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父を探して という映画を見た。
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こんばんは。
先程、2013年ブラジル映画「父を探して」を見ました。
アレ・アブレウ監督さん
この映画、色んな賞を得ていて、アカデミー賞なんかもとってるんですよ。
色が綺麗でかわいいから、なんとなく流した映画でしたが、すごく泣いてしまった、、、
あらすじは
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親子三人、田舎で幸せな生活を送っていた少年とその両親。
しかし、父親は出稼ぎにでるため、ある日突然、列車に乗ってどこかに旅立ってしまった。
少年は、父親を見つけて、家に連れて帰ることを決意し旅に出る。
未知の世界で少年を待ち受けるのは、過酷な労働が強いられる農村や、きらびやかだが虚飾に満ちた暮らしがはびこり、独裁政権が戦争を画策する国際都市。それでも、少年は旅先で出会う様々な人々との交流と、かつて父親がフルートで奏でた楽しいメロディの記憶を頼りに、前へ前へと進んで行く…
※フィルマークス引用
です。
とにかく絵が綺麗でかわいい。
以下ネタバレ
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結局、男の子は探していたお父さんに作中で出会えることは無かった。
私の予想だが、家に連絡がどうしても出来ない状況になってしまったのだろうと思う。
もしくは、アニメは少年時代から旅立っている事になっているが、
本当は大人になってからお母さんに挨拶をしてから旅立っている。
その状況から、お父さんは病気か何かで家に帰ることができなかったのかもしれない。
もしくは蒸発したりだとか、、、
まぁそんな感じで、男の子は未来の自分を体験する。
というようなストーリーだ。
逆転して考えると、大人になった男の子が、常に少年時代の自分の事を忘れなかったという事だ。
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それと、おもしろい進め方だなと思ったのが、
少年時代→おそらく30代くらい→おそらく20代くらい
と、話が展開していくが、
クライマックス近くなると、
20代→30代
と変化し、少年だった頃の自分と故郷に帰ることになる。
家に帰るとお母さんはもうおらず、ずっと人が暮らしていないようなぼろぼろの家。
連絡が出来てなかったようなので、お母さんにもなにかあったのか、
ただどこか別の場所に引っ越したのか、、、
かなり悲しい瞬間でした。
男の子が、未来の自分と一緒に見てきた、
高度経済成長期の社会。
どれだけたくさん働いても貧困、
仕事を無くし、途方に暮れる老人、
ゴミ捨て場に暮らす、親のいない子供達。
大量生産、大量消費、
搾取され続ける人々、
更に戦争。
これってもう他人事じゃなくて、日本もです。
もっと言うと、他の国もです。
その様子を男の子の目を通して観ていきます。
何のために働くのか、
どうして働くのか、
考えます。
でもたどり着く答えはやはり「愛」です。
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結局は愛だ!
愛の為に働くのだ。
愛があるから美しい音楽も、綺麗な布も、おいしごはんも、作ろうと思えるでしょう。
幸いな事にそれは無くなることはありません。
最後に楽器を奏でて踊っていた子供達と、綺麗な畑の風景がそれを現わしていました。
その風景を見ていれば、あなたの優しい涙が溢れるでしょう。
主人公も、お父さんとお母さんにも、また会えるかもしれない。
いや、会ってほしい。
セリフもテロップも一切ありませんでしたが、心に残る一本でした。
忘れちゃいけない、愛だ。
終わり。