Gの悲劇
こんにちは。
現役プー太郎のtantanです。
「ゴキも出ずば撃たれまい」
先日、出たのよ、ヤツが。
あの流線形の黒光りするデカいヤツが!
シンクのところに、ひょいっと。
さすがヴィランの王に君臨しているだけある、風格がある。
(よくこんなデカいヤツがこの部屋にいたよね。いったい何処にいたのか…)
ヤツは一瞬、動きを止めた。
「ハッ!ヤバい、見つかった⁉︎」
ヤツらは人間の視線をも背中で感知する機能を備えているのか⁉︎
ヤツの動揺がハッキリとこちらにも伝わってくる。
お互い、一歩も動けない膠着状態となる。
私はGジェットを取りに行きたい、が、しかし、目を離した隙にヤツは逃げる。
逃したらお終いだ、その夜はもう眠ることが出来なくなる。怖くて。
どうしても、今、仕留めなければ!
視線を外さぬ様に、そーっとGジェットに手を伸ばす。
Gジェットが手にふれた!よし!
それを合図にヤツも動き出した!
私は、ヒィーッ!💦と叫びながら、それでも確実にヤツの背中にGジェットを噴射する。
すぐさまヤツはシンクの中でひっくり返り、手足をピクつかせている。Gジェットの威力は最強だ。私はこのG用殺虫スプレーに絶対の信頼を置いている。
瀕死のヤツに最後のとどめの一吹きを食らわす。
動かなくなったヤツを処分しなくてはならないのがGジェットの唯一の難点である。(GジェットはGを殺傷するまでが仕事だから、難点といってしまうのはあんまりか)
なんとか処分するが、ふと考えてしまう。
ヤツはどーしてヒトの家の中に出てくるのか?
出てこなければ、私の視覚に入って来さえしなければ、私とて鬼ではないのだから殺生などしないのに…。
以前、Gホイホイに今まさに入ろうとしているGを目撃したことがある。
その時のヤツはすご〜く慎重だった。私が見ていたからなのかは定かではないが、なかなかGホイホイの窓の中から入らないのだ。足を掛けてはいるがそこで止まったまま10分ほど過ぎた。観察するのに疲れた私は根負けして、結局Gジェットでシューッと…。
とにかくだ、Gよ、お願いだからもう出て来てくれるな。
それがお互いの幸せのためだ。
約束ね!
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