セロジャン・プロジェクト
15年くらい前、川内村時代に思いついた「セロジャン・プロジェクト」(チェロとジャンベのアンサンブル実験)は、考えただけで実行に移せなかった。
新作がなかなかできない古希のジジイになった今は、出来の善し悪しや意義をあまり深く考えないで、とにかく音を残そうという気持ちでやってみた。
1週間後、なんかゴチャゴチャしていると思い、セカンド・チェロとパーカッションを抜いて、チェロ一本と生録のジャンベ1個だけにしてみた。
チェロは音色そのものが魅力的で、生で聴けば、何を弾いてもある程度は感動する楽器。しかし、それ故に、楽曲としてどう組み立てるかが難しい。
素晴らしいメロディであれば、チェロでなくても感動する。チェロを使うことでごまかしている、ともいえる。それは情けない。
しかも、あたしが演奏しているのはチェロではなくてEWI。最初からインチキなわけで……。
今回、セロジャン・プロジェクトを再開してみようと思ったのは、SWAMという音源の弦楽器シリーズがバージョンアップしたから。
前にもこの日記にUPしたけれど、ダウンロードしてすぐにテストしてみたときのやつがこれ↓
インストは難しい。
パリ五輪開会式で、ヨハネ黙示録第6章に出てくる「青白い馬」のことを知り、そういえば樋口康雄師匠のデビューアルバム『ABC/PICOファースト』に「悲しみは青い馬に乗って」という曲が入っていたなあ。レコードは持っているけれど、デジタルコピーしたものはないので、YouTubeにUPされていないかと探したら、なかった。
その代わりに、思わぬものを見つけた↓
樋口師匠の事務所(MCAミュージック)で、樋口康雄作品集デモというオープンリールテープをコピーさせてもらったことがある。1977年頃だろうか。そこにこの曲も入っていたので、今でも聴ける。SDカードに入れてあって、カーステレオで流れてきたりする。
しかしこの『さらばかぐわしき日々』というドラマはまったく見たことがなかったので、映像付きでYouTubeにUPされていたのは驚いた。第1回の冒頭でフルバージョンがナレーションなしで流れたのだね。今ではまずありえないこと。あの頃のテレビ音楽は人類史上最高だった。これから先も、テレビで流れてくる音楽があの時代のレベルを超えることはないだろうなあ。
……と、懐かしむと同時に、やはり自分は樋口康雄師匠のように、インストで人を感動させることは無理なのか、と落ち込む。
歌詞があって、それにメロディをつけるという歌作りがいちばん向いているとは思う。それも、自分で書く歌詞では思いきったことができない。人が書いた歌詞のほうが気楽にメロディをつけられて、結果として名曲が生まれたりする。
「新唱歌」シリーズなんて、100年残ってもいいと思うんだけどねえ。
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