見出し画像

オンデマンド配信時代のテレビライフ

地上波テレビ放送に縛られた生活をやめよう

日本ほど「地上波」でテレビを見ている国は珍しいでしょう。もはやテレビは衛星放送やオンデマンド視聴があたりまえ。従来のテレビ生活に縛られたままコロナ時代を過ごすのは大変な損です。

もはや地上波放送は昭和の遺物

おうち生活、巣ごもり、ステイホーム……なんでもいいですが、コロナ時代になってますます家にいる時間が増えた人は多いと思います。
家で最も簡単に娯楽を楽しむ方法はテレビを見ることでしょう。しかし、テレビライフはもはや劇的に変化しています。

画像1

↑これは我が家のテレビのリモコンです。
テレビのリモコンに最初からNetflixやhulu、YouTube、AbemaTV(現在はAbema)、U-NEXT、dTVといったインターネットテレビ放送のボタンがついています。
テレビがネットに接続されていれば、YouTubeとAbemaは無料で見られますし、他のチャンネルも契約すればもちろん見られます。
テレビの電源がOFFになっていても、リモコンのNetflixのボタンを押せば、テレビの電源が入り、Netflixに接続して、前回見ていた途中からサクッと再生を始めてくれます。いちいち番組を探し出す必要もありません。
接続はWi-Fiで行えるので、家庭内Wi-Fiがある家なら、いちいちLANケーブルを接続する必要もありません。
電波を受信するのと違ってネット経由なので、荒天で映像が乱れるようなこともありません。

……もう、テレビはこれでいいではないですか。いや、こうあるべきです。
なぜわざわざ地上波放送をつけっぱなしにして、大量に垂れ流されるCMを見なければいけないのでしょう。
見たいものは視聴者が自由に選ぶ。よいと思うものには金を出す。くだらないものを押しつけられる義理はありません。

テレビ=地上波放送という詐欺的呪縛

テレビ放送がアナログからデジタルに切り替わったとき、私は「テレビ放送を地上波でやる必要はない。衛星放送やケーブルテレビ網でやれば、全国どこでも同じ番組を同時に見られる。受像器やアンテナを総入れ替えする大変革を強行するのに、地上波での放送に固執するのは、電波利権を死守しようという総務省とテレビ局の悪行に他ならず、国民は大変な損害を被る」という主張をしました。詳しくは⇒こちら
テレビ放送をアナログからデジタルに切り替えるという大変革のとき、国と放送会社は結託して、国民に、まるで地上波でなければテレビを見られないかのような呪縛をかけ、巨額の税金を投入し、テレビ放送事業者の利権を守りました。
衛星放送をメインにすれば、全国に新たな送信アンテナを建てる必要はなく、送信側(放送事業者)の費用はほぼゼロです。
我々受信側としても、アナログ停波となれば、どっちみちテレビそのものを買い換えなければいけないので、追加の金銭的負担はありません。むしろ弱いUHF電波を受信するために屋根の上に高いマストを立てて不細工なアンテナをつけるよりも、家の外壁やベランダの柵にBSアンテナを取り付けるほうが、たいていの場合、作業が楽だし、費用も安く済みます。
今売られているテレビ受像器にBS、CSを受信できない製品はまずありません。地上波が届かない場所でもBS、CSなら受信できるというケースはたくさんあります。
現在、衛星放送(BS)にはすべての民放キー局がチャンネルを持っていて無料放送しています。つまり、地上波放送と同じ環境です。110度CSも合わせれば、チャンネルはありあまっています。衛星放送をメインに使えば全国どこでも衛星放送で同じ番組を見られるのに、わざとそうしていない。しかも、BSでは、各放送局が金をかけて制作している人気番組はわざと放送せず、通販番組やら大昔の再放送しかやっていません。
これは国家的な詐欺・洗脳と言うべきですが、詳しくは⇒こちらをどうぞ。

今からテレビを買うならこれだけは忘れずに!

無料で視聴できるものに広告がついてくるのは仕方がありません。
しかし、現在の民放の無料放送における広告の量はハンパではありません。
我が家ではどんな番組でも、とりあえずは録画して、後から広告をスキップしながら見ます。
マラソンや駅伝の生中継でさえ、録画して、30分か1時間遅れくらいで「追っかけ再生」して、広告をスキップしながら見ています。
これでは広告主にとっても意味がありません。もっと安い費用でターゲティング広告ができるネット広告のほうがはるかに有効でしょう。
オンデマンド配信であれば、広告は基本スキップできませんし、録画もできません。いずれは広告を入れた無料放送というのは廃れていくはずです。

というわけで、今からテレビを買い換えるのであれば、4Kだの8Kだのということよりも、録画機能の充実を第一に考えるべきです。
録画機能をまっ先に重視したのは東芝です。今では外付けハードディスクに録画できるテレビはあたりまえですが、東芝の多くの機種ではHDDを4台までつなげられ、チューナーも2つ、3つと供えているため、2番組を同時に録りながら、さらに他の放送を見ることができます。

画像2

例えば↑この機種(65M530X)は、地デジx3、BSx3、110度CSx3、BS 4Kx2、110度CS 4Kx2というチューナーを内蔵しており、地上波放送で同時に2番組を録画しつつ他の番組をリアルタイムで視聴するということができます。
これだけ充実した録画機能を持つテレビは他のメーカーではまず見あたりません。

4K、8K放送は無意味

最近のテレビの広告では、もっぱら4Kや8K放送が見られるかどうかということを売りにしていますが、これは完全に無視してかまいません。なぜなら、4K、8K放送には意味がないからです。
まず、地上波で4K放送が始まる予定はありません。BS・CSでは放送が始まり、4Kチューナー内蔵の大型テレビも安いものは10万円以下で売られるようになりましたが、そもそも4K放送そのものにまったくと言っていいほど魅力がありません。
4K対応テレビを持っている人は、NHKの朝ドラや大河ドラマをBSプレミアムとBS4Kの両方で見比べてみてください。ほとんど差を感じないはずです。
そもそも、大昔の粗い画質の番組やネット通販番組を平気で4Kチャンネルで放送している現状は異常です。
⇒詳しくはこちらを「4Kテレビの虚無」

狭い部屋に巨大なテレビ?

それでも、4K放送の画質を少しでも実感したいというのであれば、最低でも50型以上の大型画面でないと意味がありません。
テレビの画面サイズに関しては、自分の住環境に合わせるしかないので、よく考えて選ぶ必要があります。
よく、43V型は6〜8畳未満、50V型は6〜8畳未満、55V型は8畳以上、65V型は10畳以上……などと説明されますが、問題は部屋の広さではなく、テレビを見る場所とテレビまでの距離です。
20畳の広い部屋にいても、目の前に大画面のテレビを置いていたら見づらくて苦痛でしかありません。
今持っているテレビの大きさとの比較で考えてください。
思いきって大きなテレビを買ったけれど、壁からはみ出してドアが開けられなくなった、などというのは笑えませんから。

画像3

東芝REGZA 32V34 地デジ、BS/110度CSそれぞれ2つのチューナー搭載で裏録画可能。Amazonで購入で39,480円。

オンデマンド配信は何を選ぶか

テレビのリモコンにオンデマンド放送専用ボタンをつけさせる商法を最初に始めたのはNetflixだそうです。テレビのメーカーにリモコンの製造費用の一部を負担する代わりにNetflixボタンをつけさせたことで、一気に契約者を増やすことにつながりました。
Netflixの契約者は2020年末時点で2億370万人、日本でも2020年8月末時点での有料会員数が前年比200万人増の500万人を突破したそうです。
Netflixが持つ視聴嗜好のプロファイルデータは3億人分に上り、常にどんな作品が好まれるかを分析し、作品の制作指針を立てているといいます。万人にうけるものはえてして俗悪なものになりがちなので一概に誉められたことではないのですが、未だに前世紀の遺物である「視聴率」に頼っている日本のテレビ業界が太刀打ちできるはずもありません。
Netflixの2020度の年間収益250億ドル(前年比24%増)。営業利益は76%増の46億ドル。
利益率約18%というのはネット事業としては少ないほうだそうで、2019年度は年間収益201億5,600万ドルに対して利益は26億ドルで、利益率は12.9%とさらに低かったとのこと。
これは、同社が利益の大半を作品制作費に投入しているからです。
オリジナル作品制作費は2018年度が120億ドル(1兆3,200億円)、2019年度は153億ドル(1兆6,830億円)で、これは日本の民放キー局1社あたりの番組制作費(多くて年間1000億円程度)の10倍以上です。
これだけ金のかかったオリジナル作品を、定額の契約料(画質と同時視聴人数によって、月額税込990円~1980円)だけで見放題になるのですから、日本でも契約者数がWOWOWやスカパー!を抜いたのは当然でしょう。
ちなみにWOWOWの2020年度末の契約者総数は約279万件、スカパー!の契約者数は約310万件です。
WOWOWは1984年「日本衛星放送」として、スカパー!は1985年に日本通信衛星(JCSAT)として出発して、どちらも35年以上の歴史があります。それが日本進出して6年に満たない(2015年9月から日本でのサービス開始)Netflixに大敗しているのです。
契約者数の推移を見ると、WOWOWは2018年12月時点で290万人を超えていたのが2020年12月には278万人と、2年で12万人ほど減らし、スカパー!は2018年に325万人だったのが2020年には310万人と、2年で15万人減らしています。
ステイホームだの巣ごもりだのといわれて「おうち時間」が増えたはずの2020年度に契約者が離れていったのは、契約者が「なんだ、NetflixがあればWOWOWやスカパー!はいらないし高すぎるじゃん」と気づいたからでしょう。

Netflixでしか見られない作品は多数あります。
契約料はWOWOWやスカパー!よりはるかに安い月額1490円(税込/スタンダードコース)。
このスタンダードコースというのは1080pの解像度で再生でき、同時に2画面で再生できます。アカウントを共有すれば、離れた場所に住んでいる家族などが、同じ時間、違う場所で、別々に視聴できるわけです。家の居間で夫婦がNetflixのドラマを視聴中、大学生の子供が下宿先で別の番組を見る、などということが同一アカウントで可能なのです。
モバイル端末に作品を丸ごとダウンロードもできるので、電車内で、通信料金ゼロでドラマや映画を観ることもできます。
番組の質と数だけでなく、システムの上からも、Netflixはオンデマンド配信でまっ先に契約すべき選択といえそうです。

テレビにNetflixなどのアプリが内蔵されていない場合は、AmazonのFireTVスティックをUSB端子に差せば、ほとんどのオンデマンド配信が楽しめます

何はともあれ、ドラマや映画、コンサートの映像など、リアルタイムで見る必要のないものを「放送」で視聴する時代は終わりました。地上波放送の呪縛からさっさと解き放たれて、新しいテレビライフを楽しみましょう。

画像4

東芝 レグザ 65M530X   Amazonで購入で12万円前後。横幅が約145cmとかなり巨大なので、ご自分の視聴環境に合わせてサイズを選びましょう。


こんなご時世ですが、残りの人生、やれる限り何か意味のあることを残したいと思って執筆・創作活動を続けています。応援していただければこの上ない喜びです。