から仲間大会に出場し続けて様々な構築を使っていたもののどれもしっくり来ない状態でした。

ディンルーのパワーは頭一つ抜けて高く、ディンルー入りのパーティはプレイ次第ではどの相手にも勝てるポテンシャルを秘めていると感じて持ち込みたいと思っていました。
そんな中、テラスクエアで予選抜けをしたパーティがギャラ+バレル+ディンルーのサイクルで、これまで触ってきた構築の中でいちばん手に馴染んで良いと感じて、細部を調整して持ち込むことに決めました。

以下のように複数のプランがあることが魅力で、幅広い相手に対応できるのは良い点だと感じました。

・ディンルー+ギャラ+バレルでのサイクル+ハバカミでのスイーププラン
・ハバカミ+イーユイでのアグロプラン
・イルカウインバレルに強いセグレイブを通すプラン

一方でサイクル構築はプレイングが難しく、3日で最大45*2=90戦こなさないといけない中で、疲労によるプレイングミスが起こるのも感じました。

一応レート1700は超えることができましたが、

・セグレイブの「クリアチャーム」
・ウインディの「とおぼえ」
・カイリューの「せいしんりょく」

などを上位プレイヤーは使っていて、「いかく」によるサイクルを中心としていたこの構築では上位の相手には手も足も出ない状態で、予選抜けは果たせませんでした。

また、受けよりなのに命中不安ワザが入っているのも負け筋を引く要因でした。

・ギャラドスの「でんじは」
・ディンルーの「カタストロフィ」
・イーユイの「ねっぷう」
・セグレイブの「つららおとし」

選出する4匹で相手のパーティにすべて対応しようとする関係上、あるワザ外しによって役割対象のポケモンを倒せなくなると全てが破綻してしまうのも弱いところでした。
攻め寄りの命中不安であれば耐久が低いから外した後すぐやられてしまうイメージがありますが、そのぶんテラスを切らせたり、当てたら勝ちに直結するようなポテンシャルを秘めているケースが多いです。

一方で耐久があるパーティでは外してもまだ行動保証があるとも言えますが、前述の通り「いかく」をシャットアウトされたり、「キノコのほうし」を「ぼうじんゴーグル」で防がれたりなども踏まえるとダメージレースで追いつけなくなることが多く、当てたとしても1発攻撃を受けながらだったりするので状況が改善していないことも多かったです。

このように、幅広く対応しようとすると受けに回ってしまい、相手のギミックに倒されてしまったり、汎用性が高いワザ(カタストロフィ・でんじは)、強力な全体技(ねっぷう)は命中不安なこともあるとなると、完璧に対応するような構築を組むのは難しく、ポケモンの難しさを感じさせられました。

また、予選抜けしたパーティを見るとディンルーの「じしん」を中心に組まれているものが多く見られました。
命中安定の全体技を中心に組まれていて安定した勝率を出していることからも、構築力の差を見せつけられました。

上記で感じた反省を踏まえて、第2回に挑むことにしました。


第1回PJCSの分析

リバティノートさんが上位構築をまとめてくださっています。感謝…!

また、だゆさんもわかりやすくまとめてくださっています。非常に見やすくてありがたい…

第1回の結果を見て、抜けた構築には以下の要素が1つ以上盛り込まれていると感じました。

・アグレッシブな要素が多い
・モロバレルをカモれる要素がパーティに入っている
・「じしん」を軸にしたパーティで安定して攻める

===

ご購読ありがとうございます!
以下続きです。
最後まで楽しんで読んで頂ければ嬉しいです!

・アグレッシブな要素が多い

ハチマキルガルガンでの崩しが目に止まりました。

火力を上げることでなだれのひるみに依存しないこと、不利でもひるみを狙えること、
タスキルガルガンなことが多いためタスキハバカミは警戒されず、トリックルームの初見殺しも含めてパーティパワーが高いと思います。
実際に配信中にランクマッチで当たって負けました…。「へイラッシャはひるませる」ということでしたが、タスキ+がむしゃら警戒も含めて即合体はしたくないところで初撃の火力が凄まじく、上手く隙を突かれたなぁと思います。改めて記事を読み返して、アプローチの仕方に感激しました。

その他、おいかぜ(ファイアロー)、パオカイ、ツツミキバ、カミイーユイ、寿司などもたくさん勝ち上がっていました。


・モロバレルをカモれる要素がパーティに入っている


カ・エールさんのパーティとその配信です。配信中に登録決定をする堂々っぷり。それでいて抜けていたみたいですごすぎる…。

「みがわり」ハバタクカミ、草テラスウインディ、草テラスディンルー、モロバレル、飛行「テラバースト」カイリュー、「ぼうじんゴーグル」ドータクンと、なんとどのポケモンにもモロバレル対策が仕込まれています。仰天。

自分はモロバレルはギャラドスの「ちょうはつ」で無効化してしまえば良いと思っていましたが、「かふんだんご」は打たれるし、削りきれるわけではないため交代されてしまい「さいせいりょく」で回復されるといった流れで、根本的な解決にはなっていませんでした。

一方でカ・エールさんの構築ではモロバレルを一方的に無効にしつつも、ディンルーで一方的に攻撃できて、受けに周りすぎず攻めに繋がっているのが良い点だと感じました。
トリックルーム対策をモロバレルに一任しているパーティも多いため、誘い出すことができるというのも好きなポイントです。

・「じしん」を軸にしたパーティで安定して攻める

第1回の勝ち馬は「じしん」入り(もっというとじしんディンルー入り)パーティでした。
地面の一貫性はもちろん、雑多な環境で安定して勝つ上で命中安定の全体技は非常に強力です。それに上手いプレイヤーのプレイングと構築が合わされば怖いものはないでしょう。

じしんディンルー+カイリューの並びは、火力はもちろんのこと行動保証もあり、その安定感の高さから対策必須枠にまで上がったと思います。

浮いている枠としてフレガビビヨンと、地面が通らない飛行草に対しての裏ノオーツツミもわかりやすくて強いと思いました。

そのディンルーに強く出れて自分自身もディンルーを強く使えるミミズズ+ディンルーや、アーマーガア+地面(ガブリアス)も勝ち上がっていました。メタの先を行っていてすごい。


例外として、mumemoさんのパーティはコントロールパーティなので上記の要素にはあまり当てはまりにくいですが、非常に強力なパーティで第2回予選でも多く見かけました。

雑感

上記を踏まえての雑感です。

・人によって構築は様々
・何かしら環境に当てはまった強いコンセプトがあればOK
・自分のように受け身すぎてコンセプトがあまりないのは良くない
・当たり前ではあるが練度も重要
・150人という枠組であれば圧倒的に強い人は何を使っても抜けていた印象

といったところで、そこまで気にしすぎなくてもいいよ~とも思いました。他の構築を見て隣の芝が青く見えがちだったり構築の穴が気になりがちにはなるものの、結果に与える影響度はそこまでだったのかなと思います。


EUICの分析

同時期にEUICも開催されていました。こちらは日本のクローズドBO1と違ってオープンシートBO3という形で、持ち物やワザ、テラスタルが公開された状態なので初見殺し系が通用しにくく、日本とはメタが違っています。

TOP8

使用率

オープンシートBO3でイルカスタンが強く、それに採用されやすくイルカ対策にもなるモロバレルが2位に付けています。
このルールが始まった当初は7位だったのに、今や2位にまで上がっていました。第1回PJCS予選では3位、第2回では2位でした。

クローズドBO1で強いかはともかくとして、海外プレイヤーも参入してくるPJCS予選(Global Challenge)ではイルカ自体は上がってくると予想しました。
あとはへイラッシャはまだ行けるんだなぁというところも意外でした。
TOP4の二人はメンツは同じなものの中身が違っていて面白かったです。



第2回PJCSに向けた研究

上記を踏まえてどのような構築を使うか模索していました。

配信中に作成したマインドマップの一部切り抜きです。

メタゲーム

じしんディンルーが勝っていて、それに強い鋼タイプ(ミミズズ・アーマーガア・ドータクン・水ロトム)も上がってくると思い、どちらにも勝てる構築がベストだなと思っていました。

ただ調整する時間が4日しかなく、完成度の高いものは作れなさそうだなとも思いました。

上記のマインドマップにある通り、押し付けを使いたいとのことで構築を模索していました。

大まかな方針

大まかな方針としては以下の2点です。

自分が出せる最大値を客観的に把握する
負けない戦略

まず、自分が出せる最大値を客観的に把握する についてです。

・「スタンはどうやって相手視点で見られているか」を把握するのが難しい
ディンルー入りスタンを触ってみて上手く扱えなかったことからそう感じました。選出パターンがどれだけ把握されているのか、細かい1体の違いから構築の方針が違っているのか、使っていても相手にしていてもわからなかったので、練度が足りていないと理解しました。

・あまり頭を使わなくても行けそうな既存の強そうな構築 初見殺し系に委ねたほうがまだマシ
第1回予選ではサイクル系を使ってプレイングで勝てなかったと思ったので、ギミック系で上ブレを狙った方が期待値が良いのではないかという仮説です。

・いままで使ってて使い慣れている(=ミスりにくい)構築が良い
ツツミキバ系のアグレッシブな構築はいままで使っていたのと、様々な構築が勝ち上がっていて練度が大事だったということに帰結しそうだったので、素直に自分の練度に従うのが後悔がなくて良いとも感じたためです。

・メタ読みが当てはまっているとか、理想を追い求めすぎず、現実を見ること

現状でプレイングスキルが追いついていないのであれば、試合中の学びを次のROMに活かせるように2ROMとも同じ構築がいい

こういった言語化による客観視から、方針がブレた時に見返してより戻せるようにしました。


負けない戦略

プレミが少なく、運負けしづらい、上から押し付ける構築が良いとなりました。
上からの押し付けは見方によっては「勝ちに行く」とも捉えられますし、負けないといえば相手に対応していくという印象のほうが強いかもしれませんが、プレイングミスや運負けの比重のほうが大きいと思い、「負けない」としました。
急所やテラスタルや選出の噛み合い負けというのではなく、ある程度決めた上で強い動きをするというのがなんやかんや大事だなと思います。

強い構築であるために、初手の2体の並びの強さを大切にするという点ではやなぎさんの記事が参考になります。

また、心理学や統計的な面でいうと、茂里さんの記事も参考になります。
彼はMTGの元プロプレイヤーで、ことば選びが上手で、この手の考察記事が非常に面白いです。ぼくは本がボロボロになるぐらいには読んでます。


ツツミイーユイ

ツツミ+イーユイの並びが強力で、第1回から使いたいと思っていたものの命中不安が気になっていました。
とはいえ実際に自分が使った構築は命中不安な上に受け寄りすぎることで、リスク・リターンの面ではリスクのほうが上回っていたようにも思えました。



また、苦手なディンルーに対してのアプローチがまとまらず、構築にまとめ上げることができなかったのもあります。
イルカマンはそもそも扱うのが難しい上に、モロバレルでの受けを活用することからBO1では「ぼうじんゴーグル」や草テラスタルに初見殺しされる可能性も含めて、あまり積極的には使いたくなかったです。
またツツミ+イーユイ入りはおいかぜギミックで上を取られるのが嫌で、こちらもおいかぜ(アローキバ)を採用したアグレッシブなパーティを使っていたのもあって、それ以外のアプローチに着手していなかったのも大きいです。

ツツミキバ


元々ツツミ+キバ自体は押し付けの強さが強いと思っていたところで、ちょうどいい構築をテルさんが公開してくださっていました。

立ち回りの指標もわかりやすく、構築がない中で藁にもすがる思いで使っていました。
使っているうちになじんできてこれにしようかなと思っていました。自分が使っていた時は前述したようにおいかぜ系まで入れてイケイケな感じでしたが、アグレッシブながら最低限の受けがあるのが好みでした。

へイラッシャ

押し付けを使いたいというところで、悩んでいた構築の一つに寿司があります。
いまとなっては当たり前ですが、合体型かあくび型かわかりにくいところ、合体択を強要できることが押し付けという点での強みだと思っています。
プレイヤー負担が少ないことから短期間で試合数をこなす上でミスも少なくて良さそうだなと思っていて、寿司の専門家に色々と尋ねてみたものの現状は向かい風で厳しいとのことでした。

合体しないあくび軸はまだいけるとのことでしたが、自分自身プレイスキルが追いついていないことから扱えず、避けることにしました。

そんな中、EUICで34位に入賞したなみのり雨寿司が公開されました。

最初はおもちゃかな~と思っていましたが使ってみると案外強く、候補の一つに挙がりました。
配信でも使っていて、まあまあ高い勝率が出ていました。
水の役割集中が強く、モロバレルもねごとでゴリ押し、くろいきりをされてもなみのりでゴリ押し。わかりやすくてミスも少ない。

細かいところの調整をし、最終的には雨なみのりへイラッシャを2ROMとも持ち込むことにしました。

結果として2ROMとも25戦ほどで1700タッチし、そこからレート1791、最終38位で予選を抜けることができました!


調整方法

自分が今年から作成した調整窓で考察をしていました。

この構築に興味を持ったゆうさんと一緒に調整し、雨パの専門家のnofaceさんにご意見を頂戴する形で進めました。

4/19(水)から真面目に着手したので調整期間は2日ほどでした。

現状の強いところと弱いところの洗い出し、改善案、トライアンドエラー…といった基本的なPDCAの流れで進めていきましたが、
「このパーティを見た時にあなたならどうするか?」と自分から積極的に質問しにいったり、
「このポケモンのいい配分ないですか?」と専門家に訪ねたりなど、自発的な行動は大事だなと思いました。

1から10まで教えてもらうのではなく、自分なりにやってみた上で出てきた疑問を具体的に言語化して伝えるという流れを重視したので、言語化している間にも色々と見えてきて良かったです。

特殊な構築なのと時間が限られているのもあって課題の優先順位を付けるのが難しく、特に残りの2枠には何が求められるのかを定義付けるのが大変でした。

テツノツツミがキツイ、モロバレルがキツイ、天候を変えられるとキツイ、普通に上からハバカミに攻撃されるのもキツイ、なみのりがネタ割れしてたらキツイなどなど…。

具体的な調整経緯は切り分けたいので、別途解説記事で書こうと思います。

調整中に効率よくやっていく上で大事だなと感じたことを羅列していきます。


・PDCAを回す
現状の強いところと弱いところの洗い出し
改善案を出す
トライアンドエラー

・構築記事を書く
採用の経緯が明確になり、あやふやなところを見つけやすくなる
それぞれのアーキタイプへの選出を言語化することで、立ち回り方、相性を把握できる
見落としが減り、試合中も他のことに脳のリソースを割ける

理解度が上がればある時カチっと噛み合う枠が3秒で降ってくるというのをどこかで耳にしていたが、まさにそんな感じで調整が進んだ

・自発的な行動をする
他者と一緒に考えようと行動する
積極的に質問しにいく

・理解度の差を埋める
細かい部分はダメージ計算をして共有する
同じ構築を使っていても違った扱い方や見方なこともあるので、認識の齟齬を解消しようと努めた
他者の思考に引っ張られる可能性があるので、それぞれのアーキタイプへの選出を言語化する際にはお互い同時に書いて見せあった

・第三者に客観的に見てもらう
雑談中に第三者にこの構築はどうか聞いてみることで、固定観念の払拭とブレイクスルーを期待した


やることを書きましたが、優先順位付けるということで「やらないこと」も決めたりしました。
不安になって他の構築を回したり、なるべく遊ばない、などなど

やることもやらないこともこう見ると当たり前のようなことですが、案外できないものなんですよね。焦れば焦るほど上手くいかないし、これでいいかと甘えたくなりますし。
意識的にやるのが大事だなと思います。


対戦する時間帯

予選抜けを狙うために潜る時間帯についても考えました。

前述のマインドマップを拝借。


だゆさんも書かれているのでこちらも拝借。ボーダー付近の立ち回り、体調管理などの話はこちらが参考になります。

当たり運などで主観が入っている部分もあるので、参考程度に読んでください。


・1500~1600帯


いつ潜ってもあまり変わらないと思います。
強い格上、弱い格下に当たるかどうかはわかりません。
昔は景品が豪華で記念参加勢が多く、1600ぐらいまでは無敗で駆け抜けるなんてことも多かったですが、今はちゃんと1500からガチ層と当たりますし、ちゃんと勝たないと行けないと思います。

ぼくは3日目の16時~18時帯で記念参加の海外勢と3回ほど当たれましたが、たぶん朝起きてとりあえずやるかっていうヨーロッパの方だったと思います。でもそんなのは世界中でありえる話ですし、当たるかは運なのでなんとも言えないです。

強い人は2日目以降に潜るという方針も立てているのをよく見るのでそれを回避するための1日目というのも、同じことを考えている人が居そうですよね。

体調管理の面でも、1日目にも潜るほうが良さそうでした。

・1600~1700帯

1日目に1600まで来ればもうサブロムに移行して良いと思います。それぐらい1日目にやるのは格下マッチのリスクが大きいです。

2日目に1ROMを1700に乗せたらサブロムに移行しました。このように交互に進めていくと精神衛生上良いのでおすすめです。
2日目の昼に頑張っても実質1日目の夜と同じぐらいのレート域だったので、夜に多くこなすほうが良さそうです。

ここに関してはだゆさんの立ち回りがベストだなと思うので掲載させて頂きます。

・1700~1800帯

3日目に潜れるとベストです。
後に遅らせたほうがもらえるレートが増えるのは言わずもがなでしょう。

特に深夜帯はアツいです。
格上マッチやボーダー付近の人と当たって目先の勝ち負けに一喜一憂しがちですが確実にレートの期待値は高いです。

深夜は魂の1戦が多く、ここでしか得られない栄養があるなぁと感じました。激アツ!めっちゃ燃えます。
一番美味しいと思ったのが、上がる目がなくなった1650ぐらいのプレイヤーが、次の予選に向けて情報収集がてら潜っているところに当たれることです。
体調は疲弊しているし、目無しになってから雑にこなしているのであれば集中力が落ちているはずです。相手のプレイがあまり冴えていないなと思うこともありました。長引きそうな複雑な択も、この細かい択は見えないだろうという予測で動いて決まったこともありました。ぼくが冴えていただけな可能性もありますが…。
バチバチの1750より意気消沈した1650と当たり続けたい…。

また、日本人は1780ぐらいの150位ボーダーを目指しますが、海外のプレイヤーはGlobal ChallengeといってCPがかかっている大会で、1位を目指しに1800を超えてからも潜ってきます。そのぶん強豪ですが、海外特有のメタによる構築なことも多く、海外プレイヤーへの得意意識があればぜひ当たりたいところです。もちろん強いので頑張らないと勝てないです。

とはいえ試合数を残しすぎると疲れるので、そのへんのバランス感覚も大事です。
ぼくは2日目に40戦、3日目に60戦こなしましたが、このペースであれば1日目に少しだけやるのも良かったかなと思います。今回は寿司構築だから気になりませんでしたが、22-2とかで抜ける化け物でない限り45戦フルで潜ることにもなりかねないので、フルパフォーマンスを出すための体調管理は意識しておきたいです。


ポケモンを続けるモチベーション

最後にモチベーションについてです。
大会後のモチベ不調やそこからの復活の仕方、いまと今後の向き合い方などなど、ざっくばらんに書いていきます。


今回は調整から対戦中まで終始楽しくできたのが勝因だったなと思うので書いていきます。よくある自己啓発本の自分語りのようにもなりますが、楽しんで頂ければ嬉しいです。
第1回PJCSのあとは疲れてしまって1週間ほど楽しくやれなくなってしまったこともあったので、そういった過程もお伝えできればなと思います。

ぼくはポケモンをするにあたって、大会で勝利を求めるのが第一というよりかは、ポケモンの唯一無二の面白さに惹かれ、その上で研究が好きだからやっています。
対戦ゲームであればスプラトゥーンのようなアクションからポケカのようなカードゲームまで幅広くやってきましたが、何かしら一つは競技的に取り組んでいます。
スプラが面白い時はスプラを真面目にやってましたし、ポケカも同じです。

昔はどれも競技指向がかなり強かったですが、最近は落ち着いてきて二の次ぐらいになりました。
ポケモンもポケカも世界大会出場を経験できたことや、過程を楽しんだりコミュニティで楽しむことの大切さに気がついたのもあったり、おとなになって丸くなった部分があると思います。

何より、好きこそものの上手なれというように、楽しくできると結果的にうまくなってさらに楽しめるということで、よりオトクなほうがあるならそっちのほうがいいじゃんということですね。

第1回PJCS後

第1回PJCS直後はポケモンに対するモチベーションが低下していました。

第1回は構築を迷いすぎて消去法で決めるという形になってしまいましたが、これは次に繋がらないため良くないと感じて反省しました。

内容としては、途中で受けよりの命中不安が勝率を落としていることに気づき、構築を変えたいけど変えられない、そんな気持ちの中でやらないといけないという使命感が出てしまい、決めたことをこなしていくだけという感じになり新しい発見がないなというところに好奇心が沸かなかったからです。
読みも冴えず、大会中にモチベがなくなってしまいました。

予選は3回あるし、何かしら自信を持ってやったほうがプレミも少なくなるし、諦めずにやれば思わぬ勝ちが舞い込んでくるゲームだなとも思いました。

また、同時にSNS疲れもありました。

周りは勝っているのが目についたり、
勝てない自分の技量不足を痛感したり、
人間関係を頑張って情報収集する場を作ることが大事だなとも思わされたり、
おめリプを送ったりするのは人間関係を続けるためなのか…?
お気持ちツイート的なことをしたのに対して鍵アカ引用リツイートされていて色々言われているのかも、などの邪推などなど、
勝つためや楽しむためにはやれること、やるべきことはいっぱいある・・・といったようなことが次々と見えてきて、
どれをどうしたらいいかもわからず、
「○○するべき」という義務感に苛まれるのが辛く、メンタル不調から体調も崩しそうになりました。
中見出しに書くと恥ずかしいのでここでぼそっと書いておきます。

偉そうなことを色々書いてきましたがぼくも人間ですし、真面目にやっていたのもあるし、もともとかなり繊細なところもあるのでこの影響は大きかったです。

本番と練習、競技と趣味は切り離したほうが良い

これは同時にはなかなかこなせません。
本番で新たな発見があってはいけないですよね。斬新な構築に当たって負けるとか、その場で天才的な読みが冴えたとかなら別ですが、事前に想定できるようなことを想定していなくて負けたを新たなことに気づけたとポジティブ変換するのは無理があります。

新たな発見やトライアンドエラーは練習のうちに経験しておくべきです。このあたりを一緒くたにしていたのが良くなかったです。何事もトレードオフです。
気持ちを切り替えるという意識はとても重要だと感じました。人間は感情のある生き物なので。

このあたりを友人と通話していて改めて気付かされ、自分が甘かったな、せっかくここまでやってきたしもうちょっとやってみるかと元気になった時にやり始めました。

負けるのが恥ずかしいとか、わからないことに直面したくないとか、そういった感情よりも、自分に言い訳をして逃げることが一番嫌でした。


大会の存在のありがたみについて

どのようにして大会に向き合うのか、ということについてです。

まず、大会があるということはとてもありがたいことです。各々の目的は達成感や成功体験、承認欲求などなんでも良いですが、ユーザーにとって期間が決められていることはとても重要です。時間が無限にあるのであれば何を目標にしていいのかわからず、本気で取り組む人が減るからです。
全員が全力でぶつかるからこそ、そこに環境という架空の世界が出来上がります。
それをもってさらに研究が進んでいく。各々の身分や立場、人種は違えど、こうして同じ趣味の場でしのぎを削り合うというのは、人類においての叡智とも言えます。

ぼくは昨年度にポケモンカードで遊んでいましたが、なんと応募しても抽選落ちで参加すらできませんでした。そう思うとオンライン上で手軽に参加権利が3回も与えられるというのはありがたい話です。
SNSでの意見を見ると株ポケは競技への意識がどうのとか(世界大会はオープンシートBO3、日本はクローズドBO1)など色々言われてはいまますが、与えられたものを食べることしかぼくらにはできない中、与えられすらしなかったポケモンカードと比較すると、あるだけ嬉しいという感覚です。

このあたりの話は配信で色々語っているので、マインドマップのモチベーション欄を作成中のところの話を聞いてもらうのも良いかもです。

不完全情報ゲームであるポケモンが面白すぎる

配信でも言っていたことにはなりますが、ポケモンには唯一無二の面白さがあると思います。
アクションゲームにもシミュレーションにもカードゲームにもない独自な感じですよね。
カードゲームのテキストを書き換えれるバージョンだと言っても、同時に行動するからそうもいかないですよね。

言語化するのが難しいというのも面白いところで、一概に言えないあたりのむずがゆさもまた面白いです。
ポケモンのような運要素が絡むゲームは不完全情報ゲームと言われますが、随一の面白さだと思っています。

その言語化についてですが、ぜひ以下の記事を読んでみてください。
最近は構築記事を書いていませんでしたが、言語化が好きな自分が言語化をやめよう(言語化に依存しないようにしよう)と思ったのはこの記事を読んだことがきっかけになっています。

ざっくりとまとめると、「言語化は目的だよ」「複雑すぎて言語化しきれないこともあるよ」ということです。

本記事を占める以下の一文がとてもお気に入りです。

"言語化の目的は言語化をやめることだと言える。"


おわりに

いかがだったでしょうか。ここまで計14000字ぐらいでした。楽しんで読んで頂けていたら嬉しいです。

ぼくは窓を作ったり有料記事を書いてみたりと色々と新しいことをやろうとして波乱万丈な日々ですが、これからもやってみたい気持ちを大切にして頑張ります。

みなさんもこんな感じで挑戦しつつポケモンを楽しんでいきましょう。
第三回予選頑張ってください!本戦で会いましょう!

何か質問や感想などあればTwitterのDM(@tappvp)までお願いします!
最後まで読んで頂きありがとうございました~!



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