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学校検診を考える

こんにちは。ざまたかです。
閲覧ありがとうございます。
さて、この記事を読んでいて、本筋とは別のところで少し意外だったことがあります。

まずは本筋の話を。
内科検診等での脱衣問題は古くて新しい話です。
基本的には校医の判断に任されていまして、
中学校現場では
下着一枚くらいは着ていていいですよ、
体育着のままでも診察しますよ、
思春期ですからね、
というお医者様が多かった印象です。
ところが、平成28年に内科検診の中に運動器検診が含まれるようになったあたりから、「脊柱をしっかり診るように」とお達しがあり、
「どこまで脱衣させるか問題」が再燃した感があります。
私は今のところ「着衣でもいいですよ。」と言っていただいています。脱がせるとなれば着替えにかかる時間が余分に必要になり、その分授業がつぶれますし、生徒の心理的な抵抗もあります。正直現場としては着衣の方が助かります。でも、「脊柱側弯を見逃したら訴訟になるかも」と言われればお医者様だって怖いだろうと思います。

そして、yahooニュースで意外だったのは
「学校検診はもう時代にそぐわないのではないか」という趣旨のコメントがあったことです。実は私はこれに賛同するのです。なにせ、検診によっては全校生徒を学校医の昼休憩の間に診たりするわけです。ご自身のクリニックであれば環境も整っているでしょうが、保健室は正直環境が整っているとは言えませんし、年1回しか使わない検診のための備品は壊れるまで買ってもらえないので、(壊れても買ってもらえないこともある。平成1ケタ台の備品がたくさんあります)本当にひどいものです。また、科によっては校医さんが何校も兼任されていたりして、とてもハードですし、学校医も高齢化してきているように感じます。制度的に厳しいところまできているのです。また、プライバシーの配慮については文科省から再三言われているところですが、保健室ではせいぜい衝立を立てるくらいしかできず、衝立の向こうで何が行われているのか心配な生徒は言っても言っても覗いたりするし、校医と生徒の会話だって聞こえないようにするのは難しいです。だからと言って完全入れ替え制にするほどの時間的余裕もありません。午前中なら50分×4コマ、午後なら50分×2コマの中におさめないとならないのです。さらに、学校にとにかく余裕がなくなっています。授業をつぶすなんてもってのほかという空気がありますし、少人数授業や通級など、今までとは違う授業のスタイルも出てきていて、授業時間での検診を行うのに何重もの配慮が必要になってきているのです。複数の教室に分かれて授業をしているクラスを呼びに行ってもらったり、校医に手袋を手渡したりは記録をしている養護教諭にはできないので、SSS等の助けを借りている状態です。正直毎年無理を通している気がしてしんどいですし、終わると毎年「来年はもうやりたくない」と思っています。

でも、「検診も予防接種みたいにクーポン配って個人で受けるといいと思うんですよね」というと「それだと連れて行ってもらえない子が出てくるから」と言われたりします。もっともらしい意見ではあるのですが、検診は検診であって、治療はしないんですよ。実際、どれだけ治療のお知らせを出してもなかなか受診してくれないご家庭というのもあります。(治療済みの用紙を提出してくれてないだけかもしれませんが)むしろかかりつけ医で受診なら治療につながるのも早いし、なにより学校医とかかりつけ医の見立てのずれも生じないのでストレスが少ないのではないかと思います。また、女子生徒を男性医師が診ることが問題視されがちですが、男子生徒の中にも「今日(の検診)女の先生ですか?ちょっとやだな」という子もいるのです。
ちなみに学校検診はかかりつけで管理している場合には受けない子もいます。欠席した場合もかかりつけ医で受診することがありますし(有料になったりしますが)絶対的なものでもないのです。

養護教諭なんて健康診断時期以外は暇なものじゃん、健康診断やらなかったら何するの?という人もいるでしょう。むしろデータをもとに保健指導や校医と連携して保健相談をすることが養護教諭の本領だろうと思います。検診中にもけがや相談やいろいろなことで保健室にやってくる生徒もいます。その対応ができないのもそろそろどうかと思ったりもします。

学校検診、もはやクーポンでかかりつけ医を回る方式とか、あるいは検針機関に学年ごとに引率して実施になるといいなと思います。今のやり方では正直設備も人手も足りないです。

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