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第六回偽物川主催者ピックアップその1

 はい、というわけで始まっております第六回偽物川小説大賞、開催期間もそろそろ二週間を過ぎましたというところで、いつものように序盤戦のピックアップをまいりたいと思います。

 しかしその前に今回のテーマの話をしましょう。今回のテーマは『機械』です。それ以上の指定は何もないわけですが、どんなテーマの時でもどうしたって問題になるのは『そのテーマと人間との関係性』であるわけです。小説というのはおおむね人間を書いてナンボみたいなところがありますからね。書くのも読むのも(多分)人間だけなんだし。この「その1」ピックアップでは、それを踏まえてセレクトをしていきましょう。では第一弾はこちら。なお、敬称略です。

Machina Ex Deus きょうじゅ

 お前の作品じゃねーか!と思った方、そうです。俺様の作品です。自分の作品を自分でピックアップするのはさすがに初めてだったかもしれませんが、現状ほかに同じアプローチの作品がなかったもので……
 この作品には「具象的にメカである存在」は何も出てきません。純粋な生身の人間の中に機械性を見出す、という構成を取りました。お題に掲げたこの『機械』というテーマに対してまあ誰か一人はきっとこれをやってくるだろうと思ったので、先に自分でやっておこうかなと思って……うん。内容については掘り下げません。自作の宣伝をしたいわけではないので。じゃ、次行きます。

CURSE MAKER 鍵崎佐吉

 こちらは「その仕組みについてはまったく明示されないけど明らかに『機械である何か』が登場する」という構造の作品。念のため断っておきますがそれがいいとか悪いとかいう話ではありません。きょうじゅも二作目はこのパターンでいこうかと思っていたんだよねどうしようかな。カースメーカーと呼ばれる『他者を呪う機械』とそれを巡る人間模様が描かれるという作品なわけですが、これが強いのは「なんだか分からないながらも、非常に機械的な性質を持ち、機械的に動作する」ものが話の中心に据えられているということです。テーマが機械ですからね。うむ。

MAN/MADE 紫陽_凛

 今回ご紹介するのは三本ですのでこちらでラスト。これはいわゆるアンドロイド、つまり『非常に人間っぽい機械』が登場する、恐らくはもっとも主流派となるであろう(くどいようだけどそれがいいとか悪いとかは無い)アプローチの作品。あとこれに関していえば『非常に機械っぽい人間』も出てくる。そのへんがこの作品の『機械』というテーマへの攻め方になっていますね。
 ちなみにいちばん上のもそうですが、こちらも評議員・偽の紫陽花氏による作品ですので、受賞の可能性とかはありません。「アンドロイド」とか「サイボーグ」に関しては、多くの人が割と真っ先に思いつくというところから逆にそこを避けようという動きもあるかとは思うんですが、そういうところだからこそ「そこから深く掘っていく」というアプローチもあります。


 といったところで、ピッコアッペその1はこれで終わりとなります。1がある以上は少なくとも2くらいはありますので、とりあえずはそんときにまた。んじゃ。

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