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Geminiと一緒に映画を見る

Geminiと一緒に映画を見る 

AI StudioのMultimodal Live API with Gemini 2.0にはスクリーンシェアの機能があり、AIに質問しながら動画を見たり本を読むことができる。これで英語の本や専門外の論文でも隣に専門家がいる感じで楽しめる。目視では不可能な「〇〇という記述があったはずだけど、どの辺にある?」という質問にも答えてくれる、強化版grepだ。


Geminiと一緒に映画を見ていると全く気づかなかったところがわかる。

コメンタリー(監督や演出の解説)が好きな人には常識だけど、映画は一般視聴者向けには「気づく人はいるかもしれないけど90%以上はわからない」演出やセリフを入れてある。尺が足りないので説明はしないが、入れるには入れてあるという種類のものだ。

これらの情報はIMDbのTriviaに載っている。IMDbは最大級の映画サイトでTriviaは映画ファンによって追加される。

La La Land のトリビア。ライアン・ゴズリングはキ旧来のミュージュカルに従って短期間でピアノを練習して実際に演奏し本番で一発OKをもらっているらしい

IMDbのトリビアは不十分なことが多く、明らかな演出の解説が抜けていたりする。

The Age of Adelineは不老不死の女性の映画で、実年齢がおばあちゃんなので男が寄ってきても小学生をあしらうように振る、振られる相手も負けじと教養を披露するという演出がいくつも入っている。

中身はおばあちゃんなのでタクシー運転手よりサンフランシスコの道に詳しい

当然見る側にも教養を要求するがサンフランシスコの道など知るはずがない日本人には通りの名前を覚えていることがどれほどすごいのか全くわからない。とにかく色々知ってるというのは伝わってくる。

初めて張り合えるくらいの教養のある男性にエレベーターで会う。
相手の教養がどのくらいなのか試す二人

Ellisという男がAdelineに一目惚れをしてエレベーターまで追いかけてくるシーンには一見不可解なやり取りがある。ちなみにAdelineはこの前のシーンでお金も教養もある画家を探偵のように軽くあしらって振っている。次の男はどうなのかというシーンだ。一見して読み解けるか試してみてほしい。

Ellis: I'm Ellis, a pleasure to meet you.(ぼくはエリス。よろしく)
Adeline: Like the Island?(エリスって、島の?)
Ellis: No man is.(いいや)

まあ日本語に訳しても意味がわからない

ちょっと意味がわからなすぎてほとんどの日本の視聴者は置いてけぼりだ。

Geminiによる解説

スクリーンシェアしながらAIと会話をする

Ellis Islandというのはニューヨークの自由の女神の近くにある島のことで、その次のNo man isはNo man is an islandというジョン・ダンの詩のことらしい。平均的な日本人にわかるわけがない。

その後EllisはAdelineからJenny(という偽名を使っていること)を聞き出すことに成功する。一次面接通過というわけだ。その後、EllisはLike a islandのお返しとしてJennyが詩から来ているのか聞くが、Adelineは詩の内容を知らずうっかりフライングしてしまう。

これまで好きでみていた映画や何度も読み直した小説をAIと一緒に深掘りしていくことができる、すばらしい時代になったなと思う。ちなみにカメラモードもあるので、アームからカメラを下ろして本を広げればKindelでなくてもGeminiに解説を頼むことが可能だ。

(終わり)

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