「私、実はつきんちゅなの」

「そうか…うっすら知ってた」

「知ってたんだ」

「金髪お団子ツインテにして、ミッフィー、マイメロ、NOVAうさぎのグッズを狂ったように集め、やたら石を高く売りつけてればそりゃね」

「100パー上手く擬態できたと思ってた」

「地球人舐め過ぎでしょ」

「でね、もうわたし月に帰らないといけないんだ」

「そっか。まぁ潮時ってやつじゃないか」

「婚期逃した子供部屋おばさんみたいに言うじゃん」

「あんな無理難題言えばそら逃すよ。Xでポストしたら死ぬほど炎上したぞ」

「私の膨大な月の土地の権利書と、石で荒稼ぎしたお金がなくても平気?」

「大丈夫、そろそろ鶴と地蔵が恩返しにくるはずだから」

「あなた、あのお爺さんだったんだ」

「ちなみに婆さんは飛行石を奪いに行ってる」

「だから十二単着脱RTAをやらさられたのね」

「さすがに40秒はしんどそうだったね」

「ねぇお爺さん、さみしい?」

「3日経てば落ちてくるんだろ?」

「オカリナを吹かなければね。でももう行かなきゃ。楽しかったぜ、お前達との親子ごっこ」

「婆さんにも言っておくよ。じゃあね」

「じゃあね」

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