月に逢いに。
ふ。と目が覚めた。
たぶん夜中の2時ころだったとおもう。
その日は先週から雨が降り続いていた。
わたしの手に一筋の光。
破れた障子から差している光だった。
「なんだろう…あ、もしかして!」
わたしは飛び起きて窓を全開にした。
雨はじっとりと止んでいた。
川の流れがごうごうと聞こえてくる。
波のように移り変わる黒い雲。
その隙間から、
生まれたてのような月がこちらをみていた。
「あぁ、逢いにきてくれたんだ。」
その月は微笑んで言った。
「そのままいきなさい。」
数分後、また雲に隠れてしまった。
わたしを起こしてくれたのだ。
そのメッセージを届けるために。
いまのままでいい。
進む道は順調だ。
大いなる魂から前兆がやってきた。
感じているままに、やれることをやる。
10時間眠れたのは、夢をみさせるためだった。