THA BLUE HERB 24時間配信の感想。
札幌を代表するHIPHOPグループ、THA BLUE HERB(以下、TBH)が、2021年8月7日20時から8月8日20時にかけて、24時間の配信をYOUTUBEで行った。
この配信、ところどころ見逃してはしまったものの、18時間くらいは見ていたのでその感想を残しておこうと思う。
それにしても札幌でやっているオリンピックのマラソンの裏でやるってのはすごいよなあ……。北の王者の貫禄としか言いようがない。
配信の内容は、このタイムテーブルの通り。
1stアルバム「STILLING,STILL DREAMING」から5thアルバム「THA BLUE HERB」までライブ映像を中心に振り返っていくというもの。
これが本当にすごかった。
レア映像は出てくるわ、インタビューは面白いわ、BOSS達のトークもプログラムの切れ目でしっかりとあるわで、めちゃくちゃ内容が濃かった。
僕がTBHを聞きだしたのは、高校生の時に「未来は俺らの手の中」に出会ってからだ。
当時2ndのアルバムが出てしばらく待っていた頃で、あまり1stの頃は知らなかったということもたり映像が新鮮だった。伝説は聞いていたけど、イケイケだったんだなーと思った。
▲COAST2 COAST2
あまり知らないので大きな声では言えないのだけど、1stのアルバムで北海道から東京にぶちかましたのはかっこよすぎる。
特にCOAST 2 COAST 2の「北からいただっくっ!」って歌詞が好きだ。自分の住んでいる群馬はいつも東京にないものとして扱われているので、「俺もなにか東京にかましてやりたいぜ」って思えてくる。まあなにもできないんだけど。
あとファンの濃度も異様なくらい濃かった。
TBHのパンチラインでしりとりをするという企画があったのだけど、曲のパンチラインをみんなどんどん、出してきて、「こりゃあ自分みたいなニワカがやすやすと入れるもんじゃねーな」とも実感した。
あとは「路上は狂っていたから書けた」って話もおもしろかった。
路上は7分超だし、カトマンズのことなのに日本の人も共感できるような内容になっていたり、狂っている曲だなと当時も今も思うけど、書いた本人が狂っていたってのはそうだよなあと納得してしまった。
そして配信の最後の方。
BOSSのソロアルバム「IN THE NAME OF HIPHOP」のツアー、5枚目の「THA BLUE HERB」のツアーの配信は、涙が止まらなかった。
ラフラとの死による別れを描いた「CANDLE CANT」からラフラの死後16年後のことを歌った「 Living in the future」のつなぎは、鳥肌が立った。死による悲哀を歌わせたらBOSSにかなうものはいないんじゃないかと思う。
昔の売れなかった時代を描いた「NOW IS NOT THE TIME」、 そしてライムスターとのビーフの和解を象徴する「TRAINING DAYS」の流れもよかった。
「未来は俺らの手の中」もそうなんだけど、BOSSは、みじめな姿も、闘っていく姿も歌うので、聞いていて本当に勇気をもらえる。
そしてそして本当に最後。
プログラムが押して、24hでは終わらなかったのだけど、なんの因果か東京オリンピックの閉会式と完全にかぶったんですよね。
最後に歌っていた曲の映像は、去年だしたミニアルバム「2020」のもの。
偶然もあるんだけど、SNSなんかで閉会式すげーって盛り上がっているのとは対照的に、「fuck you 2020」と叫ぶBOSSの姿はなんだか胸にくるものがあった。
まとめ
全部のアルバムが好きなんですが、いまいまでは2019年に出した5枚目「THA BLUE HERB」が一番好きなんですよね。
普段メディアやネットで取り上げられない地味な人々の悲哀や風景がめちゃくちゃ丁寧に歌われているんですよ。30曲入ってるだけあります。
自分も地味な存在で東京にも住んでいないし、決して多数派でないので、同じような人々が歌われていると存在を認めて貰えたようでうれしい気分になるんですよね。
TBHの配信を見れて、これからも自分の人生を頑張っていこうと思えました。最高の25Hでした。
なんかアルバム3枚の楽曲を作ってるって話もあったので、これからを楽しみに待ちたいです。