モノローグ『笛を吹く少年』長谷部満莉愛
【作品『笛を吹く少年』から想像して作品を作る企画です!】
『笛を吹く少年』のnote記事はこちらから⬇️
https://note.com/tanpinbaoz/n/n91a1cc06170a
第三弾はモノローグ製作星那茉里、絵長谷部満莉愛です!
まつりの書いたモノローグが小説のようで、とても描きやすかったです!不思議な世界に誘われた女性の話、、。なんだか余韻の残る終わり方が素敵です🌸
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一人の男の子が、私にこう言ったんです。
『僕の吹く笛は魔法の笛なんだ』
私は何かの聞き間違いかと思いました。
一応、興味ありげに答えてみたけど、
正直嘘くさくて嘘くさくて。
そしたら、
「お姉さん、まだ僕のこと信じてないでしょ」
と言われて、焦り半分で
「じゃあ、笛吹くところ見せてよ」
って言ってしまったんです。
今思えば、それがいけなかったのかもしれません。
私は男の子に連れられて広場に来ました。
そこには立派な笛と、小さな台がありました。
男の子が笛を吹き始めると、広場の雰囲気が一変したんです。
広場中の人が彼を見てました。
重苦しい雰囲気を漂わせてて、
でもずっと聞きたくなるような、
そんな音色で。
何だか、 私の本質を
見抜かれているような気がしました。
ふと気が付くと 広場だったはずの場所は
街中の路地に変わっていました。
立っていたのは私 一 人だけ。
あの男の子は、忽然と姿を消しました。
これ以来、私はあの音色を忘れられなくなりました。
私は今も、あの少年がいる広場を、ずっと探しています。
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いかがでしたか?少し色飛びしてしまっていますが、、。本質をついてくる笛の音色、、やばそう!(語彙力)聞きたいようなちょっと怖いような^^;まつりの書くモノローグは、いつも少しだけ違和感みたいなのがあって面白いなと思います!
今回の企画は全然違う絵の見方をすることが発見できて、本当に面白い企画だなあと思いました!ぜひみなさんもやって見ては?😉
次の更新は7/3です!誰が登場するでしょうか。。ワクワク!
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そしてそしてここからは蛇足です。
せっかく絵を描いたのでマネさんについて少しお話ししたいと思います。(結構ざっくりです)
マネさんのいた時代は美術業界ではサロン(上流階級の知的交流の場)で認められるかどうかが主流か邪道かを決定しました。画家でいうとアカデミックなアングルやダビットという新古典主義の画家が美術業界を席巻していました。
ドミニク・アングル「グランド・オダリスク」(1814)ルーブル美術館蔵
ジャック=ルイ・ダヴィッド「サン・ベルナール峠を越えるナポレオン・ボナパルト」(1801)マルメゾン国立美術館
「あ!見たことあるやつ!」そう、こうした古典最高!と言わんばかりの絵が評価される時代にマネさんはものすごい革命を起こします。
エドゥアール・マネ「Le Balcon」(1868-69) オルセー美術館蔵
一つはこの平面性、(いっちゃえば右の女性鼻ほぼ消えてますよね)この平面的な絵の具の塗り方がセンセーショナルだったそうです。マネは印象派の走りとも言われますが、印象派の画家は当時戸外制作へよく出かけました。そして絵の中で本当の「光」「現象」を捉えようとしました。その結果、戸外制作による強烈な日差しの中では強烈な明暗が現れ、それをキャンバスに描き出そうとした時、絵画に平面性がもたらされたのでした。
エドゥアール・マネ「オランピア」(1863)オルセー美術館蔵
もう一つは現実を描いたこと。有名な話ですがそれまでは「神話に登場する女性」であればヌードで描いて良いという決まりがありました。その中でなんと、同時代の実在の女性(娼婦)をヌードで描いてしまったんですね。サロンは落選(ちなみに笛を吹く少年も落選してます泣)超非難の的。しかしその後、肖像画などで少しずつ社会的な地位を得るようになっていきます。
そしてモネやゴッホやゴーギャンなど、印象派、後期印象派が台頭してくると、彼らはマネの系譜として語られることが多くなりました。今となっては平面的な塗り方と言われても「え〜全然普通じゃん〜〜」と思いますが、歴史の中で批判を浴びながら徐々に許されるようになっていったので、私たちの時代はいろんな絵を自由に発表できるようになり、違和感がないんですね。ふむふむ。
そして私はその歴史をそこまで踏まえず笑自由に描きましたとさ。でもマネの後ということで(?)少し印象派を意識したつもりですが、油絵苦手でした!笑しかし楽しかったです!
最後までお付き合いいただきありがとうございましたん
長谷部満莉愛🌸