見出し画像

20歳の夏休み全部使って日本一周してみた(18:松本〜金沢)

第18日目

深夜の1時に松本バスターミナルについて「お客さまー」と起こされたところから1日が始まります。23時から2時間ほど睡眠をとりました。大月あたりから記憶が途絶えています。26時までチェックインできる駅近のカプセルホテルを予約しているので、ホテルに入ってシャワーを浴びて、再び眠りにつきました。

次の日は、高校の友達が長野にいますので、松本に朝7時に集合する約束をして、しっかり寝坊しました。元々、奈良井宿に行きたかったのですが、土砂災害のせいで中央線が止まっているので、諦めて篠ノ井線に乗って遊ぶことにしました。

画像1

そもそも、なぜ東京にいる滞在時間を極端に少なくしているかというと、国内でもトップクラスに運行本数の多い円滑な移動を実現している首都圏の喧騒にどっぷり浸かりすぎずに通過する方が、「家に帰ってきた」という感覚を感じずに旅を継続できるからです。それと首都圏だからこそ運行している離発着の多い夜行バスや真夜中に出る夜行フェリーなど、東京でしか体験できない交通機関を体験するという目的もあります。

篠ノ井線で南下し、まず下車する駅は塩尻です。この駅には日本で1番狭い駅そば屋があります。店の名前は「桔梗」です。友達は夏季限定で販売している冷やしそばを食べており、僕もそれを食べようと思ったのですが、せっかく長野に来たので、野沢菜やわさびの載ったうどんを食べることにしました。

画像2

画像3

画像4

朝ごはんにうどんを食べたら、次は上諏訪駅に向かいます。この駅にはホームの横に足湯が併設されていることで有名です。特徴的な駅が連続する面白い路線があるということを長野県に来た時は覚えておいてください。

上諏訪駅の何番線か忘れましたが、写真のようにホーム上に唐突に足湯が登場します。上諏訪温泉が近いことから、「駅のホームに足湯を作っちゃえ」という発想は、他にアイデア勝負で勝てるものがないと思います。

画像5

先ほどから、ここらへんの天気はコロコロ変わります。雨がざーっと降ってると思ったら、数分後に止んでおり、またぽつぽつときたかと思えば、空には青空が広がっている。篠ノ井線に乗っていても、諏訪湖のほとりから虹が架かっているのが見えますし、天気予報は全く当てになりません。これから立山黒部アルペンルートを抜けるのですが、ライブカメラで見る黒部ダムの写りも時々刻々と光のあたり方が変化しています。松本から大糸線に乗り換えて、信濃大町駅で下車します。篠ノ井線の中で、おやきと安曇野わさびおにぎりを食べたのが美味しかったです。おやきは全国展開していい美味しさだと思います。

画像6

ほんの数分到着が遅れただけで、接続の割と良さげだった扇沢までのバスへの乗り換えがかつかつになってしまいましたが、乗客は僕たちだけだったので、運転手もゆっくりと運転席につきバスを運転してくれました。

ここからはいわゆる「立山黒部アルペンルート」というのを乗り通して、長野県から富山県へ向かいます。北アルプスを超えていくわけですが、全て公共交通機関のみで移動することとなるこの区間には、日本でも珍しい様々な乗り物に乗り継いで乗り継いで、いくことになります。信濃大町から扇沢というところまでは、アルピコ交通のバスが走っています。30分ほどバスに揺られ、辿り着いた扇沢からは、本格的にアルペンルートが始まります。

画像7

扇沢から電鉄富山駅までの公共交通機関はほぼ一本道です。なので扇沢駅では電鉄富山駅までの通しで買えるチケットが販売されています。扇沢から関電トロリーバスで黒部ダム、黒部湖から黒部ケーブルカーで黒部平、黒部平からロープウェイで大観峰、大観峰から室堂まで立山トロリーバス、室堂から美女平まで高原バス、美女平から立山駅まで立山ケーブルカー、立山駅から電鉄富山線で電鉄富山駅まで行けるこの切符を全て1枚に統合して10520円で販売しているのです。

画像8

トロリーバスなんてのは日本中探しても、ここしか走ってないですし、ケーブルカーを次々に乗り継ぐ体験もこの立山黒部アルペンルートでしか味わえないので、本当に充実した1日でした。乗り場に着くたび、新鮮な乗り物に目を光らせていました。バスに乗っているのに、音は電車のモーター音がします。パンタグラフが付いていて天井から電気を供給されている風にしといてレールはないなど、いろいろ頭がバグる要素が詰め込まれています。

画像9

天気に関しては本当に読めず、たまに青空が見えたと思ったら、次の瞬間、雨がぽつぽつと降り出し、視界が一気に不明瞭になります。ちょうど黒部ダムの頂端を歩いているときに太陽光が差し込み、観光放水している水飛沫に綺麗な虹が映し出された時は興奮しましたし、とても運がいいなと思いました。

画像10

この場所に来て改めて僕は巨大人工物マニアなのだなあと自覚しました。このダムの建設の様子を映像に残して放映しているビデオがあったのですが、面白くて面白くて仕方なかったです。大学の授業でコンクリートの打設やトンネル工事の話などを聞いていたために、当時建設に携わった建設会社の社長のインタビューも含め、このビッグプロジェクトに取り組んだ人間たちの生き様やこの工事の難しさというものを人一倍多く吸収できたと思います。人間というのは凄い生き物です。

帰り、室堂から先は高原バスが高原の中を走って山を下るのですが、そのバスの車窓も素晴らしかったです。標高が2400m以上の場所なので、基本的に雲の上なのですが、沈みかけの夕日がもくもくの雲と重なって、まるで飛行機に乗っているかのような景色をずっと見ることができます。

画像11

そんなこんなで富山県にたどり着き、あいの風富山鉄道で金沢に到着したのが20時過ぎ。そこで今日1日一緒に行動してくれた高校の友達とは別れて、次は金沢に住んでいる高校の友達の家に泊めてもらいに行きます。いろんな人に助けてもらってばかりの日本一周ですが、こういうのが旅の醍醐味でもあるので、楽しくやっています。明日は山陰に進んでいきます。

いいなと思ったら応援しよう!