あの頃、アタシらは猥雑を愛した〜舞台「パタリロ!」ファントム〜
☆江古田のぼっとうとよはくさんで「こどもの権利条約ハンドブック」の読書会やってます。次回は10月16日(日)10:30〜詳細が決まりましたらまたアップします。☆
同世代の方なら「奇跡のキャスティングだよね!」と言われる舞台「パタリロ!」を観てきました。
調べてみると2016年に「霧のロンドンエアポート」、2018年には「スターダスト計画」も上演しているんですね。どちらも原作の名作ストーリー、さすがです。
客席は同世代の方からそのお子さん、20代くらいの若いお嬢さんまで、思ったより幅広い感じでした。2.5次元舞台がすっかり定着しているので、若い方達はお目当ての役者さんに会いに来ている方もあるようでした。(グッズの買い方から推察)そして、開演5分で思い出しました。
そうだ!パタリロってするっとオモシロイ話じゃなかった!
だいたい主人公のパタリロ、案外性格悪いんですよ。(けど、時々キラっと冴えてる)そして、BL要素も満載だし、楽屋オチ的なギャグも入る。(しかも時にお下品)絵柄は繊細なんだけど、独特なテンポとシュールな世界観。そうでした!パタリロ!アタシはなんてものを覚悟もなしに観に来てしまったんだ、、、と、固まることしばし。でもね、原作を読んでいた当時の自分を顧みると、そういう作品の雰囲気ごと面白がってたよなあと。BLがやおいと呼ばれ、オタクという言葉もまだあるかないかの頃、アタシらは猥雑なこの作品を案外愛していた。そうなんだよ!決してお行儀なんか良くなかったよ。そう気づいたらもうすっかり楽しめるようになりました。
加藤諒さんのパタリロは表情から動きからもう殿下そのもの。マライヒはちょっぴりギャル風というか、可愛い感じ。タマネギ部隊の美少年ぶりはちゃんと生かされていて、よしっ!と拳を握る感じ。バンコランは舞台版では2.5枚目な感じなのでしょうか?アニメ版ではパタリロが「ぶぁんこら〜ん!(白石冬美さんヴォイスを脳内再生してください)」と擦り寄っていき、
「ブチャむくれ!」とかなんとか言われて足蹴にされたりしてた気がするのですが、舞台版ではなんかお互いが「めんどくさい相棒」って感じ。このあたり、原作との差をもう一度確かめたいところです。私の中ではバンコランとマライヒはひたすら美しい感じだったのですが、年齢設定がおそらく20代ですものね?こんな雰囲気もありかも。(それにしてもアニメ版パタリロ=白石冬美、これまた素晴らしいキャスティングだったのですねえ。)
今回は連載45周年とのことで、後半にレビューショーがありました。これがまた楽しくて。
脚本家の池田さんのトークあって、役者さんたちに向けて「アンタたちふざけすぎ!」ってツッコミされていたのですが、これがすごくよくて。ふざけたり、遊んだりできる余地のある舞台っていいなあと。「花とゆめ」を読んでいる頃にはパタリロがこんな華やかで楽しい舞台になるなんて思いもつきませんでした。楽しい時間をありがとう!トップの写真は帰りの東京タワーです。