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ししししし! #木曜日ノ木之瀬

『ONE PIECE』が好きだ。

小学3年のとき友達の影響で漫画を描き始め、その友達の漫画を模倣した次の段階として、『ONE PIECE』の模倣があった。
模倣っていうか、……表現模写?
純粋な模写ではなく、当時やっていた「空島編」での戦いを、じぶんで勝手に描き変えるというものだった。原作と同じ敵、同じフィールドを使って、じぶんの思ったように描く、みたいな……。
これ、今更だが、なんだったんだ?なんかじぶんの表現に関しての重大な問題が秘められている気がする。

↑おもにこいつとの戦闘シーンをアレンジしていた。なぜか。

さておき。
そうやって漫画を描く前から、単行本でずっと読んでいた。出逢いはたぶん、アニメを先に知ったから、1999年か2000年あたり……だろう。だが、ほんとうにいちばん最初に出逢ったのは、尾田栄一郎短編集『WANTED!』だった。おれが人生で最も初めに読んだ漫画が、この『WANTED!』か、『名探偵コナン』の21巻だった。
両方とも、おそらく父親が購入していたもので、たまたまその2冊だけが本棚にあったのだ。(ここでググッてみる。なんとこの二冊、刊行日が1998年10月と11月でめちゃ近い。てことは、おれが読んだのもその辺りの時期だ)

↑改めて尾田っちは、「漫画」が上手なのだなと感じる。

で、先日ちろっと書いた「主人公シンドローム」をこじらせたのもワンピースが原因であろう。
小学3年時分、友達とのワンピースごっこでルフィ役を独占していた記憶がある。軽くいじめられていたのもそのせいかもしれない。だが当時はまだ自我が芽生えておらず、おそらく記憶も一週間程度でリセットされていた、と思うくらいに刹那的な生き方しかしていなかったので、まったく問題視していなかった。
ある意味主人公補正のかかったピーハツな視野だったのだ。

↑有名な主人公補正。

そんなおれは、空島編途中の30巻で唐突に読むのをやめる。色んなワンピース好きと出会ったが、空島編でのリタイア者はわりと多い気がする。まあ理由は色々だろうが、おれの場合は、30巻(2003年)のとき小学5年で、ちょうど音楽を聴き始めたタイミングだったゆえ、そちらに興味が移っていったのだろう。

そこから時間はめちゃくちゃ飛ぶ。2016年10月の話だ。
「バスターコール」とか「スリラーバーク」とか「2年後」とか聞こえてはいたものの、ほとんど触れることのなかった13年というワンピース的空白の時間。多分に漏れず「なんか途中でやめちゃったし、今さら復帰するのもな……」なんて気持ちをすっ飛ばして、突然「頂上戦争編」の、まさにエースが死ぬところを読みたくなったのだ。
それは私生活でのある出来事がきっかけでここに書くのは憚られるのだが、とにかく「家族」や「じぶんという命の存在」について考えるタイミングがあった。そのときに、概要だけ知っていた“エース死す”のシーンをちゃんと読んでみよう、となった。
そして、59巻と60巻のみを購入する。
生まれてからずっと「おれは生まれてきてよかったのかな」と思っていたエースが、初めてできた弟分のルフィの腕の中で、そしてじぶんを家族と認めてくれた同胞たちが周りで戦う最中で、命果てる間際の「愛してくれて、ありがとう」にアホほど感情移入してしまい、ボロ泣きした。

↑そして昨年大ブーム(一部ネット界隈で)になってしまった「大敗北時代」。

長く燻っていたワンピース熱が再燃し、それは止まらなくなった。
七並べがごとく、59巻に辿り着くまでの前の巻を遡るような順番で読んでゆき、60巻より先は現行のエピソード(当時はWCI編突入直後だった)に追いつこうとまた順番に読んでいった。
もう、そこかしこアツくて大変だ。
やたらとワンピースに例えて喋る、みたいな癖もついてしまった。

考察マニアではないので、それと純粋に展開を楽しみたいのもあってそういった情報は意図的に避けている。が、物語として「父と子」というテーマが大きくあるというのが、この歳になったグッとくる要素の大部分を占めている(うちはシングルマザーなので)。

↑父と子にもいろいろある。

好きなキャラクター。
男性は…………あー、やばい。どうしよう。やっぱワンピースって全員いいよね、みたいなつまらん話になってしまう。当然ルフィ、それはそうなんだけど、……レイリーだな。やっぱあの、枯れて尚強い、って最強だよ。魅力として。
女性だと断固、ニコ・オルビア。これは変わらん。エピソードとしてもエニエス・ロビー編がいちばん好きなんだけど、その大部分はロビンの回想が理由だし、その回想が重要なのはオルビアがいるからで、だとしたらオルビアが好きなのは必然っすよね?子を産んでる大人の魅力と、子を守るための強さ、もう死ぬっていう儚さ……最強だよ。魅力として。あと顔が好き。
男性でも女性でもないなら、ボンちゃん一択。これは満場一致でしょう。インペルダウン脱獄のくだりはアツすぎる。

↑じぶんも親になったらこれを言いたい。

好きなシーンは、ウソップの「ごめーん!」かなあ。結局ロビン奪還編の中になっちゃう。ゾロが一味としての筋を通す、って主張する辺りからかなりグッとは来てるんだけど、ちゃんと謝るって大事だよねえ、ほんと。
あ、ゾウ編の、錦えもんたちを目の前にしたネコマムシたちが「雷ぞう殿は、ご無事です」って告げるところもかな。これは一味と同じ気持ちになれる。ウソだろ!?と。生まれた国が滅ぶ危機を選んでまで、人を信じられるのかと!人が人を想う気持ちに上限はない。最高。

↑謝ってほんとよかったよ、ウソップ。

定番のやつで、「どの実を食べたいか」。
かっこよさではメラメラの実。エースがかっこいいから、ってだけだよね。あと自然系強そうだし。
でもリアルに考えると、おれはコブコブの実。革命軍東軍軍隊長ベロ・ベティの持つ“鼓舞=旗の一振りが人々の内なる力を呼び起こす”って、現実にあったらかなり良くない?おれも人の内なる力を呼び起こしたいよ。

↑言葉のチョイスはドS。


っていろいろ書いて気づいたが、おれにとってワンピースは、人生の暗部と常にセットなんだな。つまり、それほどガチめにワンピースに救われてるという。うつの一歩手前みたいなときに、ジンベエに「失ったものばかり数えるな!」って言われて、やっぱ泣いたしね。

↑名シーン。

しんみりしちゃうので、歌の話でおわる。
映画主題歌だと、Mr.Children「fanfare」。
テレビ版だと「Believe」と「memories」だな。褪せぬ名曲。


#ONEPIECE #ワンピース #クソコラ

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