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Photo by
miniminicar
木綿の温もり
どうしてなんだろうか?
木綿の布って温かい。
温かく感じる。
手触りというもの、温もりというもの、
くるまれて温かい、安心感のある世界。
触っているだけで心が落ち着く。
それは、木綿をつくる材料が、温もりを持っているから。
温かいから。
小さな綿花のさや(?)の中に、黒い小さな種をくるんで、白い綿。
ふかふかの綿(わた)。
それを集めて糸にして、紡いで作った木綿の生地は、あたたかい日の光を吸い込んで、温もりを包み込んで、触る人、くるんであげた人たちを温めて守ってくれる。命もからだも包んでそっと温めて、冷たい風に負けないように、壊れてしまわないように、守ってくれるものなんだ。
ずっと昔の人たちが、生きるため、命をつないでくるために、守り続けてくれたもの、段々と消えていく、そういうものを守ること。
でも、そんなことなどきっとみんな思いもせずに生きている。
私だってそうなのかも知れなくて。
それはみんながおんなじで。
生きる力のある人は、弱い物、儚い物のことなんて、気づきもせずにいるんだと思うの。
強いから、わからない。
弱いものは些細なことでつらくなるし、傷もつくから、気づくのも早いような気がする。
弱くても、知らん顔して必死に生きてる人もいる。
守らなければならないものがあるから。
でもそれが、離れていってしまったら、また敏感な自分の心を持て余しながら、生きていくしかなくなってしまう。
つらいけど、それが現実。
木綿の布の温かさに気づいた時から、昔を生きていた人たちの辛抱強さのことを考えるようになって、いろんな歴史のことも考えるようになって、何かが変わった。変わってしまった。
だからといって別のところは、なにも別に、変わってはいないのだけど。
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