なくなって初めて気づく、大切なもの|Tapestory 交換日記 003
けいさん
お返事ありがとう!やっぱりお返事が来るのって嬉しいなぁ!
EメールでもSNSでもなんでも即答できる時代だけど、あえてそうしないだけで、どうしてこんなにドキドキするんだろう!
そういえばあの頃もこうやって、受験勉強そっちのけで交換日記書いてたよね。まぁ今も「受験勉強」を「仕事」に置き換えれば、そのままあてはまるわけなんだけども…。
見えないところで成長してる、というのは、本当にけいさんの言う通り。去年の春、職場も学校も閉まって、これで全員止まれだと思っていたけど、実際はそうじゃないんだよね。自分でも気づかない間に、土の中で根っこはいろんな方向に伸びているんだ。そういう意味では大人も子供も、うちの裏庭のしぶとい雑草も、みんな同じだね。
それにしても、この1年の賜物が何かなんて、またいいこと聞くねぇ。だってほら、失ったものなら湯水のように湧いてくるわけじゃない?その中で得たものって、考えるの難しい。
あえて言うなら、私は「日本とのつながり」だったかな。
実家の両親や地元の友達に会いに行けない、日本からの荷物も届かない、大好きなモンブランが食べられない(深刻)、という状況になって初めて、やっぱり自分は日本につながっていないと幸せにはなれないらしい、というのを再確認したの。特に去年までの数年は、日本と関わりのない仕事が続いていて、これからずっと、日本軸を離れたことをして食べていくのかな、と思っていたところだったから、この再確認は結構自分の中では大きかった。
でも、もっとずしーんときたのは、子どもたちの影響。
去年の半ばまではフルで働いていたから、学校が突如なくなった子どもたちは好きなように遊ばせてたのよ。そうしたらみるみるうちに、家庭内公用語が英語になっちゃって。それまでは1日のうちに、学校の先生や同級生と日本語で話す機会があったんだけど(うちの子たちは日本語で授業をする学校に通っている)、それがなくなったら一気に姉弟の会話が英語に変わっちゃったのね。
これが寂しかった!
将来、自分の子供とあんこは粒あんがいいか、こしあんがいいかを、英語で議論しないといけないのかと思ったら、突如寂しくなっちゃったのよ。アメリカで育っているんだし、日本語を話さなくなる時がいつか来るとは思っていたんだけど、実際来たら結構なショックを感じて。
それで、去年の後半からは子どもといる時間を増やしたり、日本関係の仕事を増やしたり、日米関係の活動に力を入れてみたりするようになったの。行けなくなって初めて、日本軸の大切さに気づいたんだ。
でもこれは同時に、私が子どもに費やす時間と彼らの日本化の度合いは、ほぼ完全な比例関係にあるってことでもあって、ひゃー、これ私相当責任重いわ、と焦ってもいる。
けいさんも、旦那さんが日本語ネイティブではないという点では我が家と同じよね。男女平等な役割分担とかじゃ片づけられない、自分にしかできない役割が家庭内にあることと、家庭の外にも仕事という名の役割があること、どういう風にバランスをとるのがいいんだろう。
お返事、楽しみにしてる!
ゆうこ
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