苦悩する姿を晒す人たちへの共感
『マイルド・サバイバー』が発売されて数日。なかなか初速が出ない。
ニッパチといって、2月、8月は本が売れない月だと言われているけれど、売れるというのは本当に難しいのね。
間違いなくいい本なんだけどねえ。
「すでに移住した人も必読」という感想は嬉しかった。
ただ、自分としては移住ガイドブックを書いたつもりではないのよね。小説のときと同じで、いちばん書きたかったことはちょこちょこ埋め込んでいるので、ストレートにはなかなか伝わらないのだと思う。
終章~あとがきのあたりに書いたことこそ、今の自分がいちばん書き残しておきたいこと……かなぁ。
例えば……
この問題提起は一種のタブーであって、正面切って書いたことは今まであまりなかったと思う。
自分の首を絞めるみたいなことだからねえ。
結局、売れるもの、受け入れられるものというのは、ドストレートな主張だったり表現だったりするのだろう。
それをいちばん知っているのはメディアや政治家かな。
悩みながら発信する人はウケない。
でも、苦悩する姿を晒す人たちにこそ共感を覚える。自分もそうだから。
ここ1年くらいずっと、医師たちのブログを毎日チェックして読んでいる。
長尾和宏、荒川央、いしいじんぺい、中村篤史、関根徹……。
みなさん、どんどん疲れてきているのが分かる。内ゲバとかルサンチマンとかもあって、やっかいだなあと思わされることもある。
その中でもいちばん冷静で、常に抑えた論調で、信頼性の高いデータや研究論文、自身の実験や分析を通してのみ見解を述べてきた荒川央博士が、珍しく自分の心情を率直に語っている。⇒こちら
荒川博士がここに至るまでの苦悩や葛藤は相当なものだっただろう。
初期の頃は様々な医師・研究者の言葉に傾き、そうだそうだ!と同調した私も、さすがに今は考えがだいぶ変わったし、当初信頼していた医師たちへの見方も変わった。
栃木県で有名になったあの医師や、PCRを叫んでいたあの医師らは、どんどんおかしくなっていってしまった。悪意を持っておかしくなったわけではないとは思う。意固地になり、疲労とストレスが溜まっておかしくなっていったのだろう。
人間って、難しいなぁと、つくづく思わされた。
でも、まさに「今まで見えていなかったものが見えてきただけ」なのだろうな。
見えてしまった結果、どうすればいいのか。
翻って、今の自分はどうなんだろう。
そう。気がついているし、苦悩もしている。
でも、今の自分にできることはどんどん少なくなっていて、気力・体力も消えていくばかり。
できるのは、こうしてあがいている姿を晒すこと……くらいかなぁ?
エンターテインメントにはほど遠いけれど。