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20歳の夏休み全部使って日本一周してみた(23:熊本〜大分)

第23日目

余計な交通費はかけたくない思いから歩いて30分くらいであれば路面電車やバスに乗らず歩く癖がついてしまいました。おかげで毎晩足が棒になりますが、すぐ寝付けるのでいいとしましょう。快活クラブに着いたら毎回まず野菜ジュースをがぶ飲みして部屋に入ります。本日は阿蘇観光をして、大分まで九州を横断します。北海道の石勝線の時と同様、青春18きっぷの旅では鬼門となる豊肥本線や日豊本線の大分以南の旅となりますので、タイムスケジュールにはシビアにならないといけません。

まずは熊本から阿蘇駅を目指します。豊肥本線の接続の関係で熊本駅を7時半くらいに出発しても早いくらいなので、割とゆっくりとした朝になりました。今朝も路面電車代をけちって駅まで30分ほど歩きます。熊本城はこの前見たから今回はいいですね。熊本駅の周辺は、すでに工事が終わり綺麗なバスロータリーが整備されています。前回来た時は工事中だったので、駅前広場がこんなに広くなったことには驚きました。あと熊本の夏休みは終わったのですかね。朝の通学の高校生の姿がやけに目立ちます。

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この熊本駅から乗る豊肥本線は実はつい数日前、僕が鳥取などの山陰にいる時は豪雨災害で運転を見合わせていた区間でありました。いざ乗ってみると、この路線が運休していた理由が納得できます。乗り換えの肥後大津までは割と市街地を走る普通の通勤列車という様相でしたが、肥後大津からは先は崖の斜面をゆく山岳鉄道のように一変します。阿蘇の山々の谷間を縫って広がる農村の様子をまるで空を飛んでいる鳥の目線から俯瞰することができる車窓になっていました。おそらく写真の橋は熊本地震で崩れた橋を再建してできた完成間もない新阿蘇大橋という橋でしょう。

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眠りについてふと目が覚めたところが、ちょうど目的の阿蘇駅でした。どうやら僕は目的の駅に着いたら自動的に目が覚める体の構造をしている運がいい人のようです。運がいいのか危ないのかよくわかりませんが。ただでさえ本数が少ない豊肥本線で寝過ごしたりすると悲惨なことになりますので、ちゃんと阿蘇駅で降ります。

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ここに訪れて初めて知ったのですが、阿蘇駅周辺、阿蘇山観光は観光開発がかなり充実に行われていました。行く前からバスの時刻表を調べて、これに乗ってこれを見に行こうくらいは決めていたのですが、駅横のバス案内所も駅前の道の駅もどの看板にも日本語、英語、中国語、韓国語まで書いてあって外国人観光客にも人気の場所であることがわかります。また、元々の予定では阿蘇山の中腹にある「草千里ヶ浜」というところを見て帰ることにしていたのですが、思いのほかバスも走っていますし、1日乗車券を買って、阿蘇山の山頂まで行こうということになったのです。

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ということでバスに乗って、まずはその「草千里」と言われているところへ行きます。豊肥本線の阿蘇駅は、すでにカルデラの中に位置しており、外輪山を超えています。このバスは外輪山に囲まれた平坦な場所を移動して、本物の阿蘇山を登っていくバスなのです。このバスの他にも、周辺の内牧温泉、杖立温泉、黒川温泉など、阿蘇周辺で豊富に湧く各温泉の名所までを結ぶバス路線も充実しており、本当によく観光開発されていると思います。外輪山の中のさらに山奥なので、てっきり何もないかと思っていました。調べただけではわからない発見です。

草千里阿蘇火山博物館前というバス停でおります。バス内にかかっていた英語のアナウンスの「ボルケーノミュージアム」という言葉の響きがかっこよかっです。草千里とは何かというと僕も詳しくはよくわかりませんが、とりあえず阿蘇山の中に草原があって馬がいるところです(語彙力)。

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馬に乗るためには1500円課金しなければならないので、馬が歩いている道を徒歩で歩きます。ところどころに馬のフンが置かれてあり臭いますが、阿蘇の五岳に取り囲まれる気持ちになれますよ。今書いた通り、阿蘇山は5つの山からなっており、高岳、中岳、杵島岳、烏帽子岳、根子岳の5つがあり、現在火山活動を続けているのは中岳の1つのみです。たしかに一つだけ、やけにもくもく噴煙を上げている山があります。それが中岳です。道の駅で買ってきた馬玉おにぎりと呼ばれる、そこの道の駅限定のおにぎりを食べます。

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その中岳の火口まで、なんと公共交通機関だけで行くことができます。火山活動中の火山の火口までバスで行けるなんてこの国の公共交通機関はどうにかしてます。熊本から阿蘇駅へ、そこからバスを1回乗り換えるだけで火口に行けます。しかも阿蘇駅から料金は650+500円で行けます。今回は山上ターミナルから歩いて30分くらいの火口まで歩くことにしました。サンダルで来ていたのですが、遊歩道が整備されているので、そこまで苦労しませんでした。

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ここらへん一帯は常に火山ガスが微量でも生じており、常に注意喚起を促すアナウンスがかけられています。たしかに微かに箱根などの温泉地でも香ってくる硫黄の香りがします。草千里の他に砂千里という真っ黒な砂が一面に広がっている場所もありました。地球上にいることをうっかり忘れてしまうような光景が続いています。

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一通り阿蘇の火口を堪能したら再びバス停まで30分降ります。歩いている途中、今もし噴火したら噴石で即死だなとか考えて歩いていました。そもそも歩くことがあまり考慮されていないので、遊歩道にはシェルターが少ないのです。図らずとも歩くペースが早まります。

今日は阿蘇観光だけでここから先は全て移動になります。バスに乗って阿蘇駅に戻り、豊肥本線に乗って宮地、豊後竹田と乗り換えて大分まで行きます。豊後竹田駅のすぐ裏手には、結構高い落差の滝があります。この滝の存在は知りませんでしたが、滝廉太郎の作曲した荒城の月のモチーフとなった岡城というのが、この駅の近くにあることは知っていました。駅の発車メロディーも荒城の月が流れていましたよ。城下町としての街並みが垣間見えます。駅から少し歩いたデイリーヤマザキ的なコンビニで399円の幕の内弁当が半額で売られていたので、夕食としました。

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夕暮れ時の豊肥本線の車窓も美しかったり、僕が去った後に阿蘇山頂の天気が崩れたりと、今日はいい天気に恵まれた1日でした。

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大分駅も人生で初めてくるのですが、思ったよりも大都会。というか駅舎が綺麗なのと、駅前のバスロータリーが近未来的で圧倒されました。駅舎の9階の屋上庭園からロータリーを俯瞰しようと登ったのですが、屋上庭園にミニトレインのレールが敷かれ、展望台も洒落ていて大分駅が一瞬で好きになりました。

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今日中に大分から先、さらに日豊本線で南下し、佐伯という駅まで行っていく必要があるのには理由があります。先ほども書いた通り、日豊本線の大分以南、幸崎、臼杵、佐伯、延岡と宮崎まで続きますが、この区間はほとんど特急しか走っていないのです。青春18きっぷでこの区間を通過しようと、乗り換え検索アプリで大分から宮崎まで普通列車のみで検索をかけてみてください。おそらくこのような検索結果になります。

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この画面になった後、「一本後にする」というボタンをいくら押しても、この検索結果以外出てきません。つまり、普通列車で大分から宮崎まで行くとなると、ただ一つこの乗り換えの仕方しか存在しないということです。恐るべきことです。大分の快活に泊まって、次の日の朝特急にちりんで宮崎へ行く方法も考えたのですが、佐伯駅の近くに安いビジネスホテルを見つけれたので、無事(?)青春18きっぷを使って行くことができました。

ということで前日のうちに佐伯にたどり着きます。大分県は前の旅行で散々別府観光したので、高崎山公園とかに行って猿と戯れようかとも考えたのですが、また今度にします。大分から1時間半、列車に揺られて佐伯駅に到着しました。明日はここからスタートです。明日は宮崎観光なのですが、宮崎県もまだ人生で一度も訪れたことがない県なので、どんな南国情緒を感じられるか楽しみです。

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