M-1がつまらなくなった(個人的感想)
■おめでとうございます
令和ロマン、優勝、そしてM-1連覇、おめでとうございます。前人未到の連覇を成し遂げられたことは本当に凄いですし、1組目でありながら完成度の高いネタをぶっこんできて優勝まで漕ぎ着けたこともまた偉大です🎉🎉🎉
■M-1はつまらなくなった
昨日はM-1グランプリでしたね。20周年と言うことで、もうそんなに長いことやってんるんだなーとしみじみ。で、これはあくまで個人的感想ですが、ここ2、3年はM-1を見なくなってしまいました。理由は「つまらない」から。昨日も最初の3組ほど見てTV消しました。
最初に言っておきますが、それぞれの芸人さんは、ここまで残って来られたこともあって本当に面白いと思います。実力派のコンビから、瞬発力のあるコンビまで様々。私は関西人で子供の頃から笑いの英才教育(笑)を受けてきましたが、今TVに出ている芸人さんたちを見ていると、お笑いの世界は不滅だなあ、なんて思います。次から次から時代のスターが出てきますもんね。
■なにが「つまらない」と感じるのか
ちょっと前までは毎年楽しみにしていたM-1。出演する芸人さんたちがそれこそ命がけでネタを繰り、そして挑んでくる。それを審査員の厳しい目で点数化されて、チャンピオンになる人たちは本当に突出したお笑いセンスの人ばかり。ネタもさることながら、チャンピオンが決まる一瞬までドラマがあった気がするんです。
自分が歳をとった
第一回目から20年経った訳ですから、そりゃ自分も歳食う訳で、「最近流行りの笑い」とギャップがあるのを感じる時も。何年か前にマジラブが優勝したとき、「これは漫才なの?」みたいな疑問があって、それ以降出てくるコンビの「単に大声で騒ぐだけの漫才」が面白いとは思えなくなってしまった。あと漫才グランプリなのにコントみたいなのってどうなの? って思ってしまう。年月と共に世間に受け入れられる「笑いの種類」は広がっているんだろうけど、多分自分的にはそれに付いていけてないんだと思う。
審査員の構成
今年の審査員の構成を見ると、以前よりも若い人たちばかりになってしまったと思う。M-1で優勝した経験があったり、他の漫才グランプリで優勝した経験があったり、すごい人たちばかりなんだけど、「師匠」と呼ばれるレベルの人がいない。あと、漫才師ばかりで他のジャンルの人がいない。
これはハッキリ言って「評価の多様性」が欠落している気がしていて、隣同士で気を使ってる感が半端ない。尖ってる評価をする人がいないんだよなー。M-1の審査員はあまりに尖った審査をするとネットで炎上することもしばしば。でも、そういう評価がないと、結局「誰が審査員やっても一緒」と言うことになってしまう。実際、ここ数年の点数って9人審査員がいるのに平坦な感じで、それも自分的にはつまらない一因かなと思ってる。
緊張感がない
もちろん出場している芸人さんたちは、ネタに命を掛けてやっているだろうとは思うけど、ファーストラウンド2組めのヤーレンズだっけ? あの人たちの評価の時に審査員とのやりとりでシラケる場面があり、緊張感のなさに萎えた。審査員の迫力がなくなったせいで出場者との間に緊張感がなくなり、なんか「審査も楽しく♪」みたいな感じに見えてしまう。審査をする側もされる側も馴れ合いでやってる感じがして緊張感がないんだよなー。なので見ていてもドラマチックじゃないと言うか、点数に信憑性がなくなっちゃう。
■限界を感じる
そう考えると、M-1と言うシステム自体の限界が来てるのかな、と言う気もする。いや、自分の限界が来てるのか? 多分自分が望んでいるのは「いつ見ても自分が面白いと感じる漫才」であって、「誰かが選んだ面白い漫才」ではないんだろう。今までは偶然その二つが一致していて、面白いと思えていた。
ネットで検索してみるとM-1に関しては賛否両論あって、「賛」の方は各芸人さんたちのネタを褒めてるものが多く、「否」の方はざっくりM-1自体がつまらないと書いてる人が多かった(たおたお調べ😅)。きっと漠然と私と同じことを感じてる人も多いんじゃないかな、と思ってる。TVでやってる様な「笑いのショーレース」は陳腐化してしまった印象があり、M-1にキングオブコント、R-1にThe W、The SECONDと、気がつけば数も増えた。中には見ていて不快なものや「やらせ感」がビンビン伝わってくるもの(個人的感想です)もあって、同じ様は手法で売れる芸人を量産するのは限界なのでは? と思ってる。
■笑いの本質
一方で、面白い芸人さんは毎年どんどん出てくる訳で、売出し方の賛否はあるものの「笑いの本質」みたいな部分は変わってなくて、彼らはTVには不可欠な存在だと思うし、純粋なネタ番組でその実力を垣間見るのは本当に笑えるし気持ちいい。古くは江戸時代? から落語と言う大衆向けの笑いのシステムがあり、そして漫才や関西で言うところの新喜劇が生まれた訳だけど、話術を用いて日常を斬新な切り口で笑いに変える才能は、これからもどんどん出てきて欲しいと願ってる。
ただその才能の売り出し方、世に出し方のシステムは既に限界が来ている様な気がしていて、ちょっと昔はNHKの爆笑オンエアバトルであるとか、毎週やってるネタ番組も結構あったのに今はなくなってしまった。時代に合わせて番組やコンテストのあり方が変わっているとすれば、多くのお笑い新世代が台頭してきている現在、古臭いTVのシステムは脱却して、ネット主題、もしくは連動型であるとか、今の時代だからこそ劇場が発信の主体になるとか……笑いの本質は残しつつも、何か新しい「笑いの発信手法」に切り替わっていくべき端境期なのかもしれない。