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#86 rail road



遠く
朝の陽射しで白んで
またゆとりなく踏み切りを
走り渡る君が居る
まだ春を着慣れてないらしさで
レールの隙間から咲く花を
踏まないように
それでもひたすら走って


大切な何かを守るために
息を切らしているんだろう
間に合わないのはいけないことなのか
ほんとは納得いかないまま
咲き始めた黄色に
気づいて足を止める姿の方が
この世界にきっと必要なはずなのに


ひとつ飛ばして
ほとんど底のない靴で軽やかに
素足に近いままで
その足も汚れた道と痛み分け
土を踏み締める感覚を
知りたくても、
忘れたくなくても
無くしてしまうよ
どうしても
それでも変わらずひたすら走って
それでも綻んだ花に
どうか笑いかけていて


それが毎朝ぼんやり思うこと
どうしようもなく願うこと





Lyrics by.  Tanuma Yuruto



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