
何が違う?付郵便送達と公示送達の違いとは?
付郵便送達とは
付郵便送達とは、相手が実際に受け取ったかどうかに関わらず、発送した時点で送達が成立したとみなす方法です。
この方法は、通常の送達手続きである特別送達とは異なります。特別送達は、郵便局員が直接相手に郵便を渡し、受領者の署名や押印を受け取ることで送達を確認します。
一方、付郵便送達を利用するには、被告が確実に宛先に住んでいることを事前に調査し、裁判所へ報告する必要があります。
この報告を基に、裁判所書記官が付郵便送達の妥当性を判断し、書留郵便で訴状を発送します。発送が行われた時点で送達が成立したと見なされます。
公示送達とは
公示送達とは、相手方の所在が不明で連絡が取れない場合や、相手方が死亡して相続人が特定できない場合に、裁判所に申し立てを行い、法律上、意思表示を相手方に到達させる制度です。
この制度は、相手方にとって不利益をもたらす可能性があるため、裁判所が簡単に受理することはありません。
申立てには、詳細な手続きと証拠の提出が求められるため、時間と労力が必要です。公示送達は、法律上の手続きとして重要な役割を果たしますが、慎重な対応が求められます。

公示送達・付郵便送達に伴う住居所調査・居住調査について
公示送達や付郵便送達は、法律的な手続きであり、相手方の住居が不明な場合や連絡が取れない場合に行われます。この手続きにおいては、相手の居住地や住居所を特定するための調査が必要です。具体的には、裁判所が指定した調査項目に基づいて、現地での調査が実施されます。調査では、住民票の確認や近隣住民への聞き取り、呼び鈴への応答の有無の確認(応答者への面接)などが行われ、相手の居住実態を把握することが目的です。これにより、正確な情報に基づいて送達手続きが進められるようになります。
現地調査
現地調査では居住者の住所を訪問し、直接の接触を試みます。実際に接触することができれば、居住者との対面を試みます。
周辺調査
居住者との対面が出来なかった場合、現地周辺の情報を収集します。以下の調査を実施します。
電気・ガスメーターの状況
電気メーターやガスメーターの稼働状況を確認することは、居住状況を把握する上で重要です。これらのメーターは、日常的に使用される電力やガスの消費量を示します。特に、メーターの動きが活発であれば、居住者が現在その場所に住んでいる可能性が高いことを示しています。逆に、メーターが動いていない場合は、居住者が不在であるか、使用が極端に少ない可能性があります。これにより、居住状況の判断材料として非常に有用です。
表札や郵便ポストの状況
表札や郵便ポストの状況を確認することは、居住確認の重要な手段です。表札や郵便ポストに相手の名前が記載されている場合、その住所地に相手が居住している可能性が高いと考えられます。これにより、住所の正確性を確認する手がかりとなります。一方で、異なる名前が記載されている場合には、相手がその住所に住んでいない可能性が高くなります。この場合、公示送達の条件を満たす可能性があります。郵便物が溜まっているかどうかも重要な確認ポイントで、これにより不在の期間や居住の有無を推測することができます。これらの情報は、写真として記録を残すことで、後の手続きに役立つ証拠となります。
ベランダの洗濯物の状況
洗濯物が干されているかどうかの状況を観察します。居住者がいる場合、洗濯物などの状況で日常生活の痕跡が見受けられることがあります。
窓、カーテン、部屋の灯りの状況
窓やカーテン、部屋の灯りの状況は、建物の居住状況を把握するための重要な手がかりとなります。夜間に建物内の灯りが点灯しているかどうかを確認することで、人が住んでいる可能性を探ることができます。また、窓にカーテンがかかっているかどうかも、プライバシーを守るための一般的な手段であり、居住の証拠となります。カーテンがしっかりと閉じられている場合、室内の活動が外から見えにくくなり、居住者がいることを示すかもしれません。これらの要素を組み合わせて観察することで、建物の使用状況をより正確に判断することが可能です。
近隣への聞き込み調査
近隣への聞き込み調査は、現地調査において非常に重要な手法です。近隣住民やマンションの管理人から得られる情報は、対象者の生活状況や日常的な行動パターンを把握するのに役立ちます。近隣住民は、日々の生活の中で自然と周囲の様子を観察しており、対象者の自宅への出入りや生活のリズムについて意外なほど詳細な情報を持っていることが多いです。
