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ひとりごと
ストン。
大きな溝に落ちてしまったように何にもできなくなってしまって混乱している自分がいる。
自覚はあるのだけれどどうすることもできなくて。
こんなふうに人間て力を無くしていくのだろうか?
時間は過ぎていく。
止めることなんてできない。
ただ流されて行くだけの存在。
仕方ない、できることは一つだけ、流れにうまく同化して止まらずにいることだけ。
できることはそれだけ。
そうやってずっと生き続けてきた。
そういう風にしか生きることはできなかった。
だから今の自分も困らないように自分に合った流れを探してそこに沿っていくことしかできない。
それしかない。
しょうがないんだ。
すとんと落ちたこの場所でどんな風に生きていくのか?
それはもう私には見当をつけられない。
日向で暖かい光を浴びながら時間を過ごす。
明るい光の中にいると心は開いて透明になっていく。
陽光の温もりにからだも潤びて緩んでいく。
お日様はいつも空に輝いていて沢山のものを惜しみなく与えてくれる。
沢山の温もりと生きるちからを与えてくれて本当にありがとう。
今までの苦しみや諍いや痛みや歓びや生きる意味。
なにもかもみんなこうして明るい光があって、それを身に受けることで感じたり見つけたりその中で生きることができたんだ。
暖かい縁側でこうして光に満たされて座っていることができること。
こんな日が来るなんて考えもしなかった。
しあわせをありがとう。
誰にともなく伝えたい。
その術はないけれど、それでもいいから伝えたい。
そう思う。
坂道を滑り落ちていくようにいろんなことができなくなって、手離し続けていく途中の今。
私はそっと目を閉じてしあわせを感じ取る。
今までの苦しい人生。
でも、かけがえのない自分だけの人生。
私はもう何も自分で決めることも動くこともできなくなってしまったけれど、それでもここに生きていて、そうして光に包まれている。
それでいい。
それだけで私はもう十分なんだ。
ささやかな私の人生のおしまいがどんなふうになっていくのか今はもうわからない。
今わかっているのは、光と温もりの中にいるこの今の瞬間だけ。
しあわせはさりげなくいつも私と共にあった。
そんな普通のことにすら気づかずにいたけれど、今やっと気がつけた。
それだけが生きてきた意味。
それだけが今わかること。
ありがとう、みんな。
ありがとう、この場所。
生きていこう。
今のまま。
これからも信じていこう。
この世界が美しいこと。
この世界に大切にされているってこと。
信じよう。
信じてみよう。
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