第五回偽物川主催者ピックアップ最終回
はい、『ニセモノ』というテーマで小説を募集しております「第五回偽物川小説大賞」も募集締め切りまで一週間を切りましたというところで、ピックアップの方もこれで最後となります。
今回ご紹介する作品は例によって2本です。何度も同じようなことを説明しますが、評価の高い順で上から選んで紹介しているわけではなく、毎回それぞれに紹介する作品に共通のコンセプトなどがありますもので……というわけで、まずこちら。
人為の虚像 椎葉伊作様
古典的SFの雰囲気で進んでいくんですが、最後にひっくり返る作品です。テーマは「家族」というか、なんかそんなような感じ。一番最初にわたし「ホンモノとは何かを考えるのが、ニセモノを表現する上で一番大事」みたいなことを言いましたが、この作品はそういう意味で非常にいいところを攻めていたと思う。
古い日記 クニシマ様
ベタな青春小説の雰囲気で進んでいくんですが、最後にひっくり返る作品です。結局何がどういうことなのかはっきりとは明かされないんだけど、まあだいたいは分かる。タグに「百合」って書いてあるのがヒントでもあり答えでもある。いちおう大学生の女性二人が主人公の作品で、展開そのものは一見ごく普通なんだけど……っていう感じ。クニシマさんの味わい深い文体がよく活きている作品です。
というわけで、このあとはどんなすごい作品が来ても(大賞に推すだけで)ピックアップ紹介はしません。また次は、結果発表でお会いしましょう~。