かっこいいとはこういうことだ〜テレビで会えない芸人〜

こんにちは。ざまたかです。珍しく映画を観に行きました。私の師匠(と呼んでいる)、松元ヒロさんのドキュメンタリーです。

ヒロさんは時事ネタを取り上げたり、時に際どい表現もするので、まあ、テレビ向きではないかもしれません。
でも、強きを挫くときはユーモアに富んでいて、 
普通のひと弱いひとへの眼差しに、優しさが溢れていて。ライブでは本や映画を取り上げてくれることもあるので、知らない世界をたくさん教えてもらっています。談志師匠がヒロさんに「結構な芸でした」と頭を下げるシーンも、生で観ています。


そんなヒロさんと私の出会いは、カルチャースクールのパントマイム教室。当時、演劇部の顧問をしていた私は「身体表現って何ぞ?」との疑問にぶち当たり、「あ!亜弓さん(@ガラスの仮面)がパントマイムやってたじゃん!」とばかりに申し込んだのでした。ちょうどヒロさんが独立する頃で、「今度ソロライブやるから来てくださいよ」って言われていったのがはじまりで、かれこれ20年以上追いかけています。

 白杖をついている人に声をかけるシーンから、映画は始まります。のっけからヒロさんの人柄が滲み出ててるし、ああ、私もこんなふうになりたいなあと思わせられます。
 時事ネタをオブラートに包みたくなくて、テレビから離れて表現をつづけてきたヒロさんの「人と違っていても生きられるんだってことを伝えたい」という言葉にはじわっときたし、そのあとの稽古場のシーンが本当に一人でネタと向き合う産みの苦しみの時間で、ここまで惜しみなく見せてくれることにも感激しました。
 鹿児島で恩師に会った時の顔、お母さんに電話する時の声。奥様や息子さんとのとの何気ないやりとり。元ニュースペーパーのすわさんとの楽しそうなひととき。優しい響きの鹿児島弁。
 後半の「いろんな問題が何一つ解決してないのに、なかったことのようになっているこの状況に、誰かが水をささなきゃいけない」という意味の言葉は胸にずしんとくる。私はぼんやり生きてるけど、もっとできることがあるんじゃないだろうか?もっと声を出さなきゃいけないんじゃないか?

 いろいろグダグタ書いたのですが、一言でいうとかっこいいんです。アタクシも十分に大人ですが、「こういう大人になりたいなあって」思わせてくれるんです。ヒロさんの人間らしさというか、あたたかさに笑いながらも心が動きます。直前のライブであらすじは聞いていたのに、です。  

 ご興味があったら映画館に足を運んでみてください。ヒロさんのライブにもぜひ。

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