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生き物と共に生きるために。

久しぶりの投稿。
最近動物や自然環境について考える機会が増えたので、自分なりの思いをnoteに綴ることにしました。
まずは身近な「フェレット」についてから始めたいと思います。

ご存知の方もいると思うのですが、2020年1月からフェレットを飼っています。パスバレーフェレットの女の子「こむぎ」です。

フェレットは、犬猫に比べて飼育経験のある人がまだまだ少ない動物。

わたしがこの子を飼うまで、フェレット事情が耳に入ってくることはほとんどありませんでした。実際に飼う段階になって感じたことは「思っていたよりも根深い問題が多い」「人間の生活に関わりが深い」ということ。読んでくれた人が、かわいいだけではない、ペット事情にちゃんと目を向けてくれるきっかけになればいいなと思っています。

※以下に記載することは、あくまでもわたし個人の意見です。ファームなどを否定するものではなく、一事実としてみていただければと思います。

1.生後数ヶ月で手術を経験するフェレット事情

フェレットを購入するとき、必ず視野に入れるのが"ファーム選び"。

日本で特にブランド化されているのは、アメリカ・ニューヨークが原産地である「マーシャルフェレット」。親離れが他のファームと比較して遅いこともあり、噛み癖が少なく、落ち着いた性格の個体が多いと言われています。

「はじめて飼う人はマーシャルがおすすめ」なんていう口コミも多く、なんとなくマーシャルにする人も多い印象。ただ、私はマーシャルの特徴のひとつでもある「耳の刺青」「体にマイクロチップが入っている」ことに違和感を感じてしまい、候補から外しました。

フェレットは必ず避妊・去勢・臭腺の除去手術が必要と言われています。攻撃性が増すことなどが理由で、海外では手術をしていないフェレットの飼育ができない地域もあるとか(北海道は飼育をする上で届出が必要です)。ほとんどのファームは生まれて数ヶ月以内に手術を行うのですが、完了した印としてマーシャルフェレットは耳に刺青が施されます。ちなみに、別ファームのカナディアンフェレットも同様です。

マイクロチップが埋め込まれている理由のひとつが、脱走などで所在が分からなくなったときに、マイクロチップに情報を埋め込んでおくことで飼い主を特定しやすくするため。実は、動物愛護管理法でも、犬猫などのペットの所有であることを明らかにするために装着を行うべき旨が定められています。

・動物愛護管理法では、犬やねこなどの動物の所有者は、自分の所有であることを明らかにするために、マイクロチップの装着等を行うべき旨が定められています。
・特定動物(危険な動物)や特定外来生物を飼う場合には、マイクロチップの埋込みが義務づけられています。
・特定動物(危険な動物)の飼養または保管の許可について
・犬やねこを海外から日本に持ち込む場合には、マイクロチップなどで確実に個体識別をしておく必要があります。また、海外に連れて行くときには、マイクロチップが埋め込まれていないと持ち込めない国があります。
「環境省自然観光局 動物と会いごと適切な管理」から抜粋

マイクロチップは飼い主が個体識別番号と個人情報をデータベースに登録していない限り、活用できません。実際、日本でもフェレットが脱走してしまうというニュースを度々耳にしますが、マイクロチップが活用できていないケースが多いというのが現状です。

生後数ヶ月で体に負担の掛かる手術を受ける必要があるうえに、マイクロチップを埋め込む手術と刺青を耳に入れることは、果たしてほんとうにフェレットにとって必要不可欠なのか。わたしはこの点が腑に落ちず、マーシャルフェレットではなくパスバレーフェレットを購入するという選択をしました。

2.母親と過ごす時間が短い

では、パスバレーフェレットはフェレットにとって良心的なファームと言えるのかと問われると、正直「Yes」とは言えません。

パスバレーフェレットは、身体が丈夫で病気になりにくい個体が多いと言われているアメリカ・ペンシルバニアのファームです。特に購入者がパスバレーを選ぶ理由のひとつは、生後数ヶ月のベビーフェレット時期から飼育できるということなのではないでしょうか。生後1ヶ月後くらいにはペットショップで販売されているため、ベビー時期から育てて懐かせたい人にとても人気。我が家のこむぎも、迎え入れたときは生後2ヶ月ほどでした。

ここで浮上するのが"生後すぐに母親と引き離されてしまう"という問題について。フェレットの飼育を断念する理由のひとつに、噛み癖の強さをあげる人がいます。本来なら、ベビー時期に親とのコミュニケーションの中で噛み癖が次第に治っていくものを、生まれてすぐに母親のもとから引き離されてしまうことで、噛み癖の強さが自然と治らないままペットショップで販売されてしまうのです。もちろん、飼い主がしつけをすれば治ると言われていますが、個体の性格にもよるので一概にすぐ治るとはいえません。親子の関係性で自然と築かれていく過程を奪ってしまうことは、彼らにとっても良いことではありません。フェレットだけに限らず、動物にとって親と子が過ごす時間の大切さは変わらないですよね。

ペット業界的にもベビー時期から販売した方が買い手がつきやすい、というのはどの動物にも共通している大きな問題。飼育側はかわいさだけでなく、ペット業界の根深い課題についても知っておくべきだと思います。

3.人間と同じ病気にかかりやすい

フェレットは老化のスピードが早いうえに、癌の発症率がとても高いと言われている動物。他にもインフルエンザウイルスや、最近話題のコロナウィルスにもかかりやすいことが研究結果として発表されています。
この”人間と同じ病気にかかりやすい”という特性は、わたしたちが使っている抗ウイルス薬や予防ワクチンの研究実験にとって欠かせない要素なのです。

呼吸器ウイルス感染症をはじめ、脳神経の研究など、現在も医療業界の発達にかかせないモデル動物として幅広い研究に使われています。しかし、世の中の大半の人はフェレットが研究モデル動物であることを知らない人が多く、私たちの生活に深く関わりがあることをもっと認知していくべきだと思っています。

自分自身が飼っていない(飼ったことのない)動物の場合、事実を知ったとしても自分ごととして捉えにくいと感じる人は多いはず。ただ、自分たちの生活は彼らのおかげで成り立っているという事実は変わりません。フェレットを身近に、そして彼らの課題について目を向けていくことが、これからのペット業界を良くしていくうえで大事なことなのだと思います。

フェレットって、ほんとうに愛らしい動物なんです。寝顔とか、後ろをちょこまかついてくる姿とか、わたしは飼ってほんとうによかったと思うことばかり。興味を持つ人がひとりでも増えていくといいなと思っています。

動物について、またどこかでまとめようかな。





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