消費期限はいつまで?~最高裁判例
よしなしごと【気まぐれ選47】
12月24日の朝、ロールパンを食べようとして袋を見ると、消費期限が昨日(12月23日)になっていた。食べる?やめておく? どうしたものかと考える・・。
当該物件(ロールパンのことです)の消費期限は、「12月23日」である。コンビニのおにぎりなどは、「X月X日XX時」と時間まで入っているが、この物件には時間は書いてない。
すなわち、この物件の消費期限は、法的には「日」によって期間が定められているものである。
これは、「日、週、月又は年によって期間を定めた」(民法140条)ものであって、「時間によって期間を定めた」(同法139条)ものではない。そして「日」によって期間を定めた場合には、「その末日の終了をもって満了する」(同法141条)と定められている。
したがって、この消費期限「12月23日」は通常、「12月23日の24時」までを指すと考えられる。
ならばもちろん、12月24日になれば消費期限は切れている・・かといえば、そうも言い切れないのである。
つまり「12月23日24時」は、「12月24日0時」であるとも言えるからである。
2007年12月23日午後12時(24時)と2007年12月24日午前0時は「同時点」であり、両時は「接着している」。であれば、消費期限は24日まで自動的に延長されうるとする解釈もできる。
と言うと、世迷いごとの屁理屈のようだが、実はこの問題をめぐっては、先週、最高裁判所が一つの判断を下している。
最高裁は、「~~通常の法律の取り扱い上、例えば2007年12月23日午後12時(24時)と2007年12月24日午前0時は、別時点であり別々の日と認識することが多い。また、一般的にも、別々の日と考えるのが自然な感覚である・・・。
よって、消費期限末日の終了(12月23日午後12時)は、その翌日の開始(12月24日午前0時)と『同時点』ではなく『別の日』であり、両者は『接着しない』~~」ことを再確認したのである。
この最高裁判例を援用することによって、12月23日を消費期限として刻印された当該物件のロールパンは、12月24日時点において消費期限が切れている!ことがようやく法的に確定するのである。
と、この記事は12月18日最高裁の著作権法の裁判(いわゆる1953年問題・『シェーン事件』)を基にした小ネタものである。
【よしなしごと0257・2007年12月24日 (月)掲載】