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キャニオン工場見学

みなさんこんにちは。
普段からKEIMASA CYCLEをご覧いただきありがとうございます。
毎回コバンザメ走行をして楽をさせてもらっているKです。

先日のレースではかなり残念なことにKEIMASAが落車に巻き込まれてしまい彼の自転車がとんでもないことになってしまいました。

修理の件でキャニオンジャパンに問い合わせたところ偶然にも先日KEIMASAが日本に帰国した際にお世話になった同社の石山さんが仕事にてキャニオン本社があるコブレンツに来ると言うことを知りました。
その際に「取材に来ないか?」と言うお誘いを受けたそうです。
『(そんな貴重な体験できて)羨ましいの』と思っていたらKEIMASAから「来る?」と誘ってもらえたので喜んでついていくことにしました。
ライド中だけではなくプライベートでもコバンザメしてます。

と言うことで、今回はキャニオンの工場を見学してきた話を書きます。

写真等をいっぱい載せたいところですが工場内には撮影禁止エリアが多々あり撮影はできたものの果たして載せて良いのか?と言う場所ばかりでしたので画像は少なめです。
もし良ければ最後までご覧ください。

ついでに先日KEIMASAが人生で初めての日本でのライドの動画も載せておきます。


前日のお話

キャニオンの工場見学が9時半で私達のいるデュッセルドルフからは車で約1時間半ほどかかります。
朝7時半には出発したいとのことでしたが更に遠い場所に住んでいる私は前泊でKEIMASAの家に泊めてもらうことにしました。
家に遊びにいくのはちょくちょくありますが泊まるのは初めてです。

見慣れたULTIMATEと先日のレースで大変なことになったAEROAD

工場見学での問題

KEIMASA曰く今回の工場見学ははなぜか英語での対応だそうです。
なんでやねんと思いましたがどうやら同じ日にカナダからの取材陣も来ると言うことで英語での工場見学ツアーになったそうです。
私達は英語が全く話せません。
日本にいた時はなぜか知り合いに英語圏の友達が多かったので英語を使う機会は多々ありましたがこちらにきてからはほぼ使わないので頭から全てフェードアウトしてしまいました。
どうしようもないので気合いで乗り切ることにしました。

当日

キャニオンの本社があるコブレンツにて担当者の方と早速合流しました。
残念ながらキャニオンジャパンの石山さんは急遽ミーティングが入ってしまったようでこの日はお会いすることはできませんでした。
前述したカナダからの取材陣は担当者と電動自転車で工場入り、私達は普段はマインツで在宅の仕事をしていて何故かこの日は現地のガイドを任されたお兄さんとKEIMASAの3人で車にて工場へ向かいました。

社用車はもちろんキャニオンのロゴ

キャニオン本社からは車で西へ約15分程で到着します。
到着して館内入場の為のゲートを通りますが何故か入場カードが起動せず中に入れません。
何をどう試しても起動しないのでKEIMASAとガイドのお兄さんが担当者へ連絡をする事になりました。

左のお兄さんがマインツから来てくれたガイドさん
彼も自転車を所持しており愛車はもちろんキャニオン

しばらくすると館内から受付の方がやって来てくれて中へ案内してくれました。
そのタイミングで自転車組が合流しました。
早速中へ入ります。
安全の為に爪先用の安全靴カバーを渡されました。

自転車組には専属のカメラマンも帯同していた

中に入れば早速キャニオンを前面に出した食堂がお迎えしてくれます。

キャニオンの従業員は総勢約110人で早番と遅番の2交代制で作業をしています。
勤務時間は9時から17時、11時から19時で休憩時間は45分のお昼休憩と15分の中休憩だそうです。
従業員の半数はドイツ人ですが半数はポーランド系やトルコ系の外国人達です。
取材中に話す機会がありましたが全く言葉が伝わらない従業員もいたので社内共通言語はおそらく英語なのでしょう。

窓ガラスの奥は製造工場
この時点で興奮する

興奮冷めやらぬまま早速製造エリア内に入ります。

前述しましたが今回のツアーは全て英語で行われます。
と言うことで全く理解することができませんがよくよく考えたらガイドのお兄さんはドイツ人なので解説をしてもらった後にドイツ語に訳してもらって説明をしてもらいました。
更に館内説明をしてくれる方々もドイツ人なので後半は直接聞いていました。

工場内

工場内は部品搬入エリア部品ストックエリア組み立てエリア検査エリア梱包エリアと大まかに5つのエリアに分かれています。
最初に案内してもらったのは部品搬入エリアです。

大量の部品が搬入される

部品製造は別工場で行われておりそこでの製品チェックを通った部品だけが当工場へ出荷されるので部品の破損等は最小限に抑えられているそうです。

次に紹介されたのは部品ストックエリアです。

サッカーコート1面程のストックエリア

全ての部品がこの場所に搬入されます。
そしてどの部品がどの場所にストックされるのかもしっかりと機械で管理されているそうです。

部品についてあるバーコードを読み取るとどのエリアのどの段に収納するかすぐにわかるようになっている
しかしとんでもない広さのエリアを少人数で行うため『かなり効率が悪そうだな』と思ってしまった

1つでもしまう場所をミスするととんでもない事になるとその際に教えてもらいました。
それとなぜか日本語で書かれた箱がいくつもありました。

次はメインの製造エリアです。

電動自転車製造エリア

製造エリアの大半はロードバイク、マウンテンバイクで占められています。
上記のエリアは主に電動自転車(Ebike)組み立てエリアです。
工場内の組み立て比率は非電動自転車約80%、電動自転車約20%です。
電動自転車はまだそこまで多く出荷されているわけではないので組み立てエリアが分けられています。
しかし時期によっては非電動自転車(ロードバイクやマウンテンバイク)の製造が追いつかない時があるのでその際には電動自転車エリアも使用するそうです。

工場内の中心
従業員を撮影するのが禁止のために大まかにしか撮影はできない

上記写真が工場内のメインであるエリアです。
写真右奥から順番に部品が取り付けられて左側の検査エリアまでスライドしていきます。
部品の取り付けは全て約150秒で行われ万が一の問題が発生した場合は全ての製造ラインがストップするトヨタ生産方式を採用しているそうです。
まさかこんな所で日本の製造方式を採用しているとは思わず驚いてしまいました。
説明をしてくれた方が言うにはまだ1度もストップしたことは無いそうです。
それにも驚きました。

製造過程を説明してくれる2人
左の方は「バートンのシャツを着ているけど僕もちゃんとキャニオンの社員だから安心してね」と場を和ませてくれた
次々に自転車がスライドしてくる

製造エリアの中心には常に自転車がスライドしてくるので気を抜くと自転車に当たります。

組み立てには時間制限があるため間に合わなかったり何かしらの不備があった際にはこの様に赤い札を付ける
全ての工程が終わった際に検査エリアを介さず再度組み立てエリアへ戻る

組み立てエリアには従業員と共にモニターが設置されています。
さまざまな自転車が流れて来るので従業員が混乱しないように『この自転車にはこのパーツをこの様に取り付ける』と言う説明が画面に表記されるそうです。
特にチェーンを装着する担当場所はかなりの種類のチェーンの中から適切な物を選ばないと行けないためかなり大変そうでした。

組み立てが終われば次は検査エリアです。

従業員は基本的に撮影禁止だが個人的に交渉して許可を得られればこの様に撮影できる

最後に検査エリアにてギアの変速重量をかけた際に起こる部品の歪みホイールの回転電動ギアの感度確認などあらゆる検査が行われます。
この時点で問題があれば再度組み立てエリアへ流されますがそこで修正ができない問題が発生した場合は組み立てエリアと検査エリアの間にもう1つ専用の組み立てエリアが設置されているのでそこへ流されます。

そして全ての工程を通った自転車は梱包エリアへ行きます。

写真中央の青いホース状の機械を使用して梱包に使用する箱を運ぶ

なぜか梱包用の箱の運搬を体験させてもらえましたが思った以上に機材が重くて驚きました。
ホースの上下や前後の動きの操作は慣れればなんとかなりそうです。
「これができれば君もここで働けるね」と言ってもらえました(再就職先はなんとかなりそうです)

見慣れた箱が大量に横たわっている

全ての工程を終えてようやく発送することができるようになります。

見学はこれにて終了です。

余談ですが当社の自転車は販売店を通さずに直接顧客の元へと発送されます。
その為、初心者には非常に手が出しにくいメーカーでもあります。
「では初心者が購入したい場合は?」となると近場の自転車屋さんへ自転車を持ち込み組み立てをしてもらう事になります。
しかし販売していないメーカーを持ち込まれる事を嫌うお店も多々あるのが初心者が手を出しにくい原因となっています。
日本ではよくこの手の話を聞きますが日本だけではなくどの国でも同じ問題を抱えているそうです。

全ての見学を終えた後は再度キャニオン本社の方へ行きそこで解散しました。
一般の見学ツアーはなかなか実施されないとの事なので今回は本当に貴重な体験をすることが出来ました。

まさか同じ年に2回も来る事になるとは思わなかった

最後に

ここまで読んでくださりありがとうございます。
こちらはもうすぐ冬になるので自転車シーズンは終わりになりますが機会があればまた書くのでその際にはご覧ください。

それと私事ではありますが来年度の帰国は6月を予定していましたが1月にも帰ることになりそうです。
その際にお会いできる方がいれば是非会いましょう。

ではでは👋

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