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コーヒーの神様
気になる・・0062【選-25】2005年1月10日 (月)
ブロック塀の上である。飲み終わったコーヒーなどの空き缶は、しばしばこういう位置で発見される事が多い。
「こういう位置」というのは・・
A:直に地面に接しない
B:ふとした瞬間に視野に入る
C:頭より上の方向
の3点を充たすところである。
そもそも缶コーヒーは、中身のコーヒーと容器の缶を一体で購入する。したがって中身を飲み終わった後も、缶の所有権はまだ購入者にある、という意識が働いている(タバコの吸殻との差はここにある)。
つまり、この缶は捨てられたのではなく「置いてある」のだ(同じ心理は、電車の網棚の上の新聞にも見出すことができる)。
空き缶の「ポイ捨て」がなくならない理由の一つは、当人に「捨てた」という意識が薄いことである。あくまでも「置いた」のである。或いは「祀(まつ)った」といってもいい。何故なら前述のA〜Cの条件は、神棚と同じだからだ。
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【気になる】シリーズは散歩の途中に見つけた、何でもないようなものを何とかして面白がってみようとする、写真と小話のコラボ企画です。
『tanpoPost』に2004~2011年にかけて不定期連載した投稿記事から、ランダムに【選】としてご紹介します。お付き合いいただければ幸いです。
※なお当時のWEB環境の関係で画像が小さく見づらい場合があります。ご容赦ください。