YELLOW DANCER #木曜日ノ木之瀬
黄色が好きだ。
先日書いた“卵好きがゆえの黄色好き”説に俄然信憑性(じぶんの話に信憑性もクソもあるか)が出てきたが、はっきりと「黄色好き」を自覚した、もとい「黄色が好きになった」きっかけがある。
幼き頃のおれが挙げていた「好きな色」は、大抵「漫画の主人公の色」だった。
おもには『ONE PIECE』のルフィっぽい「赤」と、『うえきの法則』の植木耕助っぽい「緑」とか。
典型的な主人公シンドロームだったので、イメージカラーを以て主人公に近づく作戦だったのかもしれない。
時は2013年3月。
KUNIO08『椅子FINAL』という演劇公演を観た。
イヨネスコという劇作家が書いた不条理劇を、大学の遠い先輩でもある杉原邦生さんが演出した舞台。舞台に無人の椅子がぞくぞくと並べられていくという不条理劇が、邦生さんの演出によってトンデモ祝祭演劇になっていた。(要約)
奇しくもおれはその公演をちょうど20歳の誕生日に観たため、ぼろぼろに感動してしまった。
で、その公演のイメージカラーが「黄色」だったんである。
いや、思い返すだに、別にイメージカラーが黄色だったわけでもない。劇中に登場した演出家役の杉原邦生(本人)は金髪ではあったがそれくらいで、黄色いアイテムが登場するわけでも黄色の衣裳があったわけでもない。
とにかく、おれがその公演から受け取った色の印象が「黄色」だった、それだけだ。
が、体験というのは何事にも代え難いもので、その後のおれの脳にもこびりついて、結果ずっと黄色好きである。
以来、なにかと黄色のものに目がない。
黄色のアウターが4,5枚ある。
あと今日、いま流行りのサコッシュを買ったがそれもまんまと黄色である。
弁当箱も黄色で、布団のシーツも自転車も黄色。
が、不思議なもので、周囲におれのイメージカラーを尋ねると、必ずしも「黄色」とは返ってこない。というか黄色と言われたことがほとんどない。
それこそ、赤とか緑とか言われる。
好きな色って、自分に無いから欲しくなる色なのかもねえ。ポエム。
そんなタイトルな星野源(ろんもち好き)だけども、黄色のジャケットといえば「恋」ではなく「ギャグ」です。