一人夜。
自分の短歌で文章を書いてみました。よかったら読んでみてください。
冷たい空気。
清潔を感じさせるその中に、ほんのりと混じり込む花の香り。
切るような冷たさの中に柔らかな甘さがそっと隠れている。
マスクを外して空を見上げる。
白い息が空に向かって上がってゆくのを静かに見上げながら、家に着いたら何を飲もうか考える。
温かいものがいい。
少しだけトロリとした優しい味のものがいい。
駅の自販機の中のコーンポタージュが売り切れていた。
考えることはみんな同じなんだな。
急に冷えた空気に固まってしまったものがある。それがとても重たくて苦しくて動けない。抱きしめて欲しい。父や母に。今何か動いたら、とても危ない気がしてしまってどうしたらいいのかわからない。
寒いけど、辛いけど。
白い息が夜の中に吸い込まれてゆくのを何も言わずにぼんやりと見ていたら、小さな小さな自分を感じて少しだけ泣いてしまった。
後悔が浮かんでくる。
涙と息がかろうじて自分の温みを教えてくれる。冷えた空気に引き締められた頬に涙が溢れ落ちてく。
ハンカチで涙を拭い、もう一度マスクをつけて、家路を急ぐ。前だけを見て。
自分自身の足音に知らないうちに耳をそばだてていた。
内側に内側に入り込みながら、沁み込んでくる冷えた空気に抗って歩く自分を一生懸命励ましている。
負けないで。
もう少し頑張って。
一人だけの夜の道をひたすらに歩きながら、今を生きてる自分自身を感じて震えて少し泣いた。
自分の弱さも受け止めて、受け入れて、そのままで。
私はたぶん私を好きで、そのことは変わらない。
ありがとうございます。 嬉しいです。 みなさまにもいいことがたくさんたくさんありますように。