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ハロー、君と僕の中の、ストレンジャー #木曜日ノ木之瀬

星野源が好きだ。

出逢いは源ちゃんの率いたインストバンド・SAKEROCKから。
バナナマンのライブDVD 『Spicy Flower』にて、SAKEROCK「会社員」の原曲たる「行けバナナ」を聴いた。(SAKEROCKの曲もこのバナナマンの公演も神っていて語りたい気持ちマックスだが長くなるため割愛。両者ともまたいずれ、書く)

↑SAKEROCK。

私がその『Spicy Flower』を観たのが2009年(バナナマンのDVD-BOX『花鳥風月』に収録されていたもの)。その後SAKEROCKにハマり過去作を聴き漁って夢中になっていると、どうやらリーダー・星野源とかいうやつがソロアルバムをリリースするという。それが2010年6月。その頃私は、オープンキャンパスに行くため単身京都に乗り込んだりしていた。そのときに『ばかのうた』はよく聴いていた。

大名曲「くせのうた」はもちろん、あと「グー」とか「茶碗」のじじいシリーズ、「老夫婦」「穴を掘る」はSAKEROCKから入ってるので、歌詞があるとこんな感じなのか、と気に入ってはいたものの、全体的にはなんか暗くてよくわかんね、という印象だった。
同年、SAKEROCKの文字通り黄金(見た目が)の名盤『MUDA』が出て、個人的にはそちらのインパクトのほうが強かったし、よく聴いてた。

翌2011年、シングル『くだらないの中に』が出たとき、えっ?となった。シングル出すの?本格的にソロやってく感じ?? あくまでお試し・お遊びソロワークと思っていた私は懐疑的な目線で居た。 続くアルバム『エピソード』も、リリースから若干遅れて聴いた。く、暗っ。1stに輪をかけて暗いじゃん!

源ちゃん第一の覚醒ターンたる『夢の外へ』。CM曲ということもあり、あー行っちゃったなあ、とうっとうしい古参ファン全開で流れを眺めていた。『フィルム』も映画主題歌。ふーん。
なんつって構えていたものの、『夢の外へ』は突然聴き出すことになる。偶然近くにいた源ファンに勧められ、聴いてみたら『エピソード』期までが嘘のような明るさ。こりゃあとても好き。再びハマりだす。
同年のシングル『知らない』のカップリング「ダンサー」がまたまたバナナマンの公演曲で、これも気に入る。

からの、翌2013年の3rdアルバム『Stranger』である。前述『知らない』の直後にくも膜下出血で倒れたニュースから、復活した星野源の底力を感じるパワー。倒れる直前に歌入れしたという「化物」など、命を唄うことにこれほど具体的に迫ったアルバムは無い。(まじめレビュー)

で、私はこのさらに翌年に「ハロー、輝く、ストレンジャー」という演劇作品をつくっているんだが、アルバム『Stranger』の最後に収められた隠しトラック「Stranger」に知らずに影響されていたのか、“じぶんのなかのあたらしいだれか”と出逢うというテーマを持った作品だった。
今回のタイトルも、その曲の歌詞。好きすぎて、歌詞カードをコピーして、手帳の中表紙に貼ってたほどだ。

↑歌は日本語だが、歌詞カード上は英語。

(余談だが、以前少し書いた『Stranger』のすぐ後に出たアルバム未収録シングルの「ギャグ」。亀田誠治プロデュースで長岡亮介ギターで、アウトロの感じで完全に「透明人間」を思い出したのは私だけじゃないはず)

……で、しばらく空く。

こっから俳優・星野源が多忙を極めていくが、私は音楽のみを追っていて俳優活動のほうはぜんぜんだった。ポスターとかでよく見るようになって、へぇ……くらい。同じ頃、SAKEROCKメンバーのハマケンこと浜野謙太、伊藤大地ともそれぞれの方面で忙しくなってきていて、SAKEROCKのネクストアクションを期待しながら内心雲行きは怪しいなと感じていた。
そして2015年、SAKEROCK解散。
(このSAKEROCK解散時にまつわる諸々もあったが割愛。てか書いてみたがやっぱ長かった)

数奇なもんで、その後に出た『SUN』で爆発するんだよね。しかもいま改めて調べたら、『SUN』が出たのSAKEROCKの解散ライブの6日前とか。
ちょっとずれるが、星野源はじめSAKEROCKのアートワーク全編を担当していた大原大次郎さんも好きで、この『SUN』が大原さんとの最後の仕事で、ちょっとさみしかった。

で、もはや説明不要の『YELLOW DANCER』が2015年12月。てかぶっちゃけ「SUN」もアルバム出てからちゃんと聴いたにわかでした。すいません。
白眉は「時よ」ですよ。これどっかで言われてんのかもしれんけど、「時よ止まれ」なんだよね、ポップスで歌われるのって、普通。それか「時よ戻れ」。それが、「動き出せ 針を回せ」って言うのが凄い。完全にオープンマインド。で、インタビュー読むと
音楽を聴くのすら嫌で夜なにもないまま道を歩いてて、やっぱり音楽を聴きたくなってプレイヤーをシャッフル再生にしたらブラックミュージックが流れて、世界が色づいた(超要約)
って言ってて、これまでの暗さありきでオープンしてるんだ、というところにとても感銘を受ける。説得力。

↑MVかわいいよね。

『恋』も、まあシングルは様子見かな、なんて思ってたが、ほんとにたまたま偶然ラジオでリリース前に流れたのを聴いて、イントロで「これは買わなあかんやつ」となった。で、数週間後に世界を席巻したのだから未来はわからない。

『POP VIRUS』も、ちょうど出演していた公演時期ですっかりスルーしかけていたが、タワレコで試聴機で再生し歌の1番が終わるまでに「あ、これは買わなあかんやつ」と思っていた。

↑STUTSくん(真ん中)の功績。

ちなみに『アイデア』もリリース時にMV観て「アイデア考」をばっとメモったけど、既に書く体力が無くなったのでタイミングとやる気があれば改めます。もう勘弁してください。長すぎた。

↑走り抜けていって終わるMV。


こうして書いてみると、必ずしもずっと好き好きだったわけじゃないのか、とわかる。むしろ腐れ縁のような。

曲でいえば、やっぱ先に書いた「Stranger」、あるいは「Friend Ship」もしくは「Continues」、ないし「デイジーお味噌汁」かな。「さようならのうみ」もいい。
アルバムとしても、『Stranger』かもしれん。その後「地獄でなぜ悪い」「Crazy Crazy」くらいまで続く流れとして、「作りものやニセモノであることの肯定」を歌ってるのよね、通底して。“映画を撮る映画”『キツツキと雨』の主題歌「フィルム」もそうだし。それは翻って、源ちゃん自身がそこを肯定したいモードだったと察するが……細かく言うとまたキリがあれだもんで……はい……

↑ジャケも好きなんだ。


#星野源 #SAKEROCK #Stranger #POPVIRUS

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